MUJI×URの新しい提案 「Parts Room」登場 ーMUJI×URがオリジナルパーツをつくる理由ー

団地再生物語 | 2024.2.29

MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトは、UR都市機構と無印良品が新たな団地暮らしのスタンダードづくりを目指して、2012年に始まりました。プロジェクト開始から12年の時が経ち、今では団地暮らしが当時よりもだいぶ幅広い世代に浸透してきたのではないかと感じます。

この12年の中では、団地住戸のリノベーションといった空間構成だけでなく、設備や部材アイテムについても知恵を絞り、開発してきました。床材や建具、水まわりに至るまで、今ではその数は10以上に及びます。

MUJI×UR 共同開発パーツ
団地の暮らしの考察から生まれた、団地の魅力を引きたてるオリジナルパーツ

MUJI×URでは、UR都市機構と無印良品が共同で開発したオリジナルパーツを「団地の魅力を引きたてる新しいアイテム」として、リノベーション住戸に使用しています。
畳・ふすま・キッチンなどをひとつひとつ丁寧に考えて、団地の本来の魅力を引き立てるように見直しました。

中でも「麻畳」や「組合せキッチン」など一部のパーツは、MUJI×UR住戸での採用にとどまらず、無印良品の一部店舗でも一般販売を行うなど、団地以外の暮らしにも広がりを見せています。

今回、そんなオリジナルパーツにフォーカスを当てたMUJI×URの新たなシリーズ「MUJI×UR Parts Room」が誕生しました。
「MUJI×UR Parts Room」は、これまでのMUJI×UR Planシリーズのように間取りの改修や設計を伴うリノベーションは行いません。
これまでの取り組みの中で作ってきた、シンプルながらに素材感のあるパーツを、見慣れた団地の住戸にそっと添えるだけです。
これは、住む方が自由に編集できる余白をあえて残した、いわばシンプルな「暮らしの土台」であると言えます。そこに住む方が自分らしさを追加して、団地暮らしを楽しんでいただけたらと思っています。

また、 MUJI×URのリノベーション住戸もおかげさまで入居募集時には高い倍率がついたりと、なかなかご入居を希望される皆様へ供給が行き届かない状況が続いていましたが、このMUJI×UR Parts Roomの誕生によって、今までより多くの住戸をお届けできるようになります。

「MUJI×UR Parts Room」では、暮らしの可変性・木や畳の素材感・充実した水回りなど5つの暮らしのテーマを設け、それぞれのテーマに合わせたオリジナルパーツを組み合わせました。オリジナルパーツはそれ単体ではもちろん、更にパーツ同士を組み合わせることによってそれぞれの魅力を引き立てます。

テーマ1:変えられる

【組み合わせパーツ:麻畳、可変性のある照明】

床座にも椅子座にも対応できる麻畳と、セードを取り外したり、高さを変えたりすることのできる照明を組み合わせることで住む人のさまざまな暮らし方に対応することができます。

テーマ2:木に触れる

【組み合わせパーツ:合板フローリング、木製スイッチプレート、木製取手】

合板フローリングと、木製の取手・スイッチプレートといった、身体が直接触れる部分に木のあたたかみを取り入れました。様々なタイプのキッチンに取り付けることができる木製取手と、壁の要所に取り付けられる木製スイッチプレートは、小さいながらも存在感を主張し、暮らしを彩るアクセントになります。

テーマ3:つなげたり、仕切ったり

【組み合わせパーツ:ダンボール/半透明ふすま・らんま】

ダンボール、半透明ふすまとふすま収納を組み合わせました。ふすまを外すことで、部屋を暮らし方に合わせた間取りにすることができます。外したふすまは「ふすま収納」に収納することができ、お部屋の中で邪魔になることがありません。

テーマ4:素材を大切に

【組み合わせパーツ:1/2い草畳、木製スイッチプレート、木製取手】

素材を大切に活かす短いい草を利用した1/2サイズのい草畳と、団地の伐採木でできた木製取手・スイッチプレートといった、これまでは捨てられてしまっていたものに新たな価値を与えてできたパーツによって、サステナブルな暮らしを体感できます。

テーマ5:水まわりが気持ちいい

【組み合わせパーツ:組合せ/持出しキッチン・洗面台・ユニットバス(3つのうちいずれか)、アルミアクセサリー】

オリジナルのキッチン・ユニットバスのいずれかのパーツか、洗面台にアルミアクセサリーを組み合わせて採用することで、気持ち良い水回りを実現しました。シンプルで無駄を省いた作りのキッチンと洗面台は、備え付けの収納が無いため、好きなように収納をカスタマイズすることができます。目にも手にも触れるアクセサリーは、いつまでも飽きのこないスタンダードなデザインです。

いかがでしょうか。
そして、この「MUJI×UR Parts Room」の登場に伴い、新たに4つのパーツがオリジナルパーツに加わりました。こちらについても開発の背景と合わせてご紹介したいと思います。

スイッチの無い部屋と照明

昭和に建てられた団地には、お部屋の壁にスイッチが無いことが多くあります。
これは当時の照明の多くに引き紐が付いており、スイッチの必要性がそこまで無かったためです。その後照明器具の形も変化をしていき、今では引き紐の無いタイプが主流となりました。このような団地のお部屋を現代仕様に改修しようと思うと、壁にスイッチを付けたくなるのが一般的かと思いますが、スイッチ配線を後から配線するのはなかなか大変です。

(後からスイッチを付けた例。壁に配線が露出する)

そこで原点に立ち返り、引き紐付きの照明を現代版にアップデートすることにしました。

新パーツ:可変性のある照明
白い水平セードに引き紐の付いた、団地暮らしの背景となる懐かしさも感じられるようなミニマムなデザインの照明です。これなら「スイッチの無い部屋」でも問題無く使用することができます。
また、セード部分は取り外し可能になっており、そのまま使うことはもちろんですが、取り外して裸電球のままにしたり、他のセードに付け替えたりと自分好みにカスタマイズすることができます。
加えて、コードの長さ調節も可能なため、床座や椅子座など様々なライフスタイルに合わせて照明の高さを変化させながら使うことができます。

関連コラム:「知恵を組合せたレシピ」から考える暮らしの知恵 | 団地から考える暮らしの知恵100 | 住まいのコラム | 住まいのかたち|Magazine for MUJI LIFE

地産地消型スイッチプレート

団地には広い敷地に豊かな緑が植えられていることが多く、築40年、50年と経つにつれ、その緑も大きく成長をしてきました。大きく育った木々たちは、団地の敷地を管理していく中で定期的に剪定を行っていますが、切り落とされた部分は処分されるのがほとんどです。これらを資源として何か新しい用途を与えることができないか、ひいてはそれを団地の中で利用できるような「団地内の地産地消」ができないかということを考えてパーツを作ってみました。

新パーツ:木製スイッチプレート
団地で伐採された木や団地の古材を活用したスイッチプレートです。
樹脂や金属では味わうことのできない、柱や鴨居のように経年によって飴色に変化していく様子を住みながら楽しむことができます。
団地で育った木が、今度は団地の住戸の中で形を変えて時を刻んでいきます。

関連コラム:「団地の地産地消」から考える暮らしの知恵 | 団地から考える暮らしの知恵100 | 住まいのコラム | 住まいのかたち|Magazine for MUJI LIFE

キッチンのイメージを変える取手

団地のキッチンには、白い無地の扉が付いた普遍的でシンプルなデザインのものが採用されていることが多いです。

取手の形状はまちまちですが、現代の機能的なキッチンと比べると時代を感じるようなデザインのものもあります。
このように、この取手ひとつでキッチンの印象が大きく変わるということに着目して、取り付けただけでまるで新しいキッチンに変わるような取手が出来ないかと考えました。

新パーツ:木製取手
団地の普遍的でシンプルなデザインのキッチンに取り付けるだけで、木のあたたかみを感じられる新たなキッチンに生まれ変わります。普段は捨てられていたフローリング工場の廃材の木端を活用しており、様々な樹種の質感が楽しめます。

関連コラム:「工場で捨てられていたもの」から考える暮らしの知恵 | 団地から考える暮らしの知恵100 | 住まいのコラム | 住まいのかたち|Magazine for MUJI LIFE

現代の暮らしに合う畳

団地の住戸には畳の部屋が多くあります。団地が建設された当時の日本は和室の暮らしが一般的で、団地の限られた空間のなかでは、大家族が床座で食事をするのも、床で川の字で寝るのも、和室が最適でした。
これも現代仕様に改修しようと思うと、畳をフローリングに洋室化するのが一般的ではないでしょうか。ただ、先程と同じように、畳の部屋をフローリングにするのもなかなか大変で、手間とコストがかかります。
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトでは、これまでに「麻畳」という商品を開発しました。畳とは思えないすっきりとした外見と、麻のざっくりとした感触をそのまま生かした新しい畳で、これによって和室を洋室化せずとも洋室のような使い方が可能になります。

そんな麻畳に続く、現代の団地の暮らしに合わせた畳の第二弾をつくりました。

新パーツ:1/2い草畳
1帖サイズの畳になるには長さが足りず、使い道が無く廃棄されていた100cm以下の「短いいぐさ」を利用して、従来の畳の1/2幅の畳を作りました。
従来の畳のように敷き方に決まりが無いため、フローリングのように敷いてみたり、お部屋に合わせて様々な敷き方ができます。また、麻畳と同じく縁を無くしたことで、いかにも和室といったイメージからの脱却を図りました。

関連コラム:「捨てられていたもの」から考える暮らしの知恵 | 団地から考える暮らしの知恵100 | 住まいのコラム | 住まいのかたち|Magazine for MUJI LIFE

いかがでしたでしょうか。
オリジナルパーツを使用した新シリーズ「MUJI×UR Parts Room」と、新しいオリジナルパーツをご紹介いたしました。
気になるパーツやテーマを見つけて、自分らしく団地暮らしを楽しんでいただけたらと思います。

今回ご紹介した「MUJI×UR Parts Room」の住戸は、まずは神奈川県の新山下ベイシティ洋光台北団地鶴が台団地と、愛知県の中央台団地にて2024年の2月下旬より先行募集を開始し、その後順次全国で展開を広げていく予定です。(募集に関して、詳しくはこちら

より多くの方にMUJI×URシリーズの住戸をお届けできるように、これからもアイデアを模索しながら進化をしていきます。
今後の展開に是非ご期待ください。