木の家 No.18
バリアフリー、二世帯住宅とSOHOを実現した三階建て
木の家 | 2008.10.21
今回は「無印良品の家」の3階建て住宅で暮らすご家族の登場です。
二世帯住宅+仕事場の3つの機能を「木の家」で実現しました。
「子どもが小学生になったら、学校が終わって帰宅した子どものそばで仕事をしたいと思っていました」。CG作家・デザイナーとして制作活動に多忙な奥様は、「これも建て替えのきっかけです」と振り返ります。その時に思い描いたのは、世田谷の風致地区に建つご両親の家を建て替え、別々だった仕事場と住まいを一つにして、ご両親と二世帯で暮らすプランです。「一世帯だと大変でも、二世帯の家族5人が協力しあえば解決できることは多いものです。例えば子どもの面倒も両親と私たちの二世帯でみることができます。一緒に暮らすメリットは大きいと思います」と奥様。限られたスペースの中で、二世帯の暮らし+仕事場を一つの建物に納めるには……。3階建て住宅の計画はその解決のために導き出されたカタチでした。
「それで3階建てを中心に住宅展示場を見て回ったんですよ。でもメーカーの住宅は豪華さを競う印象が否めず、必然性のない派手な意匠や無駄な設備が気になりました。一方、建築家に依頼しても、どれだけ自分たちの意向を汲んでくれるか未知数。身の丈に合った”普段着のような家”はないものかと、展示場で落胆して帰宅する途中、偶然、無印良品の家のモデルハウスを見つけたんですよ」とご主人。もともと無印良品はよく利用していて、考え方に共感する部分も多かった。「無印良品の家のモデルハウスを見て、まさに普段着の家という感じがしました。構造や性能もしっかりしていて安心できる。その場で思わず担当の方に、『木の家』で3階建てはできますか、と尋ねました」。
担当者の答えは「できます!」。ただし、二世帯住宅に仕事場を併設するためフリープランでの設計となり、設計には十分な時間をかけて行う必要がありました。「そのおかげで納得のいくプランができました。当初は眺望の良い3階に両親の住まいを設け、1、2階を私たちが使うという案でした。結果的には、日常生活の負担が少ない1階を父と母の住まいにしています」とご主人。建具はすべて引き戸で、段差がなく、日本家屋のようにぐるっと回遊できるプランが特長です。「ベランダ越しに2階の声が聞こえたり、孫が走り回る様子が伝わってきて、それが大きな安心感につながっています」とお母様も嬉しそう。
2、3階は二つの吹き抜けがあり、そのうち一つは奥様の仕事場につながっています。リビングルームのソファでの団らんではなく、家族は共有のフリースペースの大きなテーブルで寛ぐ。大きな空間を家族がシェアしながら一緒に使いこなすライフスタイルは、まさに「木の家」を使いこなす暮らしのように思えました。