トイレの電力について(2)
快適温度の暮らし方 | 2011.5.31
トイレの電力についてみなさんのご意見から
トイレの機能と電力についてのミニアンケートにたくさんのご意見いただきました。ありがとうございました。
今回は、アンケート結果と、実際に「チームいま何度?」メンバーの暖房便座の電気量を計測してみましたのでご報告したいと思います。
ミニアンケートの結果から
「ご自宅のトイレについている機能は?」とお聞きしたところ、暖房便座は79%、ウォシュレットは74%の方についていました。
「ご自宅のトイレについている機能のうち、使っていない機能はありますか?」とお聞きしたところ、暖房便座の機能を持っている方のうち26%は使っていないようです。アンケートを実施した時期は5月初夏の季節の影響もあるかもしれません。
温風乾燥にいたっては機能を持っている方のうち79%もの方が、オート洗浄でも機能を持っている方のうちの52%の方が使っていないと回答しています。
便座カバーをつけている理由
便座カバーをつけていない理由
未来の家プロジェクトでは、電力・エネルギーを極力使わずに快適な暮らしをするために、「家」そのものができることは何か・・・ を考えるまずきっかけとして、身近なトイレの暖房便座の電力にスポットをあてて考えてみたいと思います。
暖房便座の電力をはかってみました
ほとんどの暖房便座の温度設定には、「OFF」「低」「中」「高」と段階があります。
これは、それぞれの設定の温度になると、通電が止まる仕組み(サーモスタット)になっていて、トイレを使っていても使っていなくても、設定した温度を保とうとする機能といえます。
室温が寒ければ便座も冷たくなるため、1日の中で最も室温が低くなる夜間、あまりトイレを使用しない時間帯に最も消費電力がかかってしまうということになります。
では実際に、暖房便座はどのくらいの消費電力なのでしょうか?
「チームいま何度?」メンバー3名の自宅のトイレにワットチェッカーを設置し、消費電力を調べてみました!
それぞれのトイレの1時間あたりの消費電力(W)を、暖房便座の温度設定が「OFF」の時、「低」の時、「中」の時で比較しました。洗浄水温は「OFF」にしました。K邸、H邸、S邸のトイレの機種はバラバラです。
S邸は「節電モード機能あり」で計測したため、とても低い消費電力になりました。
K邸、H邸の結果から、暖房便座の温度設定を「中」にしていると、常時だいたい12Wの電力を使っていることがわかりました。これはつまり、消費電力12Wの照明をずっと使っているのと同じことになります。
照明は私たちの生活に欠かせないものですが、昼間や人がいないときには、必ず消すものです。それと同じで、暖房便座は、この照明をトイレで24時間ずーっとつけっぱなしにしていることと同じだと思うと、ちょっともったいないと思いませんか?
暖房便座を使わないことを考えてみる
アンケートのご意見も参考にさせていだき、暖房便座の電力を使わない方法をまとめてみると・・・
(1)思い切って暖房便座をOFFし、便座カバーをつける
便座カバーをつけない理由に「不潔・不衛生だから」など、生理的に越えられない壁がありそうですが、便座カバーを使えば冷たくないのは確実です。
(2)せめて暖房便座の温度を「低」にする
便座カバーがどうしても、という方は、なるべく便座の温度を「低」にし、温度を保つために「フタ」を閉める習慣をつけるのはいかがでしょうか。
1ヶ月190円の電気代について
話は戻りますが、先に「暖房便座の温度設定を『中』にしていると、常時だいたい12Wの電力を使っている、これは消費電力12Wの照明をずっと使っている場合と同じこと」とお伝えしました。
これは、電気料金1KWhあたり22円で計算すると、1ヶ月で約190円の電気料金となります(暖房便座だけの電気で190円ですので、温水洗浄などをいれて計算すると、トイレで使う電気はもっとかかっていることになります)。
みなさんは、「1ヶ月190円」についてどう思われますか?
「コーヒー1杯にも満たない金額だ」「たかがそれくらいなら」と思われた方も多いと思います。
私たちは、エコノミー(経済的であること)と、エコロジー(環境に優しいこと)はちがうのではないか、と考えています。「電気代を安くおさえている生活」と「極力、電気エネルギーを使わない生活」はちがうのではないか、ということです。
住まいの快適さの実現のために、たくさんのエネルギーを使っては意味がありません。
電気や石油などのエネルギーを極力使わずに、太陽や風などの自然の恵みから得られるエネルギーを上手に活用するためには、どんな住まい、どんな暮らし方であるべきか、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。
みなさんのご意見をお待ちしています。