温熱環境を改善した団地のスターハウスのリノベーション

団地再生物語 | 2021.2.16

今回も、MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトから、新プランをご紹介します。大阪府枚方市にある香里団地では、MUJI×UR Plan59「温熱環境を改善した一室空間の自由な間取り」、MUJI×UR Plan60「温熱環境を改善した一室空間とアイランドキッチン」が実現しました。この2プランはスターハウスで実現しています。

一般的な団地は、5階建ての板状でシンプルなかたちの建物が、広い敷地に整然と並列に並べられていることが多く、これは陽当たりや風通し、住戸数を効率的に確保することを考えて、一番効率が良いかたちだからだと考えられます。
ただ、それが連続すると団地景観が均一となり、特長が出にくくなります。また、高低差が大きい敷地には板状の建物はつくりづらいということもあります。

そこで、その均一になりがちな景観にアクセントをつけ、高低差のある敷地でも建てられる建物として考えられたのが、スターハウスでした。

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スターハウスを真上から見るとY字型のかたちをしており、1フロアに3つの住戸が配置されています。そのかたちが星型に見えたことから、「スターハウス」という名前が付けられました。

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建物の中心には階段室があり、その階段室を囲むように3つの住戸が配置されています。各住戸はすべて角部屋となり、3方向が外に面しているので、採光や通風に優れています

MUJI×UR Plan59 温熱環境を改善した一室空間の自由な間取り

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もとの間取りは2DK、38.88m²となっています。3方向が外部・1方向が階段室に面していて、窓が多く寒さが課題だったスターハウスに、温熱環境を整えたフルリノベーションを行いました。
一度スケルトン状態に解体することで、外壁面全体に断熱材を吹き付け、全ての窓にインナーサッシを取り付けています。間取りは、住みながら家具で自由に変化させることができる、一室空間のプランとしました。キッチンは壁付けとすることで、狭い空間を最大限に生かせるようにしています。

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広い玄関土間は、土間収納やワークスペースとしても使用できます。引戸を閉めると個室になります

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もともと洗濯機置き場がなかった間取りの中心に、コンパクトなユーティリティスペースを設置しました

MUJI×UR Plan60 温熱環境を改善した一室空間とアイランドキッチン

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もとの間取りは2DK、37.56m²となっています。3方向が外部・1方向が階段室に面していて、窓が多く寒さが課題だったスターハウスに、温熱環境を整えたフルリノベーションを行いました。
Plan59と同じく、一度スケルトン状態に解体することで、外壁面全体に断熱材を吹き付け、全ての窓にインナーサッシを取り付けています。同じく間取りも、住みながら家具で自由に変化させることができる、一室空間のプランとなっています。キッチンはPlan59の壁付けとは違い、アイランドキッチンとし、キッチンから部屋全体が見渡せるようにしました。

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玄関ドアを開けるとすぐ目の前にLDK空間が広がります。玄関ドア手前の引戸で玄関ドアの存在を消すことができます

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もともと洗濯機置き場がなかった間取りの中心に、コンパクトなユーティリティスペースを設置しました

いかがでしょうか。現存数が少なくなってきているスターハウスですが、建設当時の団地設計やその空間を後世に伝える象徴的な建物として、活用法をご提案いたしました。今回ご紹介したリノベーション住戸は、香里団地(大阪府枚方市)にて実現しています。今後も無印良品の家ホームページ無印良品の家 Facebookでプランをご案内しますので、ご期待ください。