第5期1回「都会でも暮らしを楽しめるリノベーションアイディア」について

第5期 2022年〜 | 2022.12.23

「地方もいいけど、やっぱり都会に住みたい」プロジェクト(アンケート結果)

コロナ禍による社会情勢の変化により、在宅時間の増加・テレワークの普及・衛生意識の高まりなど、暮らし方が大きく変わり始めています。出社しなくて仕事ができる環境が整い、都会での密集を避けることを考えて、地方移住や2拠点居住等が叫ばれるようになってきました。一方で、出社が必要であったり、買い物が便利、人と会いたい、など利便性を重視して都会に住みたい・住み続けたい方々もいます。

本プロジェクトでは、マンションリノベーションにフォーカスをして、より多くの「やっぱり都会に住みたい」方々とコラムやアンケートを通じてコミュニケーションを行い、都会で理想とする暮らし方や住まいについて、間取や仕様・そこで使用される建具やパーツといった部分まで、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。そこで今回のアンケートでは、少しコンパクトな住戸にフォーカスをして、自分ならこう暮らしたい、という自由なご意見をいただきたく、都会でも暮らしを楽しめるリノベーションアイディアを4パターン作成し、みなさんのご意見をお聞きしました。

●回答総数:1,701名
●実施期間:2022年11月30日(水)~12月7日(水)

回答者のプロフィール

年代
世帯形態

[Aプラン]

もしも都会でもお風呂を楽しむとしたら

バルコニー側のスペースを大きく浴室にしました。
床はバルコニーと繋げてウッドデッキとしています。バルコニーには植栽をたくさん置き、その景色を楽しめるようにしたいと思います。浴室では入浴を楽しむのはもちろん、そこでリビングのように過ごせるスペースとしています(もちろん家具は防水の想定です)。
一方、キッチンやダイニングをコンパクトにしています。ダイニングと浴室との間はガラスにして、お風呂を使用するときはブラインドを使うとよいでしょう。使用していないときは、一体的に見えるようにしています。

[Aプラン]の共感度

[Aプラン]へのコメント

露天風呂感覚が味わえそうで非常に魅力的、TVやオーディオなど防水耐水製品を置いてゆっくりしたい、ただシャワーや洗い場はどうするのか工夫が必要かな
(南関東/60代以上/男性)
お風呂の時間が優雅に、そして、癒されそうです
(南関東/50代/男性)
夏場、バルコニーでプールをしたあと、そのまま、浴室へのルートがあると、子育てをしているものとしては、便利かとおもいます。
(中国・四国/30代/女性)
浴室でも良いですし、ペットを飼われる方には水槽としても良さそう。最近は犬猫だけでなく、亀や爬虫類などペットも多様性の時代だと思うので。
(中部/30代/女性)
湿度の高い時期は浴槽を使いたくなくなると思う。全面コンクリートで換気システムが完璧ならありかもしれない。
(北関東/40代/男性)
旅行や一定期間非日常を楽しむのであれば興味ありますが、日常生活の場としては共感できない
(南関東/50代/女性)
外の景色を見ながらお風呂に入るのが夢でした…都会でこの暮らしを楽しめるのなら、ありだと思います。グリーンも沢山置けるし〜私は好きです。
(九州・沖縄/60代以上/女性)
斬新だなと思いました。親しいお客さんしか呼べないけど、それがいいと思います。
(関西/50代/女性)
バルコニー側のスペースを大きめにとった浴室案は一部賛成。浴槽を可動式床どこや乾湿通風採光管理も付けて日光浴的な効果の有る部屋とか。どんな立地でも住む人が暮らしやすい、また車椅子やお世話の必要な方もお風呂場が広いのはいいかもしれません。
(未公開)
リゾート施設のようでとてもお洒落だと思います!浴槽が広いと水道代が気になったり、浴室ルームバルコニーと考えると、換気や部屋の温度管理や掃除が大変なのかな…と想像してしまいます。 それよりも自然体で自由な時間が得られるのは醍醐味ですが!!
(関西/40代/女性)
コメント
小さくなりがちな浴室を極端に大きくした案です。
共感できない意見では、湿気やガラスの汚れの心配のご意見がありました。水まわりを大きくすることでの掃除やメンテナンスは課題になりそうです。共感できる意見では、普段の暮らしではなく、旅行・リゾートなどの非日常で過ごしてみたいという意見がありました。お風呂は楽しみたいが毎日でなくても良いのかもしれません。

[Bプラン]

もしも家の好きな場所でゴロゴロできたら

玄関と水まわりとクローゼット以外を畳としました。
寝室やダイニングなどと廊下を分ける横方向にはふすまが入っていて、自由に開け閉めが可能です。また、寝室同士などを分ける縦方向には畳4枚ごとにふすまを入れることが可能で、ふすまの入れ替えも可能です。暮らし方によって3つに分けたり2つに分けたりすることができます。畳はベッドを置いてもへたりにくい、無印良品オリジナルの麻畳を想定しております。日当たりや風通しなどの違いで、過ごしたい場所を変えてゴロゴロすると気持ちよさそうです。

参考写真:ラインビルド中野(ホームネット社)
麻畳とふすまを組み合わせたアイデアを取り入れ、MUJI HOUSEでリノベーションしています。

[Bプラン]の共感度

[Bプラン]へのコメント

日本人の性ですかね、畳を見ると落ち着きます。
(中部/50代/男性)
ビジュアルもコンセプトもいいなぁと思う反面、いま個人的に膝が痛いので、立ったり座ったりが大変そうと思ってしまいました。
(南関東/40代/女性)
畳部屋が一室のマンションに住んでいて、畳部屋が一番気に入っています。みんな畳だったらカーペットもスリッパもいらず、くつろげる気がします。 今のマンションに麻畳だけでも取り入れたいです。
(南関東/40代/女性)
小さい子どもがいるご家庭は畳の上があると助かる時ありますね
(東北/50代/女性)
キッチンとダイニングが離れているため配膳が大変だなと思いました。ただ小さな子供がいる場合は畳が多い分遊ぶのにいいかもしれません(食べ物や飲み物をこぼしたりするとお片付けが大変かも…ですけど)
(中部/50代/女性)
襖を開けた時の空間が広く良い
(東北/50代/男性)
ふすまの入れ替えが可能との事なので、暮らしに合わせた使い方がフレキシブルに考えられそうで、とても魅力的です。 麻畳を使用するというところも丈夫で良いと思いました。
(中部/50代/女性)
低く暮らすには良いかも。椅子ではなくクッションなどを使い、ちゃぶ台で食事をする。低く暮らすことで、広々感じるかも。
(南関東/60代以上/女性)
素足で歩いても、フローリングより夏場はベタベタせず、冬場は冷たくなくて気持ちよさそうだと思う。 特に夏は、風通しの良い場所に移動してくつろげそうで良い。
(東北/50代/女性)
マンションによくある廊下というスペースはわたしも不要との考えなのですべてゴロゴロ過ごせるこちらのプランは非常に好感的。暮らしながら色々スペース利用のアイデアが生まれそう。
(南関東/40代/女性)
コメント
最近の家づくりでは少なくなってきた畳を敷き詰めた案です。
畳に対する愛着を持っている人が共感していただきました。適度な柔らかさがあるので、子育での活用や床で過ごしやすくなりそうです。また、ふすまを自由に取り外すことができるので、自由な間取りができることが支持されていました。一方で、フローリングに比べてメンテナンスに対する不安がありそうです。

[Cプラン]

もしも家族がいつもキッチンに集まったら

幅5メートルの大きなキッチンを中心に置きました。
ふだんは家族みんなが集まり、休日は友人を集めてもいいでしょう。キッチンが住まいの象徴的な存在となり、料理や食事を中心とした暮らしができそうです。バルコニーにはウッドデッキを敷いて、アウトドアリビングとしてもよさそうです。

[Cプラン]の共感度

[Cプラン]へのコメント

回遊式で、子供は喜んで走り回りそうです。 キッチンシンクをきれいに保てる方、食事をする時に、キッチンが雑談としていても気にならない方は、大丈夫だと思います。
(南関東/40代/女性)
結局、食事・団欒という機能が家庭ではとても大事だと実感しています。家はハウスではなく、ホームだと思います。
(南関東/30代/男性)
私の理想です、個室は寝る時だけ。ダイニングの机を大きく、或いは長くして、ここで勉強も食事も読書も映画鑑賞もする。けど喧嘩したり1人になりたければベランダへ。有りですよね!
(関西/50代/女性)
歳をとったら、お料理はあまり、したくありません。 しかし、ダイニングが真ん中にあるのは魅力的です。
(関西/50代/女性)
朝起きてからすぐコーヒーを飲みに行けそうで素敵です。 バルコニーからキッチンも近く、料理を使って外で食べるのが楽しそうです。
(中部/20代/女性)
マッドハッターのティーパーティーができる大きなテーブルに憧れているので魅力的なプラン、玄関が土間なのも良い、土間に手を洗うところが欲しい
(南関東/40代/女性)
まさに食を中心に生活できたらバランスがとれること間違いないと思います。皆が食を通してひとつになれる家族関係は何者にも代えがたいもの! アウトドアリビング最高ですね!
(東北/50代/女性)
キッチンは常に作業する事があるので、家族の団欒と距離が近いと嬉しい。台所仕事をしながら子どもの宿題をみれるのもありがたい。キッチンで作業しながら座っている家族と一緒に見れる位置にテレビがあるとなお嬉しい。土間が広いのもありがたい。
(南関東/40代/女性)
いつでも家族と顔を合わせていられるダイニングキッチンの大きさがいいと思います。 床やソファでくつろぐスペースが室内にもあるといいなと思いますが、土間やバルコニーのアウトドアリビングもあり、大きな輪でも、小さな輪を複数でも楽しめるのがいいと思いました。
(中部/40代/女性)
会話を楽しむ以外の個々の時間としてあまり昔ながらの居間の様なリビングの形は必要になってないのも感じる。メディアは個々に楽しむし、必要な物は持ち運べたり出来るため、この形はいいと思う!ここまで大きくする発想がなかったからありだなぁと思いました。また土間とつながっているのも好き
(中部/40代/女性)
コメント
キッチンを大きくして、住まいの中心にした案です。
家族が集まりやすく、コミュニケーションの場として支持されていました。ダイニングテーブルで仕事や宿題を行うようになり、料理をしながらも繋がることができそうです。さまざまな使い方ができそうな広い土間にも共感が多くありました。また、室内のリビングがありませんでしたが、会話以外で個人がスマホなどでメディアを楽しむようになり、リビングが必要なくなっているというご意見もありました。スマホが普及してきた時代のリビングのあり方は再考しても良さそうです。

[Dプラン]

もしも一人でこもれる場所があったら

テレワークを考慮して、一人でもこもれるスペースをつくりました。
それぞれの窓際に木囲い(下記写真参照)を設けています。窓際は、陽があたったり外が見えたりして気持ちの良いスペースです。ふすまやカーテンで仕切ることで、一人でこもることもできます(個室側窓際)。ここでテレワークやリモート会議をしてもよさそうです。木囲いの上にソファを置けば、デイベットのように使え、ここで読書などをしてゴロゴロできる場所にもなります(リビング側窓際)。
また、部屋と部屋の間にも、木囲いを設置しています。今回はクローゼットとしていますが、両側を仕切ればそこでこもることも可能です(個室とWICの間)。

参考写真:グランドコート中野(ホームネット社)
木囲いのアイデアを取り入れ、MUJI HOUSEでリノベーションしています。

[Dプラン]の共感度

[Dプラン]へのコメント

マンションの様に限られた空間を工夫して個人的なスペースが作れるなんて素敵です
(関西/50代/女性)
隠れ場所がたくさんあって良さそうに思います。とくに窓際のソファは外国の部屋のようなイメージで素敵に感じました。
(南関東/40代/女性)
木囲い自体に共感できない。それよりも広い空間があり、それをその時々の用途によって自在に自分で仕切れる方が楽しいと思う。
(中部/60代以上/女性)
木囲いと仕切りを後付けできるような、キットを販売してほしいです! 夏などは、ここが、断熱の役割になったりして良いかもと思いました
(南関東/50代/男性)
圧迫感がないように造作できればあり。狭い縁側的な印象だが、日本間における縁側というのは非常に使い勝手がよいので、このスペースも工夫次第で様々な使い方ができそう。
(北関東/40代/男性)
在宅ワークではない私でも、静かに本を読みたいと思ったときにこの木囲いスペースがあれば集中できそうでいいですね!すみっこ好きとしては、リビング側のソファも、挟まれている気がして安心感があり好きです
(中部/30代/女性)
私は主婦なので、家事の合間にメールチェックや新聞を読む、家計簿をつけるなどをします。キッチンの近くに狭くてもこうしたスペースがあったら良いと常々思っていました。
(東北/50代/女性)
リビングにある木囲いは、家族の存在を感じながら集中したいときなどには、ちょっとした個室が増えた感じがしていいな、と思いました。ただ、子ども達には携帯電話やタブレットなど、囲いの中に持ち込んでもいいものと悪い物のルールを決めたら快適に暮らせるのではと思いました。
(南関東/40代/女性)
テレワークが当たり前になった今、このような間取りは魅力的です。使わない時はオープンにすれば部屋中に日差しが入るので問題ないと思います。仕事中に狭いスペースで囲まれると窮屈ですが、窓際だとそういうことを感じなくて済むので、いい間取りだと思います。
(南関東/50代/女性)
秘密部屋ならぬこもり部屋わたしならぜひ欲しい空間です!家族といえど適度な距離空間は必要で一緒に居る心地よさは距離があるからこそとも言えます。 いまの家にお伺いすると家族全体での空間が象徴されていて息苦しさすら感じでしまいます。 わたしもこれから家を建てますのでぜひ参考にさせて頂きます!
(東北/50代/女性)
コメント
狭くても一人になれるスペースをつくった案です。
4案の中で一番多く支持が集まりました(「非常に共感できる」と「共感できる」を合わせて72%)。テレワークだけでなく、勉強や家事スペースとしても使いたい意見がありました。今回はパーツとして「木囲い」を提案しましたが、木の質感や圧迫感が少ない部分に共感していただきました。

「住みたい場所」についてお聞きします

Q 将来的な住まいについて、現在考えている「住みたい場所」はどちらですか?

「住みたい場所」へのコメント

地方の中でも便利な所であれば 将来的に車なしで買い物、病院などが行ける範囲
(地方に住みたい/関西/40代/女性)
私は車が運転できないため、交通の便が良いことが重要です。日常の買物も、街(中心地)でしたいので。
(都会に住みたい/中国・四国/50代/女性)
結局出社があり、通勤時間が短い方が過ごしやすいと思っているため。また飲食店を巡るのが好きなので店が多い方が良いのと運転免許を所持しておらず便利な方が良いから。
(都会に住みたい/南関東/30代/男性)
60代までであれば、生活が成り立てば一度地方で菜園をしながら暮らすのも素敵かと思っています。 それ以降は、病院や買い物、また子世帯と行き来しやすい場所で暮らすと考えるのと都会になるのかな…
(都会に住みたい/関西/40代/女性)
落ち着いた場所で在宅ワークがしたい。
(地方に住みたい/関西/20代/女性)
年老いた時の事を考えて、交通が便利で病院や公共施設文化施設にアクセスの良いところがいいので
(都会に住みたい/南関東/40代/女性)
仕事、各地へのアクセス、教育機会、医療、防災復旧の観点から、メインは都会住まいの二拠点生活を検討。
(都会に住みたい/南関東/20代/女性)
都会、地方にこだわらない。それよりも住みたい家が世の中にとても少ないことが嘆かわしい。今まさに私がそう、だからこのようなアンケートは楽しいですよ、自分の考えもよくわかってくるし。
(その他/関西/50代/女性)
いまは利便性優先で都心暮らしだが、子育てを終えたら2拠点生活に移行したい。
(その他/南関東/40代/男性)
数年前までは大都会で暮らしていたが、夫の転勤に伴いそこそこ都会の地方都市に暮らしているので、都会の暮らしも地方の暮らしも両方理解している。人が多い事によるストレスは少なくなって良いが、利便性などを考えるとやはり不便さを感じるので、都会と地方の中間ぐらいの場所を選びたい。
(その他/関西/40代/女性)
まとめ

たくさんの方々にご参加いただきました。現在考えている住みたい場所では、都会が53%、地方は30%と、20%以上の差がつきました。利便性を求められている人が多いことがわかります。ご意見をみてみると、とくに歳をとってからの利便性を心配されています。

アンケート4案のうち3案で共感度が50%を超えていました。今回は3人暮らし想定で、一般的には面積が60m²以上ありますが、52m²でも間取りの工夫で暮らしを楽しめることができそうです。
このように、さまざまな人に当てはまるようにつくられている一般的な間取りではなく、ご自身の暮らし方を掘り下げて考えてみることで、必要な部分・不必要な部分が見え、それを適切に間取りや仕様に当てはめることで、限られたスペースでも快適な暮らしができそうです。

今回は「お風呂を楽しみたい」「家中でゴロゴロしたい」「家族が集まりやすくしたい」「一人になりたい」という、4つの願望を表現してみました。
いちばん共感度が高かったのは、木囲いを使った[Dプラン]もしも一人でこもれる場所があったらでした。コロナによってテレワークが増えて家にいる時間が増え、仕事ができる場所があることが共感されたと考えられます。現在の社会情勢を捉えているのでしょう。これからの都会暮らしには、テレワークを快適にできる間取りやパーツを考えていくことが求められそうです。

無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」でも、さまざまな暮らしのご提案を行なっております。ぜひリノベーションのご参考にご覧ください。
MUJI INFILL 0 住まいの実例

たくさんのご回答・ご意見ありがとうございました。