団地びと|第三回「港南台かもめ団地のまぜまぜ会の人」
MUJI×UR団地レポート | 2026.9.15
「MUJI×UR 団地まるごとリノベーション」で設計を担当するMUJI HOUSE松本が、団地で活躍する「団地びと」の想いと活動のきっかけを紐解きます。
2025年に港南台かもめ団地でスタートした「まぜまぜ会」。こどもも大人も、団地外に住む人も、世代を超えてまざり合い交流を楽しめる場を目指し、毎月第3木曜に団地の集会所をまるごと使って開催しています。
会の発起人でまぜまぜ会の主宰者のみさこさん、まぜまぜ会で料理教室を主宰するのりこさんにお話を伺いました。
タウンミーティングから構想が始まった、多世代が集う「まぜまぜ会」。
松本
まず最初にお二人の関係を教えていただきたいんですけど、そもそもお二人はどこで出会ったんですか?

のりこ
どのように出会ったんだっけ・・・ちょっと思い出せないですけど、いつの間にか隣にいた感じです(笑)。

松本
ここの集会所がきっかけだったんでしょうか?
のりこ
そうです。私がここに来る少し前にみさこさんはまぜまぜ会を始めていて。その頃私は料理教室をする場所を探していたんですね。そのときに無印良品さんの店舗でこの集会所をご紹介していただき、MUJI HOUSEでコミュニティを担当する見通さんに出会いました。
見通さんから「集会所がどんな雰囲気か知るために、今度マルシェに遊びにきてみませんか?」と誘われて去年の6月に開催された「かもめマルシェ」に行ったんですよ。
その流れの中で、みさこさんと出会ったと思うんですけど。でもどういうふうにみさこさんに紹介されたかは覚えていなくて(笑)。

みさこ
そうそう。私ものりこさんを紹介された記憶がなくて、いつの間にか一緒にいました(笑)。

松本
みさこさんはタウンミーティング(※1)から参加されていたんですよね。
(※1…良品計画が2024年から定期的に開催している取り組み。無印良品の各店舗が地域のコミュニティセンターの役割を果たし、地域住民と持続可能な地域社会の実現を目指して意見交換を行っている。無印良品港南台バーズでは2024年7月にスタート。)
みさこ
そうなんです。同じグループになった方たちと「いろいろな世代が交流する場があったらいいよね」という話をしていて。3回くらいタウンミーティングに参加した後に、「そろそろ具体的に何か一歩踏み出したい」と言ったら、URさんが「今度夜にかもめ団地の集会所を使ってみませんか?」と提案してくださって。
それでタウンミーティングとは別の会を集会所でやったんですね。そのときに見通さんが「今後この集会所を使って何かやってみませんか?」とおっしゃってくださって。「じゃあ、ここでまぜまぜ会をします」という話になり、何をするかは決まっていなかったんですけど、月1回のペースでやってみることにしました。
その中で私はシルクスクリーンのワークショップを始めたんです。その後に港南福祉ホームさんの「ぬいぬいサポーターの会」も参加して、のりこさんが料理教室を始めて…という感じです。

みさこさんが行うシルクスクリーン体験。

バンダナやスケッチブックにシルクスクリーンで印刷。大人もこどもも一緒に楽しめる。


港南福祉ホームの利用者さんが制作した織物を使って生活雑貨を手作りするチーム
「ぬいぬいサポーター」の集まり。


のりこさんが行う「発酵ごはん教室」。
松本
この集会所のリノベーションを設計した者としては、特にこのシェアキッチンを積極的に使ってもらえていることが嬉しいですね。シェアキッチンを作ることに賛否あったのですが、作って良かったなとあらためて思います。
かもめ団地の豊かな環境を、もっと活用しないともったいない。
松本
今日はまぜまぜ会の中で新しく「赤ちゃん広場」というイベントをスタートされていましたね。


集会所の和室で行われた「赤ちゃん広場」の様子。
のりこ
「まぜまぜ会に行きたかったけど、子どもが小さくて…」という声を聞いたことで、親子で一緒に食卓を囲む「赤ちゃん広場」を企画ました。私は保育士の経験がありますが、一人で始めるのは不安だったので「どうしようかな…」って考えていた時に、まぜまぜ会の中で「じゃあみんなでやろうよ」っていう空気ができて実現しました。
特にお願いしたりされたりせずに、自然にそういう空気ができているところが私はすごく居心地がいいなあと感じています。

松本
MUJI×URでは千葉の花見川団地商店街でも活性化の取り組みを行ってきましたが、そちらではそれぞれの商店主さんにとって商売という目的がありました。一方こちらの集会所の場合は、みなさんが何を目的にここで活動をしているのか興味があります。
のりこ
私は鎌倉出身で、こどもが生まれてからはずっと栄区に住んでいます。最寄駅は港南台だったので、この街に関わりながらより良い街になるように何かできたらなあという気持ちがありました。それに、このかもめ団地があまりにも環境がいいので「使わないともったいない!」と感じています。
みさこ
私も以前別の団地に住んでいたことがありますけど、これ程に緑が豊かでこどもが遊べる環境が充実してる団地は少ないんじゃないでしょうか。団地によっては「部外者立ち入り禁止」の看板が立っている場所もありますが、ここは敷地内に誰もが自由に入ることができます。
だからこそ、もっと多くの人に使ってもらえたらいいなという思いがあり、「まぜまぜ会」の活動がそのきっかけになれたらとも考えています。

人と人が出会いつながる場が続いていってほしい。
松本
集会所のリノベーションの設計段階から「理想の集会所をみんなで考えるワークショップ」を地域住民さんを巻き込みながら繰り返し行ってきた経緯があって、地域住民の方に、本当に長く使ってもらえたらいいなという想いが当時からあったのですが、
今のご自身の活動のモチベーションになっていることは何でしょうか?

のりこ
まぜまぜ会が始まって1年以上が経ち定着してきたことで、来てくださる方の声もよく聞こえるようになってきました。そこで感じる人とのつながりがモチベーションになっています。
もっともっと子育て中のお母さんとか、ここを知っているけど足を運べていない人にも来ていただきたいですし、よく知らないという人に知ってもらうためにはどうすればいいかなと考えているところです。
松本
それでは最後に、今後の展望を教えていただけますか?
のりこ
私は保育士の経験があって料理の仕事もやっているので、今の自分にできることをここでしていきたいです。そんなに大きなことはできないですけど、一緒に街を育てていきながら自分も育っていけたらいいなあと。


あと、私はとにかくかもめ団地が大好きなので。ここは一人でもコーヒーやパンを持ってくれば外のベンチですごくくつろげちゃう。木陰が本当に気持ち良くて。港南台で他にこんな場所はないんじゃないかと思うので、もっといろんな方に知ってほしいですね。
あとはこの集会所で何かをやりたいという仲間をもっと増やしていきたいです。
みさこ
私は知り合い同士みんなが仲良くなってくれればいいなと思っています。洋光台・港南台・本郷台いろんなところでぬいぬいサポーターと出会って活動していると「みんなをつなげたい」とおっしゃる方も多いんですね。そういう声を聞いてやっぱり「まぜまぜ会」っていいなと思いました。

「まぜまぜ会」は私が発案した会ではありますが、今後私が抜けてもこういう場がここで細くてもいいので永く続いてくれたらいいなというのが私の希望です。
そのためにも、これからも毎月第3木曜日は、「まぜまぜ会」!というふうになるよう集会所を使わせていただけたら、と思います(笑)。







