もしも団地の集会室をキッチンスタジオにできたら

コラム | 2017.4.11

団地の共用部には集会室があります。団地ができた当初は、若いファミリー世帯が多く入居していたので、集会室は様々な活動に使われていました。近年は住人も高齢となり、あまり使われることが少なくなっているようです。以前の団地コラム「集会室の使い方」でも触れましたが、せっかくある団地の集会所の有効的な使い方を、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

団地の集会室は共用部であり、団地に住む方が使うことができる屋内施設です。一般的に、団地の自治会やサークル活動などに使われていますが、いつも使われているわけではありません。
この集会室に人を集める方法としては、様々な用途に使いたくなるような魅力のある空間にする必要がありそうです。最近ではデザインに趣向を凝らして、集会室の内装をDIYして雰囲気を変えている事例もあります。

そこで新しい提案として、例えば、住戸には設置できないような大きな業務用キッチンを設置し、プロユースレベルの厨房、キッチンスタジオをつくるというのはどうでしょう。
趣味の延長でお菓子やパンをつくる人がいます。ですが、大型のオーブンなどの設備を個人でそろえるのは難しそうです。そこで共有のスペースに充実したキッチン設備をつくり、そこを時間貸しすることで自分のキッチンのように利用することができるのではないでしょうか。
また、その集会室のキッチンの隣、テラスなどにも自由な空間をつくり、つくったお菓子やパンを販売できるようにしたらどうでしょうか。ウッドデッキなどのオープンテラスなどにしても良さそうです。

キッチンで料理をつくる人は、自分のつくったものを評価していただけますし、高く評価されるようであれば、次のステップとして自分のお店を出すということも考えられそうです。買う人は、団地の中の集会所なので手軽に利用することができますし、そこに人が集まれば、コミュニケーションがおこりそうです。
いきなり、個人でお店を出すのは難しいですが、自分の住まいのすぐ近くで、自分の無理のない範囲で料理をつくって評価される場があれば、そのハードルは下がりそうです。

次のステップとして出すお店も、団地の空き店舗を使うということも考えられます。

何より、団地の中であれば、時間的な融通が利きそうです。
団地だけでなく、周辺とのコミュニケーションの場としても有効になりそうです。もし、団地内で手伝っていただける人たちが集まれば、例えば子どもをあずかり合ったり、働くみなさんの時間を融通しあうことで、無理なく働くことができるかもしれません。

暮らしを考える上で「住む」、「働く」、「楽しむ」の3つを丁寧に考えていくと、感じ良い暮らしが実現しそうです。一般的には団地のある郊外に住んでいたとしても、都心のオフィスに働きに行くことが多いですが、住まいの近くで働くという選択肢があっても良いのではないでしょうか。満員の通勤電車や往復3時間などの時間は、「働く」、「楽しむ」の視点から効率的ではないようにも見えます。

MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトでは、団地に「住む」部分にフォーカスをしていました。それ以外の「働く」「楽しむ」といった部分でも団地の新しい可能性を発見できたら、より団地住まいが面白くなりそうです。
「無理のない範囲で働き、趣味の延長として楽しむ」、そんな可能性のある団地の暮らし方はいかがでしょうか。是非みなさんの意見をいただければと思います。