「団地に引っ越しました」くらしのコツ日記

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「スクエアJS」に行ってきました

2018年 6月 14日

「スクエアJS」に行ってきました

こんにちは。関東エリア住まいのレポーターのトーリーです。

今回は、MUJI×URさんのお部屋紹介ではなく、JSさんの紹介をしたいと思いますー
ん? URではなくJS? という方は多いと思います。
そうですよね。では、JSさんの紹介を。

JSさんとは言うならば、URさんの縁の下の力持ち。URさんの住戸の修繕や改修工事、管理のお仕事や団地の植物のお手入れ、お掃除をしいている会社です。
団地にお住いの方、団地周辺を掃除している青い服の方見たことありませんか? その方はクリーンメイトさんと言って、JSの方です。

他にもお部屋の工事をしに来ている、緑の服を着た方を見たことありませんか?
背中にJSと書いてあればその方もJSさんです。
などなど。
個人的には、JSさんについてこれぐらいの知識しかありませんでしたが、それ以外にもURさんと共にあれやこれやと色々している会社でして、今回はそんなJSさんの活動とJSさんの施設「スクエアJS」の紹介をします。

僕は以前、神戸の落合団地に住む時にお部屋の改修工事でお世話になっていました。
というより、実はURさんの住戸にお住いの方は、日頃からお世話になりっぱなしなんですよー

まー詳しい話は後ほどとしまして、JSの技術開発研究所、緊急事故受付センター「スクエアJS」に行きましょう!

まずは、最寄駅の下赤塚から30分ほどのところにある西浦和駅へ。
埼玉県ですねー
今住んでいるのは東京都の板橋区ですが、埼玉県がこんなに近いんだなと改めて実感しました。

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JR西浦和駅
ここから少し歩いたところに「スクエアJS」はあります。

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見えてきました。
うっすら見える手を上げている女の子は、JSさんのキャラクター「リノちゃん」です。リノちゃんは、JSさんのナビゲーター役を務めるキャラクターです。

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着きました! スクエアJS 。
ちなみにJSさんとは、日本総合住生活株式会社のことで、通称JSです。

工場のような建物をイメージしていましたが、着いてみると、なんかおしゃれな建物が並んでいます。

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さらに敷地内に団地!?
こちらも後ほどご説明しますー

スクエアJSには、A棟~E棟があります。
まずは、JSさんのスタッフにご案内していただき、ビデオでJSさんの仕事の紹介を見ます。
なんか久しぶりに学生の頃の社会科見学みたいで、ワクワクしてきました。

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ビデオで勉強中です。
見学をご一緒したのは、いつも光が丘周辺を案内していただいてる、URスタッフの岩倉さんとURさんの新人スタッフの大西さん。

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続いては、D棟の中にある「JSギャラリー」です。
JSギャラリーでは、JSさんの歴史やこれまでに開発して来た設備などが展示されています。

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JSの技術訓練センター、副所長の楠元さんです。
楠元さんに案内していただきます。

まずは、JSの歴史についての勉強。
UR(の前身である日本住宅公団)さんが設立したのは1955年。そして、JSさんができたのは1961年。
もともとお部屋の補修業務や管理業務をURさんが自社で行なっていたけど、規模が多くなってきたので、業務を分けるということで「株式会社団地サービス(DS)」今のJSが設立されました。

団地サービス設立時の業務は、
・政令業務(生活利便施設の建築、運営)
・受託業務(清掃、給排水管理などの受託業務)
・補修業務(住宅・施設の補修、模様替え)
・販売業務(生活利便のための物品販売)

ざっくりまとめると、URの住戸に住む人たちとお部屋のお世話さん、見守り役と言うことです。

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個人的に気になったのが「販売業務」。
こちらは何かというと、昭和30年代でそれまでにはなかった「ダイニングキッチン」やテーブルでの生活など、今までの日本になかったライフスタイルを団地に住む方に提案したときに、それに合う家具や日用品を持っている人たちが少なかったので、その人たちに向けて家具や日用品の販売を行っていたらしいです。

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さらにそれを本格的に行うようになり、「キャラバン」という名で団地にお住いの人たちに利用されていたようです。
団地にある集会所などで、日用品や生鮮食料品を販売するようになりました。
団地の人たちのニーズに直接答えるJSさん。ステキです。

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続いてこちらは、設備についてまとめている展示です。
水質検査の活動や年代ごとに違うインターホンの変化を説明してあったり、浴室の歴史など。

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ご存知の方はいると思いますが、昔は電話とインターホンが一体したものがあったらしいです。

最初は「ブザー」と「のぞき窓」、次に「チャイム」と「ドアスコープ」、その次は「インターホン」と「通話機+電話機」、そして「モニター付きインターホン」と「通話+映像」。
そして現在は、「モニター付きインターホン」と「通話+映像(録画+安否確認機能付き)。と1955年~2018年で色々進化しています。

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浴室も時代とともに変化しています。

最初は木の浴槽から始まり、ホーローに変わっていきました。
浴室も色々な開発をおこなっており、浴槽に関しては、背丈の違う当時の公団研究所の男性が集まり、実際にどのサイズの浴槽なら快適に使えるかを実験していたみたいです。

子供を抱いて入るとどうなるか。入ってお湯が溢れすぎないサイズはどれぐらいか。などなど、まだ規定のサイズがない頃に日本人に合うベストなサイズの開発をしていました。

ここで驚いたのが、普段何気なく使っているシャワーですが、まだ一般の住宅に普及が進んでいなかった昭和46年に、浴槽に容易に取り付けることのできる簡易シャワー、ハイシャワー「虹」を団地サービスが販売したらしいです。外国で使っているものを見て日本にも! となったそうです。
歴史作ってますねー

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続いてはこちら。設備だけではありません。

こちらは、改修工事をするときに使われる機器です。
これも、JSさんと機器会社が開発したものです。

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手前のこちらは何かというと、「油圧式コンクリートクラッシャー」というもので、コンクリートでできた間仕切りの壁を解体するときに使うものです。

一般的には打撃で壊すハツリ機で解体しますが、ハツリ機を使うと団地全体に音が響いてクレームの原因になります。団地では工事に関係なく、周りで生活しているのが当たり前ですから。

その解体の音を解消するために、コンクリートを挟んで壊すという手法を使える機器です。そうすれば、大きな打撃音がなくても解体できるので、周りのお部屋に騒音・振動が伝わりにくくなっています。
もともとこの機器はありましたが、大きくて、200ボルトでしか動かせないものしかなかったらしく、それを小さいハンディーサイズとして作ったみたいです。

次に上の機器は「銅管SGPカッター」と言うもので、給水管などの銅菅を切断するためのものです。
こちらも一般的な銅管の切断は、回転する刃を当てて火花を散らしながら切っていましたが、火花が出るのは火災の原因になるので危険ということで、開発されたものです。

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このように、鉄菅を潰して切ることで火花を散らさず切断し、さらに低騒音。
さらに銅管を切ると水が出てきて作業員にかかったり、他の階のへの水漏れの恐れがありましたが、この形、切ったら配管内の水も漏れにくくなるという優れものです。
機器までも開発してしまうとは! さらにびっくりです。

他にも、JSギャラリーで色々ご紹介したいことがいっぱいありますが、次の場所に行きましょうー

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続いては、先ほど少しお見せした、施設内にある団地です。
こちらはJSさんの社員さんが住んでいる訳ではなく、C棟(リフォーム提案モデル、床衝撃音遮断性能測定室)という場所になります。
中は団地とつくりが同じ部屋があり、奥に見えるB棟のストック住宅実験室では、設備機器の開発や工法の検証の際にこの実験棟のお部屋を使っているみたいです。

さらに写真に写っている青い部分、何かわかります?

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こちら、団地に後付けできるエレベーターになっております。

じゃじゃーん! ですね!
まさか、後付けでエレベーターが付けられるとは思いませんでした。
エレベーターを使うと、階段の踊り場にアクセスできるようになっています。

このエレベータですが、ユニット式になっていて、工場でつくったものを高さや階数に合わせて積み上げて設置できるようになっていて、施工効率を上げる工夫も考えられているみたいです。

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しかも、反対のバルコニー側にもエレベーターを付けることができます。

バルコニー側のエレベーターは何が良いかというと、部屋に直結しているので高齢者の方や車いすの方が階段を上り下りすることなく、お部屋に出入りできます。まさにバリアフリー。
このエレベーターは、URで4~5箇所しか設置されていないみたです。
ちょーレア!


リフォーム提案モデルのお部屋は、各階ごとにコンセプトが決められて部屋づくりがされています。
まずは1階のお部屋から。

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なになに? 「昭和40年代再現住宅」と書いてあります。
まさか!!! 今までMUJI×URさんのお部屋を見に行くと、外観の団地感と部屋のNEW感のギャップにタイムスリップしたような感覚になっていましたが、これはまさしく過去にタイムスリップということですね!!

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来ました昭和40年住戸。レトロ!
部屋だけではなく、家電や設備も昔のものを再現しています。

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実際に使われていた、機器や設備が展示してあったりと。

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こちらはキッチンです。
今と違いますねー。なぜか、椅子が収納できるようになっていますし。
昔の人は椅子に座りながら料理をしていたんでしょうか?

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このキッチンは「日本住宅公団59型流し」というもので、とても古いものになります。このエンブレムを見て、懐かしいという人もいるのではないでしょうか?

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換気扇も、当時の古いものを使っています。

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気になったのが、日本住宅公団(UR都市機構の前身)の「住」ロゴマーク。
「住」という漢字ですが、団地の形をしているという、とても良いロゴです。

そして驚いたのがお風呂。

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初めて見ました! 木の浴槽です。
先ほどJSギャラリーの写真で見ていたものが、まさかあるとは思いませんでした。

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この浴槽を使用していた時は、この器具を下から出し、マッチでガスに火を付けていたみたいです、直接。結構怖かったみたいです。

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その他にも、木製の建具や木のフローリングなど、色々なレトロがありました。さすがに懐かしいとはなりませんでしたが、いい雰囲気です。

では違う階もどんどんいきましょう!

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2階。

先ほどとは打って変わって、一気に雰囲気が変わります。
さっきの40年代の部屋を見たばっかりですが、同じ団地とは全く思えません。

こちらは、JSさんができる設備や仕様をとことんやってみたというお部屋です。
言うならば、今できる最新の設備が設置してあるお部屋です。
確かに、普通の団地とも全然グレードが違う気がします。

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キッチンとか、なんか高そー
実際に高いみたいですが、、、

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この部屋で、面白い仕掛けがあったのはトイレです。

このすりガラスの引き戸奥にトイレがあり、使用の都合によってすりガラスを可動できる様になっています。
そしてこのすりガラス、上から順に透け具合が違います。これは透け具合の違いを確認できるようになっていて、入る光や照明での見え方を検証できるようになっています。

次は3階です。

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3階は、高齢者向けのお部屋になっています。
色々な特徴がありました。

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まずはこちら。
部屋からでも、洗面所からでも、アクセスできるトイレです。
将来の日本は、家での介護が増えると言われています。団地でも、高齢者の方が快適に住めるように、介護のことを考えてつくったお部屋になります。

もう一つはこちら。

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この部屋は、バルコニーがついているお部屋で、なんとバルコニーが第二の玄関になっていて、エレベーターで昇ってくることができます。エレベーターから部屋に直結することで、車いすの方も階段をのぼらずに部屋に入ることができます。
とうことで、お店のようなこの空間。友達とのコミュニティーの場所ということですね。

次は一つ飛ばして5階です。
5階も高齢者向け住戸になっています。

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ダイニングとキッチン

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こちらも先ほど同様に、エレベーターから直結しているお部屋があり、バリアフリーなつくりになっています。

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バリアフリーのバルコニー玄関

そしてもう一つはこちら。

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両方に扉がある浴室です。初めて見ました。
こちらは、こんな仕様もできるんですよ、と知ってもらうためにつくったみたいです。
確かに、浴室の扉を一つだと言うのは誰が決めたの? と言うことですね。
こちらも、先ほどの左右からアクセスできるトイレのように、介護で役立つかもしれません。

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お部屋にもトイレがあります。
こちらのトイレは特別なつくりになっており、水まわりの場所でなくても、排出物を粉砕することで部屋の中にも付けられるようになっております(※お部屋の給排水には繋がないといけませんが)。

また、それによって臭いも抑えられる優れものです。
などなど。スクエアJSの実験施設では、今後のライフスタイルや数年後に起こる社会のことをイメージして、間取りや設備を考え、つくり、検証しています。

URさんとともに、何十年も日本の暮らしを支えてきただけありますね。
さすがです。

と、今回はここまで。
次回は、この施設に最近できた「JSトレーニングセンター」を紹介したいと思います。

これもまた、色々な仕掛けや楽しさがあって驚きでした。
では、次回は「スクエアJS」に行ってきました。~パート2~ です。

トーリーでした。

レポータープロフィール

東京

光が丘パークタウンMUJI×UR Plan14に暮らすのは、建築士の青年トーリーと奥様のヨーメー。

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落合団地MUJI×UR Plan12に暮らすのは、情報誌編集者のアーリーと奥様のターナー。

東京と神戸の2つの団地、MUJI×URの2つの部屋から、団地の魅力をレポートします。
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