団地に住んで住人のための仕事をする

コラム | 2012.11.20

以前、この団地再生物語では、コラム「仕事部屋と住まい、ふたつの部屋を借りて住む」にて、4階建て最上階の階段室を挟んだ、左右ふたつの部屋をSOHOにすること、また、コラム「団地の一階でお店を開く」では、住人のためのカフェを開くことをご提案してみました。

さて今回は、もう少し積極的に団地の一部を開放的にしてお店などにできないか、ということを考えました。今回ご提案するこのお店では、住んでいる人たちの役に立つような、「日常の仕事」ができたらと思ったのです。

例えば、洋服のお直しとか、託児所とか、手芸の店とか、また語学が得意な人は翻訳とか、デザインが得意な人はデザイン事務所というのはどうでしょうか。
以前行った「未来の仕事のしかたについて」のアンケートでは、すでに副業を持っている方が13%、将来副業をしたいという人が58%もいました。

以下の間取りは、団地の一部の玄関側をぐっと開放的にして、洋服のお直し工房のお店にしてみました。
玄関扉を二重にしてガラスの扉にしてみましたので、昼間に仕事をしているときでも人が出入りしやすくしています。

お店や事務所を住居と別に持つのは資金的に負担になりますが、もし団地の一部をお店にしてちょっとした副業をする、住人同士がお互いに助かるような「小さなビジネス」をする、というのがあったら暮らし方が広がると思います。
もちろん現在の管理規約では、住居以外の目的で部屋を使うことはできませんが、住むところと働くところは可能であれば近い方がいいのです。

大企業に勤めるという働き方が今まで一般的だった時代もありましたが、現代のように就職そのものが困難であったり、また一度退職した女性などの企業への復帰が困難な時代には、家で自分の特技を活かして仕事をするというのは新しい生き方のように思います。

さらに、こうした仕事は住人同士のつながりもつくります。
単に話をするとかお茶を飲むだけではなく、仕事を通してコミュニティの中での役割を演じるというのも大事なことのように思います。
働きにでているため、昼間は誰もいなくなってしまうような集合住宅ではなく、住むところで働くことで、住人同士の交流が日常的になることができれば、人の目も増えて安全な場所にもなるかもしれません。

それにもっと良いことに、団地はオートロックなどのセキュリティーもありません。
開放的な空間をより解放的にして、街に開いていく。住んでいる人と人がつながっていく。実はそもそも「街の中での暮らし」とは、そういうものであったのではないかと思います。
住んでいる地域の中で、積極的に仕事をしてみる、いかがでしょうか。皆さんのご意見をお寄せください。