建売住宅と注文住宅(その1)。価格はどちらがお得?

初心者が家を買う | 2010.7.6

FUJI 男性・独身。30歳代後半。
私が「実際に家を購入するまで」の顛末記を連載することになりました。
計画倒れに終らぬよう、みなさんの応援をよろしくお願いします。 m(_ _)m



みなさん、こんにちは。FUJIです。

以前、私とCHAKAふたりで担当していたコラムを、私ひとりで担当するようになってから、番外編も含めると今回で7回目になるのですが、先日、その元相方より、「なんだか、コラムが真面目すぎないか?」といわれてしまいました。

いわく、「FUJIがこんなに真面目だとは思わなかった。FUJIひとりにやらせたら、もっとハチャメチャになるのではないか、と思っていた。そうなったらそうなったで面白かったのに…」と、企業に勤める者とは思えない、無責任発言が…。

まぁ確かに、指摘されたとおり、なんだかアタマでっかちになっていたようにも思うんです。

このコラムは「私が家を買うまでの顛末を記録する」ということがテーマです。家を購入する、というのは、ほんとに大きな額の買い物ですから、私自身が非常に慎重になっている、ということも理由のひとつだと思います。

あとは、ありがたいことに、こんなコラムでも読んでいただいている方がけっこういらっしゃるようなので、できるだけ正直に書きたい、と私が思っていることも理由です。「正直」に書くためには、まずは自分の考えていることをちゃんとまとめる必要があり、その結果、いろいろと考えすぎているかなぁ、とも感じています。

慎重でよい、考えすぎるくらいでよい、とも思うのですが、そのいっぽうで、いろいろ調べたり、考えたりしたことだけをこのコラムに書いていても、元相方の指摘どおり、確かにつまらないことはつまらない…。

というわけで、今後は考えるのと並行して、いろいろなハウスメーカーのモデルハウスに行ったり、土地を探したりなど、「現場」にも足を運んで、レポートしていこうと思います。当初は「まずは考えてから。現場に行くのはその後」と思っていたのですが、並行していくことで、新たな発見があったりすると思うんですよね。

元相方同様、「どうもこのコラムは堅苦しいなぁ」と感じていらっしゃる方も、しばし我慢していただいて、今後にぜひご期待いただけますと幸いです。

建売住宅と注文住宅の購入手順の違いって?


さて、今回は「建売住宅」と「注文住宅」のメリット、デメリットについて考えてみます。

ちなみに、「建売住宅」というのは、「すでに完成している家が土地付きで販売されているもの」を指すときによく使われることばです。

対して「注文住宅」は、「自分が好きなように家を設計して建てたもの」を指すときに使われます。「無印良品の家」は、こちらに限りなく近いと思います。

(限りなく近い、ということは、「無印良品の家」は注文住宅ではないのか、というご指摘がありそうですが、それについては、後日詳しく書こうと思っています。とりあえず簡単にいうと、一般的な注文住宅が「フル・オーダー」的なものだとすると、 「無印良品の家」は 「セミ・オーダー」的なものであるところが長所だと個人的には感じています)

建売住宅は、不動産会社が販売している場合がかなりの割合を占めます。だから、建売住宅を購入する場合には、「不動産会社から土地と建物を同時に購入する」という手順を踏みます。手順を踏む、といっても、実にシンプルです。基本的には、「購入する私」と「不動産会社」との二者のやりとりで済みます。

もちろん、不動産会社は建物をつくることはできませんから、家そのものは不動産会社が大手のハウスメーカーなり、地場の工務店なりに発注し、家を建てています。

いっぽうで、注文住宅の場合は、いろいろな手順があります。まず、土地と建物は、別々に購入することがほとんどです。また、建物についても、ハウスメーカーに注文する、という方法だけでなく、まずは建築家などの設計者に注文する、という方法もあります。

建築家の設計事務所などは、家を設計することはできても、実際に家を建てることはできませんから、この場合は、建築家が工務店を紹介してくれるケースが多くなります。

建築家に設計を頼まずとも、工務店に直接注文する、ということも可能です。この場合は、工務店が自社で設計を担当したり、あるいは、設計だけを設計事務所に依頼したりするなど、いろいろな手法があります。(今では少なくなりましたが、昔だったら、信頼できる個人の大工さんに頼む、ということもごく普通のことでしたね)

住宅は誰が建てる?


大雑把にいうと、注文住宅を建てる際に「家を建てる人」は、ハウスメーカーと工務店の二者があるわけです。

「ハウスメーカー」というのは、一般的には、テレビCMを流すような、大手の住宅メーカーのことをいいます。大手なので、独自の工法や材料の研究、開発なども行っていたりします。

それに対して「工務店」というのは、大手ハウスメーカーほど会社規模が大きくない、中小規模の会社をいうことが一般的です。工務店は、国内に数万社以上あるといわれています。

ハウスメーカーに頼むのか、あるいは工務店に頼むのかによって、もちろん違いがあります。

ハウスメーカーは独自の工法や材料の研究、開発なども行っていまので、少々値は張りますが、耐震や耐久性などで先進的な技術を盛り込んだ家を建てることを得意としています。材料などを事前に工場で加工し、比較的高品質なものを均一につくりだすことに長けている、といわれています。

工務店は、ハウスメーカーのような先進的な建材や工法を得意とはしていませんが、昔ながらの木造住宅を得意としているところが多いようです。

ハウスメーカーがよいのか、工務店がよいのかは、一概には決められません。ただし、本当に独自色を強く、自由に家を設計したい場合は、決められた工法や規格、材料を売りにしているハウスメーカーでは対応できない場合が多いようです。こういう場合には、建築家に設計を依頼し、選んだ工法を得意としている工務店を紹介してもらう、というのがよさそうですね。

このように、ハウスメーカーの建材や工法の開発力を生かした家にしたい、とか、見た目のデザインにこだわりたいから、まずは設計事務所に相談したい、とか、注文住宅の場合はいろいろな手法がとれる、というのが特長のひとつなんです。

建売住宅と注文住宅、どちらがお得?


さて、今回のメインとなるお題です。建売住宅と注文住宅では、どちらがお得なのでしょうか?

答えは…、実はなんとも言えないんですよね。(汗

一般的には、「家を建てるための施工費が高いか安いか」の目安として「施工費の坪単価」などが注目されるようです。しかし、注文住宅は、どのように建てるかをかなり自由に選ぶことができます。「断熱性とか耐震性といった機能面には徹底的にこだわりたい。でも、見た目にはこだわらないので、そこのところを安くあげよう」とか、あるいは「コンクリート打ちっぱなしに憧れていた。お金がかかってもいいから、コンクリートの打ちっぱなしの外装にしたい」など、どこに費用をかけるか、まったく自由なわけです。

それゆえ、比較そのものが成り立ちにくいんですね。

ただ、建売住宅の場合は、買う側からすると、不動産会社のみが取引相手となるので、支払う費用もシンプルで明快です。ただし、そのトータル金額の内訳がどうなっているのかはあまり明らかにされません。つまりは、その「土地プラス家のどこに費用がかけられているのか」がわかりにくいのです。言い換えれば、「その物件の中で、何がより価値のあるものなのか」が見えにくいのです。

注文住宅の場合は、何カ月もかけて建築の計画を立てるのが普通です。事前に綿密に計画を練らないと、最後の最後になって、「あれ、思っていたよりも、ずいぶんと費用がかかってしまった…」ということになりがちです。

こうしたことを防ぐために、注文住宅の場合は、「きちんと相談できるハウスメーカーや工務店」を見つけることが大切になってきます。

ちなみに、「無印良品の家」では、「この価格になります」というものを公表しているんですけど、これってほんとに珍しいことなんですよね。いろいろなハウスメーカーのウェブサイトを見てみたのですが、価格を書いているサイトはほとんどないですから…。

今回の個人的まとめ


  • 建売住宅を購入する場合は、不動産会社から土地と家をセットで購入するので、手順なども一見シンプルでわかりやすい。ただし、そのトータル金額の内訳は不明

  • 注文住宅を購入する場合は、建売住宅を購入する場合よりも、いろいろと手順がある

  • 注文住宅は自由度が高い分、建売住宅に比べ、「最終的にどのくらい費用がかかるのか」がわかりづらい。事前にきちんと計画を練ることが大切


今回も、ちょっと真面目な話になってしまいました。建売住宅と注文住宅それぞれのメリット、デメリットについても、まだまだいろいろあるのですが、書ききれていませんね…。

次回以降も、「建売住宅と注文住宅、それぞれのメリット、デメリット」をわかりやすく挙げていこうと思います。ぜひお付き合いくださいませ。