管理費・修繕積立金が高いマンションはどうですか?

リノベーションなんでも相談室 | 2021.6.22

みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問に、趣味=中古マンションの“こっしー”がお答えする「リノベーションなんでも相談室」のお時間です。

今回お答えするご質問は、こちら。
「マンション情報を見ていると、管理費や修繕積立金がマンションごとに差があることがわかりました。これらのランニングコストが高いマンションは買っても平気なのでしょうか」。

おっしゃる通り、管理費や修繕積立金の金額はマンションごとに異なるもので、やけに安いマンションもあれば、異様に高いものもありますよね。これらの費用は住宅ローンとともに毎月支払うものですから、マンション購入において無視することのできないお金といえます。今回は、管理費・修繕積立金の基本や目安となる金額について解説してまいります。

管理費・修繕積立金の基礎から

まずは、マンションの管理費等の基本を知るところから始めてまいりましょう。国土交通省が作成している「マンション標準管理規約」によれば、管理費および修繕積立金については、以下のように記載されています。

第27条 管理費は、次の各号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。
一 管理員人件費
二 公租公課
三 共用設備の保守維持費及び運転費
四 備品費、通信費その他の事務費
五 共用部分等に係る火災保険料、地震保険料その他の損害保険料
六 経常的な補修費
七 清掃費、消毒費及びごみ処理費
八 委託業務費
九 専門的知識を有する者の活用に要する費用
十 管理組合の運営に要する費用
十一 その他第32条に定める業務に要する費用(次条に規定する経費を除く。)
第28条 管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
三 敷地及び共用部分等の変更
四 建物の建替え及びマンション敷地売却(以下「建替え等」という。)に係る合意形成に必要となる事項の調査
五 その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理

管理費は、マンションの日常的な維持管理に使われるお金であり、共用部の電気代や水道代、共用部にかけている火災保険や地震保険、管理会社へ支払う管理委託費などが主な項目となります。マンション管理士のような専門家を雇う場合の費用もここから支払われます。人件費や消費税、火災保険料の値上げなどの外部要因による管理費の改定はあるものの、経年で毎月の支払額が高くなっていく、という性質のものではありません。また、コンシェルジュがいる、共用施設が豪華である、など高級志向のマンションでは当然ながら管理費は高くなります。

一方の修繕積立金は、外壁塗装や防水工事のような計画的な修繕や、漏水や設備の故障への対応などの突発的な修繕に使うためのお金です。これらの修繕工事には多くのお金が必要になりますので、その名の通り、修繕のためのお金を毎月積み立てて、必要に応じて取り崩すという使い方になります。積立ての方法としては、「段階増額方式」「均等積立方式」の2パターン(図1)があり、ほとんどのマンションでは前者が採用され、新築分譲時から段階的に修繕積立金を上げていくことになります。国土交通省の推奨は後者ですが、なるべく新築分譲時の毎月の支払い(ローン返済+管理費等)を抑えたいという新築ディベロッパーの考えもあり、新築・築浅マンションにおいて均等積立方式が採用されることは稀です。

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図1. 段階増額方式と均等積立方式のイメージ

管理費も修繕積立金も重要なマンション管理組合の収入ですが、中古マンションを選ぶときには、とくに修繕積立金を注意して確認しましょう。先ほど説明した通り、ハイスペックなマンションで管理費が高くなるのは当然ですが、修繕積立金については、一概にハイスペックだから高くなるというものではありません。例えば、30年間しっかりと修繕積立金の徴収と修繕工事をしてきたマンションと、十分な徴収もせず修繕工事も疎かにしてきたマンションとでは、今後必要になる修繕費用に雲泥の差があるのです。

修繕積立金の目安は1平米あたり200円?

「ランニングコストの高いマンションは買ってよいか」というご質問にお答えすると、管理費にしても修繕積立金にしても妥当な金額であればよい、と考えています。共用施設の豪華なマンションを望めば管理費は高くなりますし、小規模なマンションでは管理費・修繕積立金ともに負担は割高になるのは仕方ありません。マンションにおいて最も恐れるべきリスクは管理不全に陥ってしまうことですから、修繕積立金が高く思えたとしても、それが適正な金額であれば問題ありません。低すぎるよりはよほどマシです。

適正な修繕積立金の金額を知るためには、過去の修繕履歴や今後の修繕計画、管理組合の懐具合を知る必要がありますが、一応の目安となる数字もあります。国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を参考にすると、表1の通り、マンションの規模にもよりますが、1平米あたり約200円(70平米だと約14,000円)の修繕積立金が平均値であるとの記載があります。さらに、メンテナンス費用の大きい機械式駐車場がある場合には、その費用も考慮することとなっています。

表1.専有面積あたりの修繕積立金目安額

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しかし、このガイドラインの数字では少し心許ないかもしれません。ガイドラインでは新築分譲時から表1の金額を徴収する均等積立方式が前提となっていますが、前述の通り多くのマンションは段階増額方式が採用されているため、その差分を考慮する必要があります。さらに、ガイドラインがつくられた平成23年と比べると、人件費や資材価格高騰により修繕工事の費用も上昇していますから、その点も織り込む必要があります。人件費高騰の参考として、国土交通省が発表している「公共工事労務単価」を見ると、令和3年度は平成23年度に比べて約56%の上昇となっています(図2)。

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図2. 公共工事労務単価の推移

このように、ガイドラインの数字はあくまで目安なのだと認識した上で、中古マンションを選ぶときには1平米あたり200円という数字からどれくらい離れているか、という視点で見てみると良いでしょう。明らかに少ない金額であれば、今後の値上はほぼ確実でしょうし、1平米あたり250円程度あると、修繕について真剣に考えているマンションなのだろうと予測を立てることができます。もちろん規模や築年数にもよりますが。

将来の負担額の確認が重要

そもそも、管理費や修繕積立金の金額を気にする理由として、「マンションが管理不全に陥らないかという不安」と「管理費等の値上による毎月の出費増加への不安」のふたつがあるのではないかと思います。前者については、これまでの修繕履歴や総会の議事録などを確認することである程度ふるいにかけることができます。築20年を迎えても大きな修繕工事を行ったことがない危ないマンションも見たことがありますが、投資用マンションを除けば、そのようなケースは多くありません。

後者の不安については、マンションの財政状況や今後の修繕計画を確認することで、大まかな予測を立てることができます。ほとんどのマンションでは、向こう25~30年間の修繕工事の内容や必要な費用をまとめた「長期修繕計画案」(図3)がつくられているので、その内容を確認するとよいでしょう。内容の精査は簡単なものではないので、マンションについての知識の深い不動産仲介やリノベーション会社の担当者に相談するのもおすすめです。

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図3. 長期修繕計画案のイメージ

今回は、マンションの管理費や修繕積立金について解説しました。修繕積立金が安いマンションでも、実は駐車場からの収入が潤沢にあるなど、表面的な情報だけでは判断しにくいのがこの領域です。無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」では、専門スタッフがマンション選びからワンストップでサービスを提供しております。ご興味を持たれた方は、リノベーション講座や相談会にお越しください。

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