木の家 No.210
7年で生活スタイルが大きく変わりましたが、どんな暮らし方も受け入れてくれる家です
木の家 | 2024.5.21
神奈川県横浜市にある「木の家」Y邸は、7年も住んでいるとは思えないほど、生活感を感じない新築のようなお宅。白を基調とした壁や床に、ご夫婦の美的センスが光る家具が映えています。ご夫婦はこの家に住んで7年が経ちました。
マンション、中古の戸建てという暮らしを経て今の家に落ち着いたご夫婦。この家はお子さまたちが高校と中学校だった頃に設計を始めました。今はお子さまたちが独立されているのでご夫婦で二人暮らしを謳歌されています。
20年ほど前、有楽町にあったモデルハウスを見たときにご夫婦は「いつかここに住みたい」と思っていたそうです。美大出身で建築関係の知り合いも多いご主人は「こんな建築家に頼まないと作れないデザインの家を無印良品が手がけているのはすごい」と驚きました。それからマンション、中古の戸建てと移り住んだ後に終の棲家を求めて家探しをスタート。
「平行して検討していたハウスメーカーでは私たちの希望を入れると全部オプションになってしまいましたが、『無印良品の家』なら妥協がない。中古の戸建てで不満だった明るさや冬場の寒さなどにも対応した機能的なデザインで、このまま作れば理想通りになるのはこの家しかありませんでした。昔から無印良品を愛用しているのもあり、北欧チックな雰囲気とシンプルなデザイン、質に対する値段のバランスも含めてこれしかないと思っていました」(奥さま)
前に住んでいた中古の戸建てを建て直して「無印良品の家」として建て直すことも検討していましたが、仮住まいなどの負担が増えるので断念。たまたま散歩中にこの土地を見つけられたことから、「ここに自分たちの理想の住まいを建てよう」と思い切ることができたとご主人は振り返ります。
こうしてご夫婦の理想が詰まった家づくりが始まりました。
キッチン回りには奥さまのこだわりがぎっしり。まずは買い置きした食材を置いておくためのパントリーです。
「前の家は部屋数こそ多かったものの、収納が少なかったんです。日用品を収納していた2階の納戸にわざわざ物を取りに行かなければいけない負担がありました。でもこの家では1階のいろいろな部分に収納を設置したので、生活導線がとても楽になっています」(奥さま)
キッチンはステンレスタイプ。前の家ではキッチン付近の食器棚に油がはねて掃除が大変でしたが、今はお手入れがとても楽になったそうです。
ユニットシェルフのプランニングも奥さまが手がけました。何をどこに収納するのか、無印良品のユニットシェルフのはめ方などもしっかり計算。「自分の好きな家具が収まるスペースがあるという設計が素晴らしいと感じました。こういう理にかなったデザイン設計は他のハウスメーカーさんにはできないですね」と、長年無印良品のアイテムを愛用してきたからこそ感じるメリットを話してくれました。
ノイズを減らして広さを感じやすくするために、壁も床も白の色合いを選択したのもこだわりです。窓から入る太陽光に加えて白の内装によって家の中がさらに明るくなっています。
「前の家は建築して8年目の状態で、いろいろとリフォームをしてから住みました。リフォームして壁紙を張り替えましたが、数年経って直そうとしたところ、生産中止になって同じものが使えないことも。現在の住まいは塗装仕上げなのでちょっとした汚れもすぐキレイになりますし、長くずっと住める仕様になっていることを感じます。この家に住むのも8年目。前の家に住み始めたときと同じ年数ですが、内装も外壁もまったく劣化していません。もちろん新築の頃より傷や汚れはありますが、まったく気にならないですね」(ご主人)
設計当時はお子さまたちも一緒に住んでいたため、2階の個室の壁は少し高めに設計しました。お子さまが大学生や社会人となり、同じ家でリモートワークをした時期もまったく違和感がなかったそうです。一室空間のよさとプライバシー確保を両立できており、家族の息遣いを感じられることに奥さまは魅力を感じています。
今は在宅ワークがメインですが、設計当時はコロナ禍前だったので家で仕事をするとは思っていなかったというご主人。しかしこうした生活スタイルの変化も楽しめていると語ります。
「設計時とは生活スタイルや家具の配置がかなり変わっていますが、どんな模様替えにも順応できており、不満もまったくないですね。あらゆる暮らし方を受け入れてくれるのが一室空間ならではの魅力だと思います。残念だなと感じるポイントが一つもなく、シンプルやベーシックを追求した無印良品の考え方に共感して納得して住めているのが嬉しいです」(ご主人)
そう語るご主人に「これからどっちかが寝たきりになったり子どもが戻ってきたり、社会情勢やライフスタイルが大きく変わるかもしれません。でもどうなってもこの家が家としての幅を見せてくれるので未来がとても楽しみです」と、奥さまも笑顔で続けていました。