【MUJI×UR トークイベント】団地とまちなかに“インフラゼロ”を置いてみた。(後編)

MUJI×UR団地レポート | 2026.8.28

※このレポートは、2026年7月11日(土)に無印良品グランフロント大阪で行われたトークイベントの模様を採録しています。前編はこちら

松本
ここから本題で、MUJI HOUSEさんとURが団地の中に「インフラゼロハウス」を実際に置いて活用した共同研究に関するお話をさせていただきます。

先程「社会課題を、超えていく。」のお話をしましたが、私たちは、防災・減災への対応やくらし・まちづくりの課題に対して、団地やまちなかで「インフラゼロハウス」を拠点的に活用することにより、新たなソリューション=解決策を見出せるのではないか、と考えました。

具体的には、1.地域の防災・減災機能の強化に向けて、災害時に小規模分散型の防災拠点として使えないか? 2.地域活性化の視点では、平時には地域の日常に溶け込む交流拠点として使用することで、地域コミュニティの形成推進に役立てられないか? この2つの項を掛け合わせたデュアルユースによるアプローチです。

そこには英語の慣用句「Use it or lose it(使いなさい、さもなければダメになってしまう)」という考えがベースにあります。
インフラゼロハウスが有する太陽光発電、バイオトイレ、水循環システム、衛星Wi-Fiといった優れた技術要素は、万が一の発災時には間違いなく防災拠点として役に立つことが予想できます。

ところが、それら設備がいざというときにメンテナンスが行き届いていないがために使えなかったり、誰も使い方が分からないといった事態に陥り、宝の持ち腐れになってしまうことがないように、平時から地域の方々の目に触れ、拠点的かつ身近な空間・設備として使われるようにすることで、必要な時に稼働させられないリスクの軽減につなげる。
平素、設備を使用していること自体がメンテナンスにもつながりますし、使い方が住民のみなさんの間で継承・共有されていきます。そういった相乗効果を狙ったアイデアです。

さらに、実際に万が一の広域災害が起こってしまった場合、地域の被災状況に応じて災害拠点をつくっていかないといけないときに、車両であるインフラゼロハウスであれば必要な場所に必要な規模だけ、臨機応変に提供することが可能です。
また、平時には、数カ月単位で移動していくことで適度な「非日常感」を演出できます。

このように、デュアルユース+機動力により最大のパフォーマンスの発揮を期待できると考えました。そうした可能性を確認・実証するためにインフラゼロハウスを団地とまちなかに試行的に置くことにしました。

そして、防災意識の向上につながる啓発活動や、いざというときに役立つ自助・共助、そういった人のつながりを醸成していく。そんな取り組みにしていきたいと考えました。

松本


ここからは、「インフラゼロハウス」を設置した場所のご紹介です。

大阪、神戸、京都の3つの団地、そして和歌山市内の商店街の計4か所に移動しながら設置しまして、約6カ月間、それぞれの場所で社会実験を行いました。

実験に使用した車両は、当時MUJI HOUSEさんが最初に開発中だったプロトタイプとなります。この車両は千葉県館山の近くにございますシラハマ校舎というところに置いてあるのですが、そこから関西まではるばる片道600km以上の道のりをけん引してきました。

まず、令和7年8月末から10月の初頭までの約1カ月間、河内長野市の南花台団地を皮切りに、次に都市再生事業コーディネート地区である和歌山市の北ぶらくり丁商店街に移動して年末までの約3カ月設置しました。
続いて、神戸市のHAT神戸・脇の浜団地に、震災メモリアルデーになります1月17日から約3週間、最後は、京都府八幡市の男山団地に2月中旬から約3週間の実証実験となりました。

これら4カ所の実証が終わった後、再び千葉のシラハマ校舎に帰るという、延べ1,200kmを超える大キャラバンとなりました。

実際に団地に置くにあたり、先程川内さんから「市街化調整区域では建物を建てられない」というお話がございましたが、団地や商店街のような既成の市街地の中にこういったトレーラーハウスを「車両工作物」として置くことが法律的に支障ないのか?その順法性等について確認することも当共同研究の目的のひとつでした。

インフラゼロハウスを購入して別荘として使ってみようと考えている方もいらっしゃるかもしれないので、予備知識としてお伝えいたしますと、日本においては、建築基準法に則って建築行政が行われており、自分の土地であっても建物を自由に建てられるわけではありません。

ところで、国のガイドラインである『日本建築行政会議の「建築確認のための基準総則」』の中では、トレーラーハウスの類は『車両工作物』として扱えるということが記載されています。

また、これに矛盾しないかたちで、業界団体である日本トレーラーハウス協会によるトレーラーハウスの定義がこちら(緑のハイライト部)に記載がございまして、端的には「いつでも動かせる。土地への定着性がない。既存の電気や下水とコネクトする場合は、工具を使わなくても人の手で簡単に脱着できる状態」。

つまり、「トレーラーハウスとはすぐに移動できる状況であるものを指す」ということが明記されています。

ここで留意点がございまして、国のガイドラインには「土地に定着している場合には建物とみなします」という但し書きがあります。
この但し書きに沿いますと、トレーラーハウスを設置する際、車両工作物とみなすか?或いは建物とみなすか?これは、実際に建築行政をつかさどる各自治体さんに確認をする必要があります。

ご紹介した3団地と商店街での実証計画に関しては、どの自治体さんからも「防災やコミュニティ形成に資する公益的な取り組みである」と評価をいただき、順法性が担保された試行的な取り組みであることを条件に、実施することを認めていただけましたので、すぐにけん引・移動できる仕様と体制を整えて現地に設置しました。

では、実際にどのようにインフラゼロハウスを置いたのかについて、現地で頑張っていただいた本多さんからご紹介をいただけたらと思います。

本多
はい。ここからは実際にどのようにインフラゼロハウスを団地に届けたかをご紹介します。
このインフラゼロハウス、初めて600kmの走行をすることになりましたので、最初は大丈夫かな?と心配をしていました。

それから、インフラゼロハウスは屋根と壁に太陽光発電を付けており、太陽光が当たらなければ発電ができないので、団地で日陰にならないかなと最初は大変心配しておりました。
でも団地はマスタープランで住棟間隔が考えられているので、どこの団地もしっかり発電ができ電気が欠如することなく使うことができました。

団地の中にはたくさん緑があるので、けん引するときは少し木の枝にぶつかるということはありましたが、各団地や商店街ではファシリテーターの方がいらっしゃり、設置の際にサポートいただき、非常に気持ち良い環境に問題なく設置することができました。

松本
本多さん、ありがとうございました。

ところでインフラゼロハウスは、シラハマ校舎に置いてあった時は、室内にベッドなど無印良品さんの家具が配置してあって、ホテルライクな空間でした。私も、本研究の前に実際に一晩宿泊体験をさせていただいたのですが、室内は木の良い香りがしてゆったりとくつろげる雰囲気で、もちろん空調も効いてとても快適に過ごせました。

ただ、団地やまちなかで使う場合は、家具があると使い方が制限されてしまうので、なるべく多くの方に様々な形でご活用いただくことを意識して、あえて家具配置をやめて、代わりに「麻畳」を敷くだけのシンプルで汎用性の高い内装へ変更しました。

「麻畳」はMUJI×UR団地リノベーションプロジェクトの共同開発パーツで、グランフロント大阪のモデルルームの中でも使用されていますので、ぜひ実際に体験していただければと思います。
ところで「麻畳」は、MUJI×URで改修を施した住戸で実際に使用している、意匠性のある丈夫な床材です。MUJI×URの住戸に10年以上お住まいいただいたお客様がご退去された後に麻畳の状態を見に行ったことがあるのですが、家具を置いていたところのへこみや日焼け跡はあったものの、摩耗した感じがほとんどなく10年経過したものとは思えないきれいな状態で、その耐久性に感動しました。
話が少しそれましたが、本研究向けに改装を施した「インフラゼロハウス」ですが、麻畳を敷くほかの内装変更だけでなく、現地ではそれぞれ置き場所の環境に合わせてウッドデッキも製作しました。

本多
「インフラゼロハウス」はけん引することでどこへでも運ぶことができるのですが、ウッドデッキはけん引できないので、各団地や商店街でつくっていただきました。

団地で使ったこのウッドデッキは全て同じ材料を使ってつくっています。
南花台団地では「インフラゼロハウス」を基壇の横に設置し、ウッドデッキは階段部分に設置をしたのですが、そこには手すりがあったんです。設計する際に手すりがあったことをすっかり忘れていまして、急遽その部分を隠すようにテーブルとベンチを追加でつくりました。意外とこのベンチが靴を脱ぎ履きするときに使われたりしていました。

ウッドデッキは全て同じ材料となっていて、設置場所により施工をしてくれる工務店さんが異なるのと、みなさんウッドデッキをつくるのは初めてだったので、ウッドデッキに番号を振り、材料を無駄なく活用できるよう、それぞれの場所でつくっていただきました。
次の写真は北ぶらくり丁商店街です。こちらはURさんでウッドデッキを設置していただきました。

吉田
私も「インフラゼロハウス」が好きで一目ぼれしたんですけど、「まちなかに置くのであればぜひ和歌山に持ってきてほしい」と川内さんにお願いしたことがきっかけで置かせていただくことになりました。

そして、どのように活用していくかを、北ぶらくり丁商店街のみなさんや、商店街のまちづくりを支援しているサスカッチさん、インターンの学生さん等と話し合いました。

その中で「循環を一つのテーマにしよう」という話になり、建築資材を運ぶパレットを「インフラゼロハウス」の入口と地面の高低差を埋めるのに使うことにしました。

使い終わったパレットは産業廃棄物になってしまうのですが、商店街の倉庫にうず高く積まれていたので表面に杉板を張って活用することにしました。

それから、ご存じの通り和歌山はみかんの産地ですので、みかんのコンテナがそこら中にあるんですね。みかん農家の方に相談して譲っていただいたり借りたりしながら、それらをデッキ横に置いて和歌山らしさを作りながら転落防止にも生かしました。

松本
ここからは、各団地と商店街の現地での実証実験の様子をご紹介します。
まず河内長野市にある南花台団地です。

団地内には大きな広場、プレイロットがございまして、パーゴラの傍に配置して屋外空間と一体で活用できるようにしました。設置期間中は、実際にたくさんの地域の担い手様により、様々なかたちでご利用をいただきました。
ある一日は、こども図書館としてこどもたちが集まってくれました。

中央部下の写真は、河内長野市さん主催の高校生防災士(一番手前のブルーのシャツを着た男性)による防災ワークショップの1シーンです。若い防災士さんご自身が考案された講座で、こどもたちみんなに「防災」について伝え、考えてもらいました。地域の若者や子供たちが主体となった防災・減災に関する啓発活動となり、インフラゼロハウスの活用方策の一つとして象徴的な取り組みでした。

UR団地には集会所が併設されているので、こうした活動は集会所でももちろんできるのですが、スライド右上の自転車が横に置いてある写真のように、こどもたちが自転車に乗って「きたでー」という感じで集まってきて、「インフラゼロハウス」にふらっと入って「あー!涼しー!」みたいな。そういった使い勝手の良い気軽さや敷居の低さは既存の集会所建物ではなかなか叶わず、「インフラゼロハウス」のような可動性のある設備で、かつ屋外空間と一体で活用できる配置であったからこそ、と感じています。

あと右下に男性の方が写っていますが、こちらは河内長野市の西野市長です。市長自ら「こちら、全国初の社会実験でインフラゼロハウスが南花台にやってきました」とレポーターになってくださいました。1カ月という短い期間の実証だったので結局実現しなかったのですが、「1日市長室で使ってみようか!」とおっしゃってくださったんですよ。

松本
続きまして、神戸市に所在するHAT神戸・脇の浜団地です。

平成7年の阪神淡路大震災の後に製鉄会社の工場跡地を開発し、災害復興住宅として建設した団地です。
建築家の安藤忠雄さんがマスターアーキテクトを務め、設計コンセプトや基本配置計画をつくられた経緯もあり、シャープな住棟が絶妙な配置で並んでいます。見た目の統一感と相まってかっこいい団地です。
団地の近くには県立美術館や防災未来センター、赤十字病院などが立ち並んでいます。

その一角に「インフラゼロハウス」を設置しました。
広い通りに面していたため、通行者の目にも留まりやすく、実証実験期間中は興味津々でのぞいて行かれるご来場者も多く見られました。団地内には炊き出しができるように、かまどベンチや井戸など、万が一の災害時に役立つ設備が配備してあり、実際に、1月17日に開催したイベントでは震災の記憶や教訓が風化しないように地元のまちづくり推進団体さんらによる炊き出しが行われました。
室内には地域住民のみなさんが持ち寄ってくださった被災状況の写真を展示し、こたつを置いて「あのときはたいへんだったね」と、震災当時に想いを馳せながら、防災・減災について話し合える場をつくっていただきました。こたつを囲んだ距離感での語らいは、テーブル&椅子座とは一味違う雰囲気でした。

松本
続きまして、京都府八幡市の男山団地での様子です。

管理戸数4,500戸、140棟以上からなる、関西でも屈指の規模の団地です。
大きな団地で、いろいろな世帯の方にお住まいいただいており、期間中は多くの地域住民の方々に多様な使い方をしていただきました。
ほんの一例の紹介となりますが、段ボールベッドに毛布を敷いて避難生活を疑似体験していただいたり、こどもたちが外で火おこしをしたりしました。
中央の写真は俳句をご趣味としている方々が集まって「インフラゼロハウス」を使用していただきました。
「インフラゼロハウス」は遮音性能も高いので、存分に楽器演奏に使っていただいたりもしました。
右下の写真の一番左側にいらっしゃる女性の方は八幡市の川田市長です。先ほどの河内長野市、神戸市もそうですけれども、この取り組みは各地方公共団体や地域のみなさんのご理解と主体的なご協力がなければ成り立たなかったと感じています。

吉田
こちらは和歌山の北ぶらくり丁ですね。

オープニングセレモニーで餅投げをして、たくさんの人が来てくださいました。左上の写真は近くの小学生たちが地域学習でまちを回っているところです。「インフラゼロハウス」がいきなり現れたので、「なんやこれ?」っていうことで先生が声をかけてくださって、小学生たちが見にきてくれました。

こどもたちがバイオトイレにとても興味を持ってくれました。みかんコンテナを使って、近くの浄水場でもらってきた土にバイオトイレのおがくずを混ぜて肥料にしたものでいちごを育てるという環境に配慮した取り組みを行っていることをお伝えして、環境への配慮に興味をもってもらいました。
あとは近くにお住まいのオーストラリアの方がカフェをしてくれたり、和歌山大学の学生さんがフィールドワークというかたちで来てくれたり、近畿財務局のキャラクターが来てくれたりしました。

12月28日のフィナーレでは餅つきを行ったのですが、道具もなく餅つきのやり方も分からない中で、お寺で毎年餅つきをやっている方をご紹介いただいたりして、地域のみなさんのおかげでみなさんが楽しめる場を一緒につくりあげることができました。

松枝
実証実験の具体的な内容をご紹介いただきありがとうございました。

今回の実証実験を通して登壇者のみなさんにとってどういった気づきがあったか、また今後の可能性について少しお話いただければと思います。
松本さんいかがでしょう?

5.今後団地・まちなかでインフラゼロができることを考える
松本
こちらの写真は南花台のワンシーンですが、パーゴラの近くに「インフラゼロハウス」を配置したところ、実はこれがきっかけとなって地域交流が活発化する好事例がございました。

これまで自治会のみなさんが「夏祭りをやりたい」との想いはあったもののなかなか腰が上がらなかったところ、「せっかく今回『インフラゼロハウス』が団地に来てくれたから、これがある期間中にやってみよう」ということで、夏祭りを実現していただきました。

南花台での実証は昨夏で終了しましたが、今年も同様に夏祭りを開催する運びとなったと聞いています。

この夏祭りの一件は、既存のパブリックな空間に「インフラゼロハウス」という新たな目的物がくることによって、そこにこれまでなかった場と人流、何かやってみようという動機が生まれ、相乗的に交流・コミュニティ活動につながっていくというシンボリックなできごとでした。

これまでパーゴラを含むプレイロット周辺について、いつも人が集まって十分に活用されているとは言い難い空間が、「インフラゼロハウス」の設置により共用空間の活性の芽が確認されたのは、本実証の成果の一つと捉えています。

松枝
ありがとうございます。
続けて吉田さんお願いします。こちらの写真はどんな状況でしょうか?

吉田


これは12月に行ったイベントの様子です。コーヒー屋さんがコーヒーを淹れてくれたり、焼き芋を売ったり、使える廃品を磨きあげて売ったりしています。
これってもしかしたら、災害の復旧段階のようなときに「インフラゼロハウス」が資材を積んでやってきて、人々が暖を取ったり、あたたかいものを食べたり、あるいは使えるものを提供してもらったり、クリスマスの楽しい雰囲気を味わったりする風景に近いのかなと思いました。

「インフラゼロハウス」はインフラと共に人間のあたたかさも載せてきてくれる本当に素晴らしい乗り物だと思います。この写真はそんなことを伝えてくれる1枚です。

松枝
ありがとうございます。
お二人から「コミュニティ」「災害復旧」というキーワードをいただきましたが、一方でMUJI HOUSEの方では今後の「インフラゼロハウス」の活動計画があり、この2つのキーワードと共通するものがあると感じています。そのあたりのことを川内さんからお話しいただけますか?

川内
無印良品は人の役に立つというのが企業ミッションで、「インフラゼロハウス」もこれからいろんな場面でどのようにお役に立っていけるかを探っていきたいと思っています。

最初にお話したように「インフラゼロハウス」は家としての機能が揃っていながら、とてもミニマルな施設なので、人が集まってきた瞬間に主役は人になるんですね。
写真を見ていただいても、「インフラゼロハウス」はそんなに目立たなくて、ここで様々なコミュニケーションが起こり、集まっている人たちが主役になっています。そういったところが「インフラゼロハウス」の今後の活用のヒントになると改めて感じました。
この共同研究の後、先程もお話ししたように戸田市の調整池で「インフラゼロハウス」を活用いただいています。

普段は広い公園内でたくさんの人がキャンプをしたり、調整池でSUPをする人がいたり、とても賑わっている場所です。これまでに賑わいを受け止める施設を建てようとしたそうですが、調整池なので申請が下りなかったそうです。
しかし、「インフラゼロハウス」は大雨のときに逃げられるということで、初めて許可をいただけました。「インフラゼロハウス」はインフラを必要としないだけでなく、建築ができない場所に置けるというのも大きな特長です。
先程松本さんが「普段使っていることがメンテナンスになり、もしものときにも役に立つ」というとても大切なことを話してくださいました。
無印良品も「いつものもしも」という発想で、生活雑貨でも、いつも使っているものがもしものときに一番役に立ちやすいと考えています。災害時のためだけにどこかにしまっていると、「あれ?どこにいったのかな?」から始まって、出してみたら電池が切れていたりということが起こりやすいですが、普段使いのものであればそのような心配はあまりありません。
「インフラゼロハウス」が「いつものもしも」の中の一番大きい商品としてお役に立てたらなあと思っております。
ちなみに戸田市では、宿泊施設や小商いなど、いろいろな機能を持った「インフラゼロハウス」が設置されています。

戸田市に行くことがありましたら、ぜひ見ていただければと思います。

松枝
ありがとうございます。
ではみなさん最後に一言ずつお願いできますでしょうか?

6.最後に
松本
今日は当トークイベントへおこしいただきましてありがとうございました。
ご来場のみなさまに今回の共同研究の取り組みにご関心を寄せていただき、担当者冥利に尽きますし、おかげさまで各地方公共団体や地域住民のみなさまのご協力に支えられたこの研究の現地での盛り上がりの一端について、当トークイベントで共有出来てうれしく思います。

本研究に携わらせていただいて、「インフラゼロハウス」は『人と人をつなぐ、人と場所をつなぐ、場所と場所をつなぐ』装置たることがしっかりと見えてきました。

団地での試行を振り返って、「コミュニティ」や「防災・減災」という分野において、「インフラゼロハウス」自体が新たなインフラになり得る。そのポテンシャルがあるたいへん優れたプロダクトだというのが率直な感想です。
実証実験としては一旦終わって、これから団地に「インフラゼロハウス」をぽんぽん置いていこうという話ではありませんが、本実証実験で得た知見は、団地を管理する立場からとても有意義でしたし、今後事業に何らかの形で活かしていければと考えています。

もしこれから「インフラゼロハウス」のような設備がどんどん増えていくような世の中であれば、私たちのくらしは、今よりもさらに様々な場面でつながりを享受できる豊かで楽しいものになっているだろうと想像します。

ぜひMUJI HOUSEさんには、「インフラゼロハウス」のさらなる開発を進めていただき、世の中を笑顔いっぱいにしていってほしいなと期待しています。

吉田
私は地域の人と楽しみながら仕事をすることを大切にしていますが、今回「インフラゼロハウス」というものが「地域の人と一緒にやってみよう」という気持ちにさせるツールだと感じました。

和歌山の北ぶらくり丁商店街は「世界一環境にやさしい、他では見たことがないような商店街にしよう」というテーマでやっていて、これから3~4年の間にアーケードも撤去され、驚くような商店街になっていくと思います。

私も全力で応援していきたいと思っていますし、まちづくりってやっぱり本気で地域の人と気合を入れてやらないと実現していかないということを今回の実証実験で強く実感しました。他の職員にも今回の経験を伝えていきたいと思います。

本多
「インフラゼロハウス」を発表したのが2023年の11月になるのですが、発表してからこちらが思っていた以上にたくさんの方とつながることができました。また、つながることで「インフラゼロハウス」のいろいろな可能性をご教示いただけました。

先日届いた問い合わせメールで「インフラゼロハウスは地球を救うと思います」というメッセージをいただきました。ちょっと大げさなんじゃないかなあと思ったのですが、今世界では色々なことが起こっている中で、電気や水道につながずに使える家というのは社会課題の解決になるので、あながち大げさではないのかなあとも思い始めています。
もっともっと良いものをつくっていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。

川内
先程松本さんのお話の中で「インフラゼロハウス自体が新たなインフラになり得る」というありがたいお言葉をいただきましたが、まさにそういうことだと思っています。

今インフラは大規模集中型。大きな規模でたくさんの世帯に供給するのが基本になっていますが、これから大規模型が回らなくなる地域が出てくると思います。
その場合は小規模分散型。それは個人で使うというよりは、「インフラゼロハウス」を数世帯で使うといった方法もありますし、自治体からも民間の方からもたくさん問い合わせをいただいていて、我々の想像を絶する使い方もいろいろ教えていただいています。

これから「インフラゼロハウス」をいろいろなところで日常使いしていただき、災害がどこかで起きたときにはそれらが集結して災害地でお役に立てたらと思っています。
その第一歩として、全国にある団地に置いていただけたら良いなと勝手に思っておりますし、「インフラゼロハウス」がまちのなかのごくごく見慣れた景色になるくらいに普及することが私たちの野望です。ぜひ応援していただければと思います。

松枝
ありがとうございました。
以上をもちまして本日のトークイベントを終了させていただきます。
みなさま、長時間にわたりご清聴をいただきまして誠にありがとうございました。