マンションと戸建てで迷っています

みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問に、趣味＝中古マンションの“こっしー”がお答えする「リノベーションなんでも相談室」のお時間です。

今回お答えするご質問は、こちら。
「中古マンションのリノベーションか、戸建て住宅を建てるかで迷っています。どちらがよいのでしょうか？」

なるほど、リノベーションか戸建て住宅のどちらにしようかということでお考え中なのですね。無印良品でも「MUJI INFILL 0」と「無印良品の家」というかたちでリノベーションと戸建て住宅の両方を提供しておりますから、迷うところですよね。今回は、マンションと戸建て住宅にはどのような違いがあり、それぞれどのような人に向いているのか、考えてまいります。

マンションと戸建て住宅の違い

最初に、マンションと戸建て住宅の違いについて見ていきましょう。両者を比較するには無数の観点がありますが、今回は「制約」「維持・管理」「流動性」の3つにギュッと絞って見ていきます。

まずは、「制約」の違いです。自分たちだけが暮らす戸建て住宅に対して、マンションの場合は多数の世帯が集まってひとつの建物に暮らすことになります。言わずもがなですが、これが何よりも大きな違いですよね。多数の世帯が暮らすマンションにおいては、その中での自治が必要になりますから、マンションごとに管理規約（マンションの憲法と呼ばれることもあります）が制定され、それに従って暮らす必要があります。ペット飼育の可否・楽器演奏の可否や時間帯の制限・内装工事の制限など、さまざまなことが定められ、その遵守が求められます。戸建て住宅の場合、自治会は存在しますが、管理規約のような強い制約はありません。大型犬を飼おうが、楽器を弾こうが、基本的には自由です。むしろ、気にすべきは法規的な制約でしょうか。土地に建物を建てる場合においては、建築基準法などの法令に従う必要がありますので、建物の大きさや形状などに制約が出てきます。

次に、「維持・管理」の違いです。清掃やゴミ出しなどの日常的な管理について、多くのマンションでは管理会社から派遣された管理人や清掃員がその業務を行います。マンションの各所有者は毎月管理費を負担することになりますが、自分たちで清掃などを行う必要はありません。戸建て住宅の場合は、自分で清掃やお庭の手入れなどをする必要がありますが、管理費の負担はありません。もう少し大きな規模の、建物の修繕についてはどうでしょうか。マンションの場合は、長期的な計画に沿って資金を貯め、修繕工事を実施することが一般的です。そのために各所有者は毎月修繕積立金を負担します。戸建て住宅の場合は、長期的な修繕計画を立てることは少なく、必要に応じて問題個所に対する修繕を行います。ちなみに、戸建て住宅の場合でも、長期的に適切な状態を維持するためには毎月2～3万円程度の積み立てが必要だといわれています。

最後に、「流動性」の違いです。売却をする目的で家を買う方は多くないと思いますが、万が一家を手放すことになったときに、どのくらいの期間で売れそうかというのは気になるところです。一般的には立地に勝るマンションの方が戸建て住宅に比べて流動性が高いといわれており、首都圏のマンションにおいては3ヶ月以内での成約が全体の2/3を占めるという統計や、マンションは戸建て住宅に比べて5ヶ月も成約までの期間が短くなっているというアンケート結果もあります。立地や築年数、建物の管理状態などにもよりますが、売却の際の手離れの良さにも違いがあるようです。

それぞれに合う価値観

今回は3つに絞ってお話をしましたが、マンションと戸建て住宅にはまだまだたくさんの違いがあります。どちらが良くてどちらが悪いというわけではないですから、ご自身の価値観に合った選択をするということが大切です。マンションと戸建て住宅、それぞれに向いている価値観とはどのようなものなのか、一例をご紹介しますので、自分の価値観はよりどちらに近そうか想像してみてください。例えば、住まいに資産性や利便性を求める人はマンションが向いているでしょうし、ガレージでお気に入りのバイクをいじりたいという人は戸建て住宅が向いているでしょう。みなさんは、いかがでしょうか。

マンションと戸建て住宅の違いについてお答えしました。住まいに対する価値観の問題ですから、自分はどちらに向いていそうか、じっくり考えてみるとよさそうです。とはいえ、自分だけで考えるのも簡単ではないですから、リノベーションセミナーや相談会にお越しいただき、価値観の整理をしてみるとよいでしょう。戸建て住宅にご興味をお持ちの方は、お近くの「無印良品の家」モデルハウスにご相談してみてください。

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