まずは家の外で遮る。日差しとの上手なつき合い方|夏を心地よく過ごすために#3
住まいのかたち | 2026.5.29
5月の後半になると、日差しが一気に夏らしくなります。
午前中は快適でも、午後になると急に暑く感じることがあります。
「え、急に暑くなった?」
――こんな風に感じたこと、ありませんか?
その原因の多くは、窓から入る日差しです。
太陽の熱が家の中に入ってから冷やすよりも、入る前に日差しを遮る方が効果的です。
今回は、その方法についてお伝えします。
実家の「45年物の窓」が教えてくれたこと
私が育った実家は、築45年のマンション。
窓は全部シングルガラスで、大きく、数も多い。
夏はエアコンがなかなか効かず、
冬はガスファンヒーターで部屋は暖かくても、
窓際は結露でびしょびしょでした。
今思えば、窓まわりの環境はとにかく厳しい家でした。
そんな家で、父が毎年していたのが「日よけ」でした。
・すだれを掛ける
・ゴーヤでグリーンカーテンを育てる
・バルコニーに日よけを設置
当時の私は「また始まった」と思っていました(笑)。
でも今思うと、これはまさに
家に熱を入れないための工夫の最前線でした。
ただ——
うちのグリーンカーテン(ゴーヤ)は育ちすぎて、
夏は毎日のようにゴーヤ料理。
子どもだった私はそこまで好きではありませんでしたが、
超薄切りにして塩でもんで苦味を抜きながらなんとか食べていました…
(これも、ある意味“日本の夏”ですね。)
最近は父も年を重ね、手入れいらずの厚手の遮光カーテンを使っています。
暑さ対策としてはある程度効果がありますが、
遮光カーテンを使うと午後は部屋が少し暗くなりがちです。

暑さの7〜8割は、窓から入る太陽の熱
家が暑くなる理由はいろいろありますが、
最大の要因は窓から入る太陽の熱です。
窓から入った日差しは、床や壁、家具に吸収され、
夕方になると「ムワッ」とした空気を作ります。
だからこそ、「まずは外で遮る」ことが有効なのです。方法はいくつかあります。
すだれ
手軽で効果も大きいです。
昔ながらの知恵はやっぱりすごいですね。
グリーンカーテン
うまく育てればかなり効果的です。
……ただし、うちのようにゴーヤだけ元気に育つ場合、
食卓に延々とゴーヤ料理が続くので注意(笑)。
庇(ひさし)
設計段階で取り入れると、とても優秀です。
夏の高い日差しだけを遮り、冬の低い日差しは取り込めます。
昔から日本の家で使われてきた、とても理にかなった仕組みです。
外付けブラインド
日差しを調整できるのが特長です。
・日差しの量を時間帯に合わせて微調整できる
・光は取り込みながら、熱だけを遮れる
・冬は視線を隠しながら日差しを取り込める
・一年中使える
初期コストは少し高めですが、レースカーテン代わりにもなり、
一年を通して使えるため、長い目で見るとコストパフォーマンスが良いと感じる方も多いです。
外で遮れない家はどうする?
マンションなどで外に日よけを設置できなかったり、
外観デザインの関係で取り付けたくない場合、
物理的に付けられない場合やコストを抑えたい場合もあります。
そんなときに活躍するのが、遮熱カーテンや遮光カーテンです。
ただ、この2つはよく混同されやすいので、ポイントを整理しておきます。
遮光カーテンは 「光」を遮る。
部屋が暗くなるため、寝室などに向いています。
遮熱カーテンは 「熱」を遮る。
光は通すので、リビングでも明るさを保てます。

「遮熱カーテンって暗くなるんですよね?」
と思われがちですが、
実は明るさを保ったまま熱だけをカットできる、なかなか優秀な存在です。
遮熱カーテン、実際にどれくらい違う?
無印良品の家では、家づくりの際にエアコンの効き方や室温を計算する
冷暖房負荷シミュレーションを行っています。
そこで「一般的なカーテン」と「遮熱カーテン」を比較したところ、遮熱カーテンを使うことで、室温の上昇を1〜2℃ほど抑えられ、冷房の負担を軽くできることがわかりました。
たった1〜2℃ですが、冷房の効きや快適さは意外と変わります。

日差しをコントロールできると、暮らしが少し楽になる
日差しの入り方を少し整えるだけで
・エアコンをつける時間が変わる
・設定温度を下げすぎなくて済む
・午後の過ごしやすさが変わる
――こんな変化が出てきます。
家づくりでは断熱材や窓性能に注目しがちですが、
実は日差しの扱い方を少し工夫するだけでも、
快適さはかなり変わるんです。
次回は、設備(エアコン)とのつき合い方についてお話したいと思います。
実はエアコンは、「畳数だけで選ぶ」と少しズレることがあります。
家の断熱性能や日差しの入り方によって必要な能力が変わるからです。
次回はそのちょっと意外なエアコン選びの話をお届けします。
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