2トーン空間とロングカウンターキッチンの新しいリノベーションプラン
団地再生物語 | 2016.11.15
2012年に大阪でスタートした「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」は今年で5年目を迎え、既に東京、千葉、埼玉、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡の団地で行いました。今年度も新たな団地で新たなプランを開発しています。
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトは、団地の良さを見直し、優れた部分を上手に生かしながら、そこに無印良品が積み重ねてきた知恵や工夫をそっと掛け合わせて、これまでにない賃貸住宅をつくる活動です。賃貸に愛着を持って長く丁寧に住みつないでいくことが、これからの日本の暮らしのスタンダードになってほしいと考えています。
大切にした部分は変わりません。「壊しすぎず、つくりすぎない」。陽当り・風通しといった団地本来の良さを残しながら、本当に必要なものだけを加えていく。そして、賃貸住宅であっても、住む人が自分の暮らしに合わせて間取りを自由に編集できるようにと考えています。
大阪・池田で始まる団地物語でもご紹介している、今年度に新登場する団地、大阪府池田市のアルビス五月ヶ丘では、新プランとなるMUJI×UR Plan29を展開します。このプランの住戸の募集が決定しました。池田市は大阪の北部にある、古くからの歴史ある町ですが、近年、町屋をリノベーションしたカフェなど古いストックを活用した魅力的な空間を持つスポットが増えてきています。
アルビス五月ヶ丘は1998年から建設され、MUJI×UR団地のなかでは一番新しい団地です。MUJI×UR Plan29のリノベーション前の室内を見てみると、床・壁・天井の下地も新しく、大きく改修する必要はありませんでした。ただ、今までの住戸にあったような月日を経たものとは異なり、とても新しい質感であったので、今までとは違う新たな方法でのリノベーションを目指しました。
MUJI×UR Plan29の大きな特徴の1つは、幅が3.7mある「持出しキッチン」です。一般的なキッチンの幅はファミリータイプでも2.4m程度ですので、その1.5倍以上の幅を持っています。料理スペースとしては十分すぎる大きさですし、スペースが余ればキッチンの上に料理家電などを置いても良さそうです。この大きなキッチンを生かして、さまざまな料理を効率的に行うことができます。キッチン下はオープンになっていますので、暮らしに合わせて家具や収納用品を組み合わせることができそうです。色は今までの白ではなく、グレーを採用し、空間のアクセントとしました。
住戸全体の壁は、この大きなキッチンの高さで塗り分けました。MUJI×URのリノベーション住戸では、今までクロス(壁紙)を使ったことはなかったのですが、今回初めて、もとからあったクロスを生かしてその上に塗装をしました。ただ、今までのように白1色で塗装をしても「綺麗な普通のクロス」になるだけで質感としては物足りなくなるので、今回は2色で塗り分けることで新しい質感をつくっています。
もとの住戸の建具も残しています。ただ、そのままだと質感が新しすぎて全体に合わないので、壁と同色で塗装し、同じ高さで塗り分けています。
また、もとのフローリングも生かしていますが、濃いグレーで塗装しています。床は濃いグレー、壁は下が薄いグレー、上は白と徐々に明るくすることで、上に向かって空間の広がりをつくっています。
こうして、全体として色や質感を合わせることで統一感を持たせています。
いかがでしょうか。今年度も新しい空間づくりに挑戦しました。少しの知恵や工夫で、空間は大きく変化します。
今回ご紹介したプランは、2016年11月18日(金)から先着順にて募集開始です。モデルルームも公開されます。詳細はこちらのページをご覧ください。