「団地の地産地消」から考える暮らしの知恵

団地から考える暮らしの知恵100 | 2023.6.28

第三十八回
「団地の地産地消」から考える暮らしの知恵

「今まで捨てられていたもの」シリーズとして、

第一回目は「短いい草の使い方」をテーマに、
第二回目は「工場で捨てられていたもの」をテーマに

アイデアをご紹介しましたが、

第三回目は「団地の伐採木」をテーマにアイデアを考えたいと思います。

団地の地産地消。例えば、団地には広い敷地に豊かな緑が生えていることが多く、築40年、50年と経つにつれ、その緑も大きく成長をしてきました。

北本団地

それら大きく育った木は、団地の敷地を管理していく中で定期的に剪定を行っています。団地で成長し伐採された木を、また団地の暮らしのために役立てる。そのような「地産地消」型の活用方法を考えてみたいと思います。

そもそも団地で育った木は、山で林業用に育った木とは違い、樹種も様々で育ち方も様々あり、建築材料としては適していません。そのため、使用するためにはある程度小さいサイズに加工された状態からのスタートになります。その状態からどのようなものが作れるのか・・・そう言った視点で考える必要があります。

小金原団地

<暮らしの知恵 団地の地産地消 – 団地の伐採木でできた壁プレートシリーズ ->

伐採木一本からは切り取る部位によって、様々な部材が取れそうです。団地で育った大切な木なので、余すことなく使い切りたいものです。

例えば、

・一番太い幹の部分…浴室の木製風呂フタ
・細い幹の部分…木製スイッチプレートや、木製表札(室名プレート)
・先端の枝の部分…壁付け用の枝フック

としてみてはどうでしょう。根本の太い幹から先端の枝まで、余すことなく使い切ることができたら、「団地の地産地消」として有効に活用できていると言えるのではないしょうか。

<暮らしの知恵 団地の地産地消 – 団地の伐採木でできた壁プレートシリーズ ->

その中でもスイッチプレートや、枝フックは、「壁プレートシリーズ」として展開してみても良さそうです。木製のスイッチプレートは、普段から手で触れる機会が多い部分なので、木にすることで柔らかさや、経年変化を楽しむこともできそうです。

枝フックは、ベース部分をスイッチプレートと同じにすることで、壁に設置した時の違和感をなくすことができます。帰宅した玄関先で、枝フックに玄関ドアのキーホルダーをかけて部屋の電気をつける。そんな日常の一連の作業も行えそうです。

団地で育った木が、今度はまた違った形で団地の住戸の中で時を刻んでいく。
そんな「団地の地産地消」としての提案はいかがでしょうか。

いかがでしょうか? このようなちょっとした知恵で素敵な暮らしが実現する「団地から考える暮らしの知恵」を随時発信していきます。みなさんのご意見をお待ちしております。