ふすまによって広がる暮らし
団地再生物語 | 2016.2.16
今回のコラムも、MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトの新プランをご紹介します。今年度、首都圏では新たに「光が丘パークタウン(東京都板橋区)」と「多摩ニュータウン永山(東京都多摩市)」、「若葉台団地(埼玉県鶴ヶ島市)」、「牧の原団地(千葉県松戸市)」の4団地が加わりました。合計5タイプの間取りをリノベーションしました。その中から2プランをご紹介します。
ふすまで間取りの変化を楽しむ
以下は、多摩ニュータウン永山(東京都多摩市)のMUJI×UR Plan11(52.42m²)のリノベーション前の間取りです。
3つの和室と、真ん中に長いダイニングキッチンがあります。バルコニー側の和室とダイニングキッチンがつながると大きな空間となり、気持ちよさそうです。また、ダイニングキッチンの右側にある2つの和室もつなげることで風通しが期待できます。
以下が、リノベーション後の間取りです。
バルコニー側の2つの和室と、長かったダイニングキッチンとをつなげて、間口の大きなリビングとしました。寝室とリビングとの境にある壁をなくしてふすまを入れることで、必要に応じて空間を広げたり、閉じたりすることができるようにしました。
また、リビングとダイニングの間に合った収納を撤去することで、2つの空間をつなげて光と風を通すことができました。
ダイニングとキッチンの間にもふすまがあるので、季節によって寝室の場所を変え、夏は北側、冬は南側で寝るということもできそうです。
ふすまで間取りの変化を楽しむ
以下は、光が丘パークタウン(東京都板橋区)のMUJI×UR Plan20(58.18m²)のリノベーション前の間取りです。
バルコニー側に2つの和室、玄関側に洋室がある3DKの間取りです。バルコニー側の和室がつながれば広々とした空間になりそうです。
以下が、リノベーション後の間取りです。
奥まっていたキッチンをダイニング側に移動させています。キッチンは2列型として、大きな調理スペースをとりました。ダイニングとキッチンとの距離が近いので、家族とコミュニケーションを取りながら料理をすることができます。たくさんの食材もパントリーを使うことですっきり収納できます。
また、バルコニー側の和室の壁を撤去してふすまに変えました。そうすることで、空間を仕切ったり広げたりすることができます。
いかがでしょうか。現代では使うことが少なくなってきた「ふすま」ですが、MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトではその良さをもう一度見直しています。
間取りは大きく変えていませんが、陽当たりや風通しの良さといった団地の魅力はそのままに、一部の壁を撤去し、ふすまを使って空間を広げたり仕切ったりできるように工夫しました。このように少しの工夫でも、暮らし方の可能性を広げることができます。
団地でそんな暮らし方ができたらいかがでしょうか。みなさんのご意見をお聞かせください。