なぜ若者の住宅購入が増えているのでしょうか

リノベーションなんでも相談室 | 2026.6.2

ご質問

若者の住宅購入が増えているというニュースを見かけました。住宅価格が高騰しているなかで、なぜいま若者の持ち家志向が高まっているのでしょうか

かつては「家を買うのは結婚して子どもができてから」「40代くらいで落ち着いて購入するもの」というイメージを持つ方も多かったように思います。ところが最近では、20代でマンション購入を検討する方も珍しくなくなりました。実際、私自身もたくさんの住宅購入のご相談を受けていますが、最近では若い世代からのご相談が増えている印象があります。なぜいま、若者が家を買うようになっているのでしょうか。

今回は、自身も20代で1件目のマンションを購入した、宅地建物取引士でファイナンシャルプランナーの“こっしー”が、若い世代のマンション購入について解説してまいります。

高まる若い世代の持ち家志向

まずは、若い世代の住宅購入の動向について見てみましょう。総務省が毎年行っている「家計調査」によれば、2人以上の世帯の持ち家率は2015年では27.3%でしたが、2025年では40.7%まで高まっていることがわかります(図1)。ニュースで見聞きする通り、20代の若いご夫婦世帯においては、家賃を払い続けるよりも、資産となる持ち家を持とうという機運が高まっているようです。

図1. 20代持ち家率の推移(2人以上世帯)

デフレ時代においては「しばらく賃貸に住みながらお金を貯める」という選択にも一定の合理性がありましたが、不動産価格や家賃の上昇が続くなかでは、待てば待つほど買えなくなることへの不安感もあるのでしょう。また、持ち家率が高まっているのは、20代の「2人以上の世帯」ということですから、若くして結婚した夫婦がペアローンを活用するなどして、不動産価格が高騰するなかでも住宅を購入できているという実情も見て取れます。実際、ひとり暮らしも含めた総世帯での20代持ち家率は7.8%とのことで、不動産価格高騰のなかで誰もが家を買えているというわけではなさそうです。

図2. 年齢階層別の持ち家率(2025年)

インフレ時代における「持つこと」のメリット

不動産価格が高いといわれるなかで住宅購入に舵を切ることには心配もあるかもしれませんが、インフレの状況下においては、若いうちから賃貸ではなく持ち家に住むというのは合理的な選択です。普段の生活においても「あらゆるものが高くなったな」と感じることも多いと思いますが、貨幣価値が低下すれば、現物資産である不動産価格は当然高騰します。特に都市部に建つことが多いマンションにおいては、資産としての意味合いがより色濃くなりますから、マンションを購入することはひとつの資産形成にもなるのです。若い世代においては、このようなインフレ感覚が自然と身についているのかもしれません。

以前のコラム「住宅ローンはインフレ対策になるのでしょうか?」でもご紹介した通り、インフレの状況下では、時間とともに住宅ローン残高が相対的に目減りしていきますから、最大限に住宅ローンを活用することもかしこい資金計画のポイントとなります。20代であれば最近普及してきた50年ローンをフル活用できますから、若者が住宅購入を検討する際には、なるべく長期間で組める金融機関を検討するなどの工夫をするとよいでしょう。住宅金融支援機構が行った「住宅ローン利用者の実態調査(2025年4月調査)」によると、35年を超える返済期間で住宅ローンを借りる方が全体の1/4まで増えており、住まいの買い方の新常識がつくられつつあるように思えます(図3)。ただし、家庭ごとに適正な予算がありますから、銀行が貸してくれるからといって、むやみやたらに予算をあげないように気を付けましょうね。

図3. 住宅ローン借入期間の推移

住替えも想定した、マンション購入を。

若くして家を購入することの懸念のひとつに、家族構成がどうなるかわからない、ということがあげられます。結婚や出産によってライフステージが変われば、必要な住まいのあり方も変わってきますから、若いうちに住宅を購入するのであれば、将来的な住み替えを意識しておくのもよいかもしれません。実際、私の住宅遍歴においても、54平米(夫婦+子1人)→71平米(夫婦+子2人)→88平米(夫婦+子3人)というように、ライフステージやライフスタイルの変化にあわせた住み替えを行っています。具体的でなくても、「もしかしたら住み替えるかもしれない」という可能性だけは念頭においてマンション選びやリノベーションの内容を検討するとよいでしょう。

資産価値を保てるマンションの選び方やリノベーションで取り組むべき工夫については、過去の投稿が参考になりますから、下記のコラム記事もあわせてご覧ください。マンション選びにおいては、建物の耐震性や目には見えない管理面。リノベーションにおいては、トレンドを追いかけ過ぎないことや次世代に向けた省エネ住宅をつくることなど、いくつかのおさえておくべきポイントがあるのです。

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今回は、若者の住宅購入が増えている背景や、若くして住宅を購入する際のポイントについて解説しました。資産価値の落ちにくいマンションを、可能な限り長期の住宅ローンを組んで買う(=期限の利益を最大限享受する)というのが定石ですから、マンション選びや金融機関の選定などもまとめて相談できる方と住まいづくりのプロジェクトを進めてみてください。

無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」では、超長期住宅ローンのご紹介から、資産価値のあるマンション探し、設計・施工、お住み替え時の売却サポートまでワンストップでサービスを展開しております。ご興味をお持ちの方は、リノベーションセミナーや相談会、見学会にぜひお越しください。

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“こっしー”プロフィール

無印良品のリノベーションで働く、“こっしー”こと大越 翔は、自身の自宅も含めて100以上のリノベーションを担当。
宅地建物取引士やファイナンシャルプランナー、マンション管理士としての知見を生かしながら、さまざまな物件と向き合ってきました。
みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問にコラムを通じ、お答えします。

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