リフォーム済を買うのはどうでしょうか?

コラム | 2020.9.22

みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問に、趣味=中古マンションの“こっしー”がお答えする「リノベーションなんでも相談室」のお時間です。

今回お答えするご質問は、こちら。
「ポータルサイトで中古マンションを探していると、リフォーム済物件・リノベーション済物件というものをよく目にします。このような物件を買うというのは、どうなのでしょうか」。

わかります。ポータルサイトを開いて、希望の条件を入力して検索ボタンを押すと、なんだかきれいで、そのまま住むことができそうな物件が上位に出てくることが多いと思います。いわゆる「リフォーム済物件」や「リノベーション済物件」と呼ばれるもので、その大部分は、不動産業者がリフォームを施して流通させているものになります。今回は、そんなリフォーム済物件の特長や、選ぶ際の注意点について解説してまいります。

リフォーム済物件が、できるまで

はじめに、リフォーム済物件がどのような流れで誕生するのか、簡単にご紹介します。主な登場人物は「売主」「不動産仲介会社」「買取再販会社」の3者で、売主が何らかの理由で住んでいるお部屋を売りに出すところが出発点になります。長年暮らしていれば、それなりに傷んでいるでしょうから、この段階ではいわゆるリフォーム前の状態ですね。

売主が自分で買いたい人を見つけるのは困難ですから、不動産仲介会社に相談に行くわけです。不動産仲介会社は査定を行うとともに、選択肢のひとつとして、買取再販会社への売却を提案することもあります。売却価格は安くなってしまいますが、早く売りたい場合や水面下で売りたい場合は買取再販会社への売却が選ばれます。

買取再販会社がリフォーム前のお部屋を買い取ると、すぐに住める状態になるようにリフォームを行い、売りに出します。売却した価格と、仕入れ・リフォーム費用の差額で利益を得るという仕組みですね。図1でわかるように、買取再販というビジネスはここ数年で急拡大をしており、中古マンションを探すみなさんの目にとまることも多くなっているのだと思います。

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図1. 買取再販上位50社のマンション販売数推移

リフォーム済物件で気を付けたい、3つのポイント

すぐに住める状態で売り出されているリフォーム済物件ですが、見た目がきれいだから大丈夫だろうと安易に選ぶと、大きな失敗につながる可能性もあります。見た目に惑わされず、きちんとした判断をするための3つのポイントをご紹介します。

1. リフォーム工事の品質
リフォーム済物件では、残念ながら高品質といえるものは多くはありません。買取再販というビジネスモデル上、リフォーム費用を圧縮することが利益に直結するため、部分的・表層的なリフォームしか行われない場合がほとんどです。古くなった室内の給排水管や電気配線、壁・床・天井の下地などをそのまま利用している事例も散見されます。また、短い納期での施工が求められるため、施工精度が著しく低いものもあり、例えばお風呂の排気ダクトが正しく接続されていない物件も実際に見たことがあります。一方で、すべて解体するところから始め、質の高い設備を使い、質の高い施工をしているリフォーム済物件もあります。リフォーム済物件を選ぶ際には、施工範囲を確認したり、場合によってはホームインスペクションを入れたりするのも良いかもしれません。

2. 住宅としての性能
見た目がきれいであることと、暮らしやすいことは、イコールではありません。たとえ見た目がきれいでも、漏水や雨漏りが頻発するのは困りますし、冬場に寒くて仕方ない空間は決して暮らしやすいとはいえません。以前のコラム「古いマンションは寒いですか?」でも触れておりますが、リフォーム・リノベーションの対象となるような中古マンションでは、もともとの断熱性能がいまの基準には足りていません。不足している性能はリノベーションで補うことができるものですから、リフォーム済物件を選ぶ際には、断熱改修はしているのか、どの程度の性能を持たせているのかなどについて確認すると良いでしょう。

3. マンション自体の性能
マンションという住み方を選ぶからには、内装の良し悪しだけでなく、マンション自体の性能や住み心地についても考える必要があります。リフォーム済物件の平均築年数は約28年(リフォーム産業新聞社, 2018年度)ということですから、内装は新築同様といえども、新築マンションとは全く別物です。なかには旧耐震(「新耐震・旧耐震とは、何ですか?」参照)のマンションもリフォーム済物件として売り出されていますが、内装工事で耐震性能を向上することは不可能です。マンション自体がいまの耐震基準を満たしているか確認する必要があります。また、建物に対して適切なメンテナンスがなされなければ劣化の一途をたどりますから、マンション自体の管理状態についても精査することが大切です。

今回は、リフォーム済物件について解説いたしました。上記のような3つのポイントを抑えた上であれば、リフォーム済物件を購入すること自体は問題ないと思います。くれぐれも見た目に惑わされず、きちんとした判断軸をもって選んでくださいね。無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」では、物件探しからのご相談も承っております。ご興味を持たれた方は、リノベーション講座や相談会にお越しください。

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