新耐震・旧耐震とは、何ですか?

リノベーションなんでも相談室 | 2020.6.2

みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問に、趣味=中古マンションの“こっしー”がお答えする「リノベーションなんでも相談室」のお時間です。

今回お答えするご質問は、こちら。
「中古マンションを探していると、新耐震基準・旧耐震基準という言葉を目にします。どのように違うのでしょうか?」

中古マンションの購入を検討していると、一度はぶつかるのが耐震基準の壁ですよね。希望条件に沿って探していると、なんだか価格の安いものが目に留まり、よく見ると築45年!大丈夫なの?と思った経験は、みなさんもあるかもしれません。今回は、新耐震基準と旧耐震基準の違いについて、解説してまいります。

耐震基準の変遷

まずは現在の耐震基準、つまり新耐震基準に至るまでの、法律の変遷を見てみましょう。日本で建築基準法が制定されたのは1950年、もう70年も前のことになります。その後の新潟地震や十勝沖地震を経て、1971年には建物の靭性(構造的な粘り強さ)を高めるように建築基準法の改正がなされています。この1971年を境に「旧々耐震」と「旧耐震」として区別されることもあります。仙台市を中心に甚大な被害を及ぼした1978年の宮城県沖地震を経て、1981年に建築基準法が改正され、耐震設計に対する考え方が根本的に見直されました。これがいわゆる、新耐震基準です。このように、幾度の大地震と安全な建物をつくるための研究を経て、現行の耐震基準にたどり着いているわけです。

新耐震・旧耐震の違い

それでは、新耐震基準になったことで、以前の基準と何がかわったのでしょうか。旧耐震基準では、震度5程度の中規模な地震があっても、建物が倒壊しないような強さが求められていました。ここ数年でも何度か発生している震度6を超えるような大地震についての規定は、以前の基準では存在しません。一方の新耐震基準では、震度5強程度の地震に対しては軽微な損傷で済むこと、震度6強から7に匹敵する大地震が起きた場合でも倒壊しないこと、つまり大地震の際にも人命が守られるような強さが求められています。実際、1995年の阪神・淡路大震災では、旧耐震基準のマンション(調査数:2,177棟)の6.4%に甚大な被害(大破および中破認定)が出ており、新耐震基準のマンション(調査数:3,084棟)の1.7%という被災状況に比べて大きな数字となっています。

耐震基準の違いによる影響

最後に、このような耐震基準の違いが、不動産流通の現場においてどのような影響をもたらしているのか、3つのポイントについて見ていきましょう。まずは、(1)税制優遇を受けられるかどうかに違いがあります。住宅ローン控除や不動産取得税・登録免許税の減税措置などは、新耐震基準を満たしていることが必須条件となります。専有面積などの条件を満たしていても、旧耐震基準の物件(耐震補強等で現行の基準を満たすものを除く)では、これらの優遇を受けることはできません。そのような理由もあり、(2)新耐震基準のマンションと比べると、旧耐震基準のマンション価格が安くなるという点も特長的です。マンションの場合、築年数を経るごとに価格が下落し、築25年程度で下げ止まるという傾向がありますが、旧耐震基準のマンションはもう一段価格が落ちる印象です。見落としがちなところでは、(3)住宅ローンの借りやすさにも大きな差が出てきます。どのくらいの築年数の物件まで融資をするかは金融機関次第ですが、都市銀行のなかでも旧耐震の物件には一切の融資をしないところも出てきました。数年前まで旧耐震にも積極的だった地銀が消極的な立場に転じるなど、ここ数年で変化が起こっているようです。金融機関の見方が厳しくなると、場合によっては旧耐震基準のマンションの更なる価格下落が起こる可能性もあります。

今回は、新耐震基準と旧耐震基準の違いについてお答えしました。耐震基準の違いにより、地震に対する強さだけでなく、不動産としての資産性という面においても違いが出てくるようです。住宅購入の際にどこまでのリスクを許容すべきか、将来的な計画をどのように考えるべきかなど、難しい判断になりそうですね。無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」では、中古マンションの選び方からご相談いただけますので、ご興味を持たれた方は、リノベーション講座や相談会にお越しください。

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