窓の家 No.42

窓から光、空、緑を取り込み、暮らしのある美術館のような家へ

窓の家 | 2023.12.5

神奈川県茅ケ崎市に建つ「窓の家」S邸。真っ白い壁と三角屋根が個性的なお宅ですが、住宅地にも溶け込むシンプルさとナチュラルさも兼ね備えています。ご家族はこの家に住んで1年半が経ちました。

■建物概要
ご住所:神奈川県茅ケ崎市
竣工年月:2022年5月
延床面積:110.13m²
■ご家族構成
ご夫婦+お子さま1人

もともとは都心に程近い賃貸マンションに住んでいたご家族。ご主人がリモートワーク中心の働き方となり手狭になったことから郊外でゆったりと暮らせる戸建ての家づくりが始まりました。そんなご主人は結婚前から無印良品のアイテムを愛用しており、WEBの記事を見たことがきっかけで「無印良品の家」の存在を知ったそうです。

「建築、デザイン、北欧が好きで、賃貸に住んでいた頃から北欧の家具や照明を少しずつ置いていました。『無印良品の家』に決めたのは建築家さん監修のシンプルな外装・内装のデザインと間取りを自由に決められることが最初のきっかけです。いい意味で特徴がなくシンプルなのでもともと持っている北欧の家具や照明とも相性がよさそうというのも理由の一つでした」(ご主人)

窓の家」に決めたのは「木の家」や「陽の家」にはない独特の雰囲気だったのだとか。

「最初に見たときに美術館みたいだと感じました。ここなら好きな物や家具に囲まれて、暮らしのある美術館のような家にできるのではないかと。また『木の家』よりも子供部屋やワークスペース(書斎)を個室や半個室として独立しやすそうというのも魅力でした」(ご主人)

その後は「窓の家」を建てるために必要な広めの四角い土地を求めて土地探しへ。「長野や鎌倉など幅広いエリアで探していましたが、都内までのアクセスもそこそこ良く、学校や公園も近くにある静かな住宅街に理想的な土地を見つけることができたんです」と奥さまは当時を振り返ります。

こうしてご夫婦は自分たちにとって理想的な住まいである「窓の家」に住むことに決めました。

当初から考えていた間取りのこだわりはご主人のリモートワークをするための仕事部屋とお子さまの子ども部屋です。この二つは個室にする予定でしたが、担当者からの提案を何度か変更して仕事部屋は寝室内に収めました。この結果スペースが少し増えたことで、フリースペースも広めに取ることができました。

キッチンは奥さまの希望を反映させて、実用面での快適さとみせる・隠すを意識した美しいデザインに。

「私の身長が少し高いのでキッチンも高めに設計してもらいました。腰を曲げずに料理ができるのでとても楽です。キッチンカウンターも高めにしています。ダイニング側から見たときに水回りが見えないのでスッキリ見えますし、料理ができたときに家族に運んでもらう配膳台としても機能しています。リビング全体を見渡せるので子どもがリビングで宿題やゲームをしていてもコミュニケーションが取れるのがいいですね」(奥さま)

冷蔵庫スペースの隣にはパントリーを作って収納力も抜群。またキッチン奥には背の低い食器棚を置くことで見せたいものだけ見せて見せたくないものをしっかり隠す、スッキリとした空間を実現しています。

「家の中に風や光を通す“抜け”をなかなか作りにくいのが住宅街に家を建てる難点だと思います。でもこの家なら吹き抜けの大きな窓から空を切り取って眺められます。ソファに座って窓を見上げると雲の流れや月、飛行機を見ることができるのはとても贅沢ですね。リビングの大きな室内窓から部屋中に光も入ってきて外が暗くなるまでずっと家の中が明るいのも気持ちがいい。日常の中に非日常やちょっとした浮遊感を味わえるのはこの家だからこそだと思います」(ご主人)

フローリングは壁の色や北欧家具とのバランスを考えてこのマットな質感のある床材を選択しました。一方で北欧好きのご主人とは違って奥さまは畳にソファを置いて隠れ家居酒屋のようなシックな雰囲気が好みです。

「2階のフリースペースはこたつを置いて家族で囲んだり1階のソファを持ってきたりして、私の好きなテイストにアレンジもできそうで、くつろぐ部屋としても楽しみたいですね。多目的で使えるのでこれからもいろいろな過ごし方ができそうでワクワクしています」(奥さま)

子ども部屋を独立させたのもこだわりです。「私自身が一人部屋で好きなものを楽しんで今に活きています。同じように子どもには勉強だけでなく好きなものを見つける器を用意してあげたかった」とご主人は語ってくれました。今は居心地のよさからずっとリビングで過ごしているというお子さんですが、今後は成長に合わせて親子で一緒に考えながら収納や使い方を変えていきたいそうです。

「設計段階ですでに持っている家具のことを話したらデザインや設備の提案をいただきました。『ABCから選んでください』でも『ゼロから作りましょう』でもなく、その中間の進め方は自分たちにちょうどよかったです。ある程度の型の中から提案してもらったり選んだりできるのはすごくいいですね。賃貸だと手狭になっていた北欧家具もここなら広々と置けますし、主人は以前以上にワクワクしながら新しい家具選びを楽しんでいます」(奥さま)

この家で実現したい理想的な暮らしについて、ご夫婦は胸を膨らませながら語ってくれました。

※掲載写真は取材時のものであり、現在はご採用いただけない仕様もございます