光と風にあふれるキッチン

団地再生物語 | 2015.12.8

2012年度に大阪でスタートした「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」は今年で4年目を迎え、東京、大阪、千葉、埼玉、名古屋、神戸に続き、今年度からは福岡、京都の団地でも入居募集をすることが決まりました。合計で、全国25団地・29プランの展開となり、新登場の団地とプランを中心に、来年1月30日(土)から全国一斉に申込受付を開始します(募集の詳細は1月上旬に発表予定です)。

MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトは、団地の良さを見直し優れた部分を上手に生かしながら、そこに無印良品が積み重ねてきた知恵や工夫をそっと掛け合わせて、これまでにない賃貸住宅をつくる活動です。賃貸に愛着を持って長く丁寧に住みつないでいくことが、これからの日本の暮らしのスタンダードになってほしいと考えています。
大切にした部分は変わりません。団地本来の良さを残しながら、本当に必要なものだけを少し加えていく。そして、賃貸住宅であっても、住む人が自分の暮らしに合わせて間取りを自由に編集できるようにと考えられています。
今回は、新たに加わった福岡の4プランから2プランを紹介します。

キッチンを中心に暮らしを編集
アーベインルネス貝塚(福岡市東区)の、MUJI×UR Plan 25(67.22㎡)です。
以下は、リノベーション前の間取りです。個室が3室あり、中央に水まわりが集まっています。キッチンに窓があり、さらに左右にも窓があるので、上手に工夫することで光と風が抜けていけそうです。

以下が、リノベーション後の間取りです。夫婦と子供1人の3人家族の想定をしています。

組合せキッチンのキッチンとテーブルを2列に並べて、住まいの中心に設置しました。シンクは窓に向かっているので、外の明るい光を浴びながら洗い物をすることができます。コンロは内側に向き、リビングが見渡せるようになっているので、家族とコミュニケーションをとったり、子どもを見守りながら料理をすることができます。キッチンと同じ大きさ・デザインのテーブルを横につなげることで、約4.5mの大きなキッチンとなり、料理の作業場が広がります。
また、壁で仕切られていた寝室とキッチンの間を抜いて、ふすまで仕切れるようにしました。ふすまをあけることで、左右に光と風が抜けていく気持ちの良い空間ができそうです。ふすまを閉めれば独立した寝室として使えます。

組合せテーブルを横につなげた、幅4.5mの大きなキッチン。
ダイニング・リビングまで一体の空間が広がります。

寝室からキッチンを見た様子。
キッチン横のふすまをあければ、寝室とLDKがつながります。光と風が通り、閉めれば独立した寝室に。

経年変化した既存の鴨居をカットしてそのまま残しています。
すべてを壊すのではなく、使えるものは残すことを基本にしています。

バルコニーの光と風を取り入れる
下大利団地(福岡県大野城市)の、MUJI×UR Plan 03(51.18m²)です。
以下は、リノベーション前の間取りです。バルコニー側に3つの部屋があり、上側に一つ部屋があります。バルコニー側の3つの部屋を1つにすることで、3つの窓がある、明るい空間ができそうです。

以下が、リノベーション後の間取りです。

バルコニー側の部屋をつなげて大きなリビング・ダイニング・キッチンとしました。組合せキッチンはキッチンとテーブルを向かい合わせて対面キッチンとし、その後ろには壁面収納が設置できるようになっています。
また、LDKと寝室を分けていた押入れを抜いてつなぐことで、南側の3つの窓から入った光と風が北側に抜けていきそうです。ふすまがついているので、ふすまを閉めることで独立した寝室にできます。
リビングと寝室の床は麻畳。床座の生活だけでなく、ベッドやソファを置くことができます。

3つの部屋をつなげたLDK。3つの窓から光と風があふれます。

暮らし方によって、使い方を変えることが出来る組合せキッチン。L字型に配置すれば、キッチンとダイニングとして使うこともできます。

キッチンとテーブルを向かい合わせて一体とし、大きなキッチンや対面キッチンとして使えます。

リビングから寝室を見た様子。ダンボールふすまをあければ、光と風が抜ける空間がうまれます。

いかがでしょうか。福岡の2つのプランは、団地の最大の魅力でもある陽当たりと風通しの良さを最大限に引き出しています。ふすまによって個室の調整ができますので、さまざまな暮らし方に対応できそうです。

今回ご紹介したリノベーション住戸の入居募集は、2016年1月30日(土)に開始します。詳細情報は1月上旬に発表予定です。無印良品の家ホームページ無印良品の家Facebookでもご案内しますので、ご期待ください。