キッチンを良い環境に配置した間取り

団地再生物語 | 2018.3.20

大阪府豊中市にある東豊中第2団地では、2018年3月24日(土)から2パターンの部屋が入居募集されます。
MUJI×UR Plan026MUJI×UR Plan07で、いずれの間取りも、陽当りや風通しのよさはもちろんですが、キッチンの位置が特長です。

1955年に日本住宅公団(現UR都市機構)が住宅をたくさん建てていた時代、ダイニングとキッチンを一室にまとめた生活スタイルを提案しました。
ここで登場した間取りが「ダイニングキッチン」です。限られたスペースを有効に生かし、料理をしながらでもダイニングにいる家族と会話ができる間取りでした。

以前のコラム「キッチンによって変わる暮らし」でも紹介いたしましたが、大正時代以前の日本のキッチンは、火や水をつかうことから床上にはなく、土間にありました。また、食材が腐らないように涼しい場所が必要なので北側の位置にありました。
一方で、その時代は家の南側にはお客様を迎える客間があり、家族団らんの場所である茶の間は、キッチンに近い北側にありましたが、時代とともにお客さまの場所よりも家族団らんの場所が大事にされるようになり、茶の間が徐々に環境の良い南側に移動していきました。

最近になり、家族のコミュニケーションの中心としてさらにキッチンの重要性は高まり、リビングに近く陽当りの良い南側にいくことが増え、ダイニングキッチンとリビングが一体となった空間になっていきます。
つまり、技術発展や家族のコミュケーションがポイントとなり、キッチンの位置が時代によって環境の良い場所へと移動しているのです。
MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクトでは、そんなキッチンやUR都市機構の歴史を踏まえて、キッチンを大切に扱っています。さまざまな提案の1つとして、キッチンを南側の良い環境に配置した暮らしの提案をご紹介します。

MUJI×UR Plan026「明るいLDKの中心に対面キッチン」
南側にある3つの空間の真ん中を対面キッチンとしました。左右の空間はリビングとダイニングに分かれています。間取りの中心にキッチンがあり、家族のコミュニケーションの中心にキッチンがあると言えます。
キッチンをはさんだ左右2つの空間の使い方次第で、さまざまなコミュニケーションが期待できます。また、キッチンとバルコニーの間に洗濯機を設けることで、効率的な家事ができる間取りとなりました。

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180320_img023つの空間の中心にキッチンを配置

180320_img03ダンボールふすまを開ければ寝室ともつながる

180320_img04光と風が通り抜ける

MUJI×UR Plan07「風景とつながるキッチン」
この間取り提案ではキッチンの位置をもう一歩進化させて、風景の良い南側の窓の一つをキッチンが占めるようにしました。
外の樹木や公園などの移り行く四季を眺めながら料理をすることができます。団地の環境の良さを生かした間取りです。明るくて風通しも良く、清潔なキッチンになりそうです。また、ダイニング部分を広く取ることができ、様々な暮らし方に対応できそうです。
この間取りにお住まいの方へのインタビューをしていますので、ぜひご覧ください。
東豊中第2団地 Aさんの家

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180320_img06風景を眺めながら料理の出来るキッチン

180320_img07ダイニングが広くなり、さまざまな使い方ができる

いかがでしょうか。キッチンの歴史を踏まえて、住まいの一番環境の良い位置に大胆にもってくることで、新たな暮らし方が期待できそうです。こんなキッチンがあったら良いなど、みなさんのご意見をお待ちしております。