団地にインナーバルコニーをつくる

団地再生物語 | 2018.6.26

住まいのかたちアンケート「もう一部屋の使い方」について へのご参加ありがとうございました。今回も11,336件ものたくさんのご回答をいただきました。詳しい結果はこちらに掲載していますが、今回はアンケートの中から気になった部屋の使い方についてご紹介したいと思います。
間取りのアンケートも募集しますので、ぜひ最後までお読みください。

「10m²(6畳)のスペースを追加できるとして、現在お住まいの家にどんな用途の空間を追加したいですか?」という質問に対して、一番多かった回答は「収納・クローゼット・衣装部屋」、2番目は「食料庫」と、やはりモノを収納する場所にお悩みを持たれている方が多かったのですが、3番目に多かったのが「インナーバルコニー」でした。

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インナーバルコニーというと、外から光が入り、明るく、床が土間やタイルになっている場合が多い、半屋外空間として使える空間です。
趣味の自転車を置いたり、アウトドア用品を収納したり、観葉植物を育てたり… と暮らしの幅が広がりそうです。
以前のコラム「団地の玄関まわりを考える」でもたくさんのご意見もいただきましたが、インナーバルコニーを半屋外空間として考えると適切な位置としては、「玄関の近く」と「窓のあるバルコニーの近く」の2つが考えられそうです。

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こちらの間取りをベースにして、「玄関土間とつなげてできること」、「バルコニー近くでできること」をそれぞれ考えてみました。
大きめな面積約82m²の4LDKの間取りです。家族は夫婦2人と子供1人を想定します。

[A案]玄関土間ひろびろタイプ

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玄関の両側にある部屋を土間にした間取りです。広々とした玄関となりました。
洗面脱衣室の横をクローゼットとし、共用廊下側の土間と繋げています。クローゼットは家族共用で使っても良いですし、室内干しスペースとして使っても良さそうです。キッチンにも近く、家事動線も短くなります。共用廊下側の土間は、大型のクローゼットの他に、室内干しや納戸として使ってもよいでしょう。
玄関横バルコニー側の土間は、セカンドリビングや応接スペース、SOHOとして利用することができそうです。趣味の自転車やアウトドア用品を置いても良く、扉をつければ個室として使えるかもしれません。
[B案]玄関土間+インナーバルコニータイプ

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玄関横を土間空間とし、キッチンとつなげました。また、和室だったバルコニー側の個室をインナーバルコニーにしました。
床材は水に強いタイルとしてグリーンをおけるスペースにしています。食事はインナーバルコニーでもできるようにダイニングの代わりとし、リビングを広くしています。インナーバルコニーとリビングの間はガラスの入った建具で仕切れば視線がつながり広々と感じることができます。押入れはインナーバルコニーの物入れとして使っても良いでしょう。

[C案]玄関土間+バルコニー側一面インナーバルコニータイプ

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B案と同様に、玄関の横を土間にしています。ここでは、和室だったバルコニー側の個室を洋室化して、リビングダイニングとして広い空間としました。バルコニーに面した一面をインナーバルコニーとしています。インナーバルコニーとリビングダイニングはガラスの入った建具で仕切ることで、視覚的につながり広々とした空間となり、南からの光をリビングダイニングまで届けます。一部の建具を半透明として、インナーバルコニーを室内干しスペースとして利用しても良さそうです。

[D案]玄関土間+キッチン横インナーバルコニータイプ

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B・C案と同様に、玄関の横を土間にしています。ここでは、キッチン横をインナーバルコニーとしました。玄関横の土間~キッチン~洗面脱衣室~インナーバルコニーまでを水に強いタイルとしています。インナーバルコニーをキッチンとつなげることで、食事するスペースがキッチンに近くなります。料理に使うハーブを育てたりしても良さそうです。浴室にはインナーバルコニー側に窓をつけて、光の入る明るい空間としました。

いかがでしょうか。10m²(6畳)のスペースを追加できるとして、どんな用途の空間を追加したいですか?というアンケート結果から、インナーバルコニーにフォーカスして間取りをつくってみました。半屋外空間が暮らしの中に入ることで新しい暮らし方ができそうです。暮らしの余白として広々として使っても良いですし、扉を閉じて個室として使っても良いでしょう。
皆様のご意見をお待ちしております。

第4期第6回 「インナーバルコニー」についてのアンケート

アンケートは終了いたしました。たくさんのご意見ありがとうございました。