大きい=安心じゃない。エアコンは“家に合わせる”が正解|夏を心地よく過ごすために#4
住まいのかたち | 2026.6.19
6月21日は夏至。
一年でいちばん、昼の時間が長い日です。
19時を過ぎているのに、「あ、まだ明るいな」と感じる。
そんな時間が増えてきました。
日が長くなるこの時期は、
外で過ごす時間が心地よかったり、帰り道が明るかったり。
一日が、少しだけ長くなったようで、なんだか得した気分になる季節です。
でもその一方で、
太陽が一年でいちばん高く昇るこの日を境に、
太陽の軌道は少しずつ低くなっていきます。
これからの季節は、西日を中心に、家の中へ日差しが入りやすくなる時期でもあるのです。
「エアコン、そろそろ…」と考える間もなく、
すでに冷房が欠かせない日も増えてきました。
でも、その一台。
どう選ぶかとなると、案外あいまいなままではないでしょうか。
エアコンの「畳数表示」、知ってました?

家電量販店で見かける「6畳用」「10畳用」といった表示、実は1964年に作られたJIS(日本産業規格)に基づいているんです。
ちなみに1964年は東京で初めてオリンピックが開催された年です。
東海道新幹線が開通し、東京と大阪間の移動時間が大幅に短縮されたとはいえ、まだ4時間かかった時代です。
その後、一度も改定されていないって、ちょっと驚きですよね。
当時の家は、
・断熱材はまだ一般的ではない
・窓は単板(シングル)ガラス
・気密性も低く、隙間風も当たり前
・木造平屋が主流
——つまり、「外の暑さ・寒さがそのまま室内に入る家」を前提にした基準でした。
でも現代の住宅は大きく変わっています。
・断熱材の性能が向上
・窓は複層ガラスやLow-Eガラスが主流
・気密性も高く、外気の影響を受けにくい
つまり、昔より熱の出入りが少ない家になっているんですね。
そのため、古い基準の畳数表示のままエアコンを選ぶと、実際より大きすぎる場合が出てきます。
同じ畳数でも、家によって効き方は違う
とはいえ、「畳数通りに買ったのに全然効かない…」ということもありますよね。
それは、部屋の環境に原因があります。
・午後に西日が直撃する部屋
・窓が大きく光がたくさん入る部屋
・風が通りにくい部屋
こうした条件が揃うと、畳数通りのエアコンでも冷房が足りないことがあります。
逆にいえば、次のような条件が揃っていれば、表示より少し小さめのエアコンでも十分に効
くということです
・断熱がしっかりしている
・日差しを外でやわらげている
・窓から風が抜けやすい
「リビングなのに 6 畳用で足りる」なんてことも、実際にあるんです。
つまり、エアコンの効きを左右するのは、部屋の広さ(乗数)だけではなく、断熱性能と窓まわりの環境というわけです。
窓は弱点だけど、価値でもある。

こういう話になると、よく聞くのが
「じゃあ窓を小さくすればいいんじゃない?」という意見です。
確かに窓を小さくすれば、熱の出入りは減り冷暖房は効きやすくなります。
実際、最近の新築では窓の小さい家も増えている気がします。
でも窓は、暮らしの快適さをつくる大事な場所です。
・光を取り込み
・風を通し
・外の景色を切り取り
・季節の気配を感じる
家づくりの現場ではこんな相反する声も聞きます。
「西日がつらいんです」
「でも、この景色は残したいんです」
どちらも正しい意見です。
だからこそ必要なのは、家を閉じることではなく“対策を変えること”です。
弱点は工夫で補えますし、窓の持つ価値はそのまま残せます。
窓まわりを整えるだけで部屋の熱の入り方や広がりが変わり、
必要なエアコン能力も変わります。
エアコンが大きい=安心 ではありません
つい「大きめのエアコンを付ければ安心」と思いがちですが、必ずしもそうとは限りません。
必要以上に大きなエアコンを選ぶと、このようなデメリットが生じることがあります。
・設定温度にすぐ達して「入り切り運転」が増える
・初期費用(購入代金)や電気代が上がる
・空気だけ急に冷えて、湿気が残りやすい
一方、家に合った能力のエアコンなら、無理なく安定して働きます。
つまり——
大きい=安心ではなく、家に合わせる=快適でムダがない
このバランスが、夏をラクにしてくれるんです。
■知っておきたいこれからのエアコン選び(2027年問題)
2027年からエアコンの省エネ基準が大きく引き上げられる予定です。
この影響で、現在販売されている低価格モデルの一部は基準を満たせなくなる可能性があるため、家電量販店では「今のうちに買っておこう」という動きもあるようです。
だからといって今すぐ買わなきゃ!という話ではありません。
畳数だけで選ぶ時代は終わり、
家に合った能力を選ぶ時代に少しずつ変わっている、と思っておけば安心です。
■住まいとエアコンの相性を知る「+AIR(プラスエアー)」
無印良品の家では、
家の冷房負荷や必要なエアコン容量を確認できる
+AIR というツールがあります。
「家とエアコンの相性を見てみたいな」というときの、ひとつの材料として活用できます。
気になる方は、モデルハウススタッフに声をかけてみてくださいね。

次回はいよいよ最終回。テーマは「電気とのつき合い方」です。
・24時間“弱め運転”は本当に節約になる?
・太陽光発電がくれる「心理的な安心」とは?
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