内覧では何を見ればよいですか?

リノベーションなんでも相談室 | 2021.7.6

みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問に、趣味=中古マンションの“こっしー”がお答えする「リノベーションなんでも相談室」のお時間です。

今回お答えするご質問は、こちら。
「スケルトンからのリノベーション前提で中古マンションを探しています。中身はすべて壊すこととなりますが、内覧の際には何を見ればよいのでしょうか」。

スケルトンを前提とした場合、一般的な中古マンション選びとは勝手が違います。すべて壊すからこそ気にしなくていい部分もある一方で、希望の間取がつくれるか否かの確認が必要になります。また、リノベーションでは触ることのできない共用部分も気になるところです。今回は、中古マンションの内覧で見るべきポイントを解説してまいります。

リノベの有無に関わらず重要な、共用部分や眺望・日当たり

まずは、リノベーションをするか否かに関わらず、中古マンションを検討する際に共通して重要になる部分について見てまいりましょう。内覧というとお部屋のなかに意識が向きがちですが、実際に暮らすことを想像しながら、共用部などもしっかり確認することが大切です。

(1)共用部の状態
表1に共用部でとくに確認したいことをまとめました。外壁タイルの剥がれや塗装のひび割れが放置されているようであれば非常に心配ですし、ゴミ捨て場や駐輪場が雑然としているマンションであれば住人のモラルが心配になります。実際、共用部を見て「ここはやめた方がいい」というほど荒れたマンションは多くないのですが、このマンションで住むイメージが湧くかな、という想像をしながら共用部を見てみるとよいでしょう。

表1. マンション共用部の確認ポイント

外壁 ・ひび割れやタイルの剥がれはないか
・錆汁が垂れた跡はないか
・コンクリートの欠けはないか
エントランス・共用廊下 ・清掃がなされ、ゴミなどは落ちていないか
・バリアフリー対応はなされているか
掲示物 ・騒音などトラブルについての掲示はないか
・古い掲示物が貼られたままになっていないか
ゴミ捨て場 ・整理整頓されているか
駐輪場 ・整理整頓されているか
・どのような自転車が置かれているか
植栽 ・剪定はなされているか

(2)眺望や日当たり
内覧の際には、眺望や日当たりなどの、どうしたって変えられない部分を確認することが大切です。眺望については、立った状態だけでなく、座った高さからどのように見えるかも確認してみましょう。前面に建物があっても、座ってみると思いのほか空が広く見えるということもよくあります。また、日当たりや明るさを確認するためには、電気をすべて消した状態も見てみると良いですし、風通しや騒音の確認のために、窓をすべて開けた状態と閉めた状態の両方を見てみることもおすすめです。

(3)周辺環境
内覧の際には、最寄駅から車で送迎されることが多いのですが、マンションの周辺や、駅からマンションまでの道などは一度歩いてみるとよいでしょう。歩いてみると、思ったより坂がきついなと感じることもあれば、商店街を抜けるので思いのほか遠く感じないなど、車での移動では得られない気付きがあります。この街なら気持ちよく暮らせそうかな、と想像を膨らませてみるとよいでしょう。

リノベーションの制約にも要注意

リノベーションならではの注意点についても考えてみましょう。いくつかのチェックポイントをご紹介しますが、正直、いずれも慣れていないとわかりにくい内容かもしれません。買ってはみたものの、やりたいことができないというのは残念ですから、建築に詳しい不動産仲介の方やリノベーション会社の方に相談してみることもおすすめです。

(1)解体できる壁・できない壁
マンションの構造によっては、リノベーション工事では壊せない壁が存在することもあります。図1左のラーメン構造では室内の間仕切り壁を取り払いやすい一方で、右の壁式構造ではグレーの躯体部分は壊すことができません。また、古いマンションではお風呂周りだけが躯体で囲われている場合もあり、お風呂のサイズを変更できないなどの制約が出てきます。内覧の際には、壁の厚みを調べたり、打診したりすることで、つくりを推定することができます。

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図1. ラーメン構造と壁式構造

(2)排水・排気による間取の制約
間取の自由度に影響を与える要素として、排水・排気があります。キッチンやトイレからの排水は、床下等を通り、共用竪管に接続されます。その際、排水が逆流しないように勾配をつける必要がありますから、水まわりの移動によって大きく床が上がってしまうこともあります(図2)。排気も出口が決まっているものですから、キッチンやお風呂・洗面・トイレの移動にあたっては制限が出てきます。内覧の際には、排水ルートや排水の高さ、排気のルートなどを可能の範囲で確認するとよいでしょう。

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図2. 水まわりの移動と床面高さの関係

(3)電気・ガス等のインフラ部分
古い団地などでは単相2線式という方式が採用されていることもあります。その場合、200Vの電源供給ができず、大容量のエアコンを使うことができないなどの制限が出てきます。ほかにも、ガス給湯器の号数や追い焚き設備の有無などのインフラ部分については内覧時に確認できると安心です。管理規約等も確認し、IHコンロにしたかったけどできない、床暖房を入れたかったけど入れられない、など残念な結果にならないように気を付けましょう。

(4)窓の性能や状態
窓の性能は、暮らしの快適性に大きく影響します。共用部である窓は、基本的には勝手に交換することができないため、既存の窓がどのような性能のもので、どのような状態なのかを確認しましょう。よく見ると、窓枠の塗装が剥がれていたり、腐りかけていたりと、結露の跡が見られることもあります。リノベーションで対策しなければ、また同じように結露してしまうことになりますから、気を付けましょう。

内覧ではわからないけど、大切なこと

今回のご質問は「内覧の際に見るべきポイント」がテーマですが、実は内覧だけではわからないけれども大切なこともいろいろとあるのです。その最たるものは、マンションの管理状態であり、将来的な暮らしやすさや資産性にも影響します。前回のコラムでも解説した通り、定期的な修繕工事のために計画的にお金を貯められているかなどは確認したいところです。また、耐震性能管理規約、竣工図面についても早めに確認ができると安心です。

今回は、マンションを内覧する際のポイントについて解説しました。スケルトンにする場合でも、間取の制約や管理の良し悪しなど、確認すべきことはたくさんあるのです。くれぐれも、やりたいことができないマンションを選んでしまわぬようお気を付けください。無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」では、マンション選びからワンストップでサービスを提供しております。ご興味を持たれた方は、リノベーション講座や相談会にお越しください。

\みなさんからのご質問もお待ちしています!/

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