団地の店舗付き住居に住めたら

団地再生物語 | 2019.4.26

以前のコラム「団地の一階でお店を開く」や、「団地の中の空き店舗をオフィスする」では、団地の中に「住む」だけでなく、そこで「働く」可能性について考えました。
今回は、「働きながら住む」店舗つき住居を考えてみます。

団地には、1階が店舗、2階が住まいになっていて、中が階段でつながっている住戸があります。当初、団地の中で個人が住みながら商売ができるスペースとして用意されたのだと考えられます。
そのメリットとしては、同じ場所に住むので通勤時間はありません。1階の使い方もさまざまできそうで、店舗だけでなく事務所やアトリエとして使うこともありそうです。

一般に建物の1階部分の使い方というのは、人が前を通るので住宅として使おうとすると、室内を見られることがありプライバシーや防犯に気を使う必要があります。ですが、それを気にしすぎて屋外に対して閉じすぎると、閉鎖的な印象となり、その街並みが暗い印象になることがあります。
それが店舗という街に開かれた施設であれば、街並みに明るさが出ます。人通りも増えるでしょう。さらに個人が商売を気軽にできれば、小さいながらもさまざまなバリエーションの店舗がでて、見た目だけでなく、祭りや夜市・朝市など昔の商店街のように街に活気がでることが期待できます。

ただ、街に開いているからこそ、店舗が何でも良いということではなく、そこにはテーマの統一性があると良さそうです。また魅力的なデザインであったり、街に開いているつくり方をしている必要があります。
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトでは、住居の中をリノベーションしてきましたが、その延長として同じデザインコンセプトで、店舗つき住居を先にリノベーションして、住戸と店舗を一緒に貸し出すというのはどうでしょう。古いものを生かしながらリノベーションができれば、見た目にも魅力的な店舗にすることもできるかもしれません。店舗群が一定のデザインをされていて統一感があり、外に開くルールを設ける。また、職種などを団地ごとにルール化することで、特長も出せるかもしれません。

以前、集会所をシェアキッチンにする「もしも団地の集会室をキッチンスタジオにできたら」という提案をコラムでしました。まずは集会所や団地の広場でポップアップショップを開き、好評であれば店舗付き住宅で商売をしてみる、ということもできそうです。

いかがでしょうか。団地の店舗つき住居が、気軽に商売のできる場所として見直されても良さそうです。
みなさんはどう考えますか? ぜひ、ご意見いただければと思います。