団地の共用部の活用アイデア

団地再生物語 | 2019.7.23

団地の共用部の施設というと、一般的に集会所が挙げられます。子どもの習いごとや、大人のカルチャー教室などで使われていることが多かった団地の集会所ですが、住民の高齢化により当初のように使われることが少なくなってきています。
住人が自由に使える施設ではありますが、いきなり「真っ白な画用紙に自由に絵を描いてください」といっても難しいように、何でもといわれると逆に何に使ったら良いのか難しいということがありそうです。

以前のコラム「もしも団地の集会室をキッチンスタジオにできたら」では、集会所にシェアキッチンをつくることで、「食」を通してコミュニティを活性化することを提案しました。
また、シェアキッチンにある業務用のキッチンで、自分の趣味である料理やお菓子づくりをして、周辺住民の方々に試食してもらい、それが好評であれば期間限定のポップアップショップを集会所で開き、それが上手くいけば団地の店舗でお店を開くという、無理のない範囲で楽しみながら働くステップアップを提案しました。
つまり、団地の役割を「住む」だけでなく「働く」「楽しむ」というところにまで広げていければ、と考えました。

団地の共用部には、他にもあったら良いと思われるものがありそうです。
例えば、業務用の設備が整ったコインランドリーがあったらどうでしょうか。
団地の古い間取りでは、洗濯機置き場に困っている場合があります。団地内にコインランドリーがあれば、助かりそうです。設備の数が揃っていて、安全で開放的な空間で、といった条件が揃えば、極端にいうと自宅に洗濯機が不要になるかもしれません。その分、部屋に使える面積が増えることになります。
また、洗濯・乾燥の待ち時間を過ごすために、そこがちょっとしたカフェになっていても良さそうです。近所の人たちの憩いの場にもなるかもしれません。
内装のデザインも大切です。なんでも良いということではなく、敷居が高くならない程度に、また来たくなるような魅力的な空間にした方が良さそうです。

また、団地の集会所や空き店舗を、何人かのデザイナーやアーティストに「アトリエ/ギャラリー」として借りてもらったらどうでしょうか。
定期的にギャラリーとして作品を展示したり、もしかしたら団地自体が作品の一部として表現されても良いかもしれません。団地の通路や公園にアートが並んでいたり、外壁にペイントするようなこともありそうです。
団地の階段室もアートにできる可能性がありそうです。階段の上り下りが苦にならないような楽しい仕掛けがあると良さそうです。さまざまなアートが日常にあることで、暮らしに彩りが出そうです。

大きな団地になると、集会所も複数あります。また空いている店舗も使えば、アイデアのバリエーションが増えそうです。
団地の共用部を考えると、まだまだ可能性がありそうです。
みなさんはどのように考えますか。ぜひご意見をいただければと思います。