木の家 No.121
一歩足を踏み入れてすぐ「とても心地いい」と感じました
木の家 | 2018.6.5
和歌山県有田郡は、みかんの産地。町内に建つ「木の家」U邸の窓からも、みかん畑が見えます。
Uさんご一家は、ご夫妻と3人のお子さまの5人家族です。取材当日は、5歳の長男を筆頭としたきょうだいが元気よく遊びまわる中、お仕事で不在だったご主人の思いも含めて、奥様に「木の家」にまつわるお話をおうかがいしました。
ご夫妻が「無印良品の家」を知ったのは、お子さまたちがのびのびと暮らせる家を、と引越しを考え出したことがきっかけでした。
当初は、その後さらに引越しすることも想定していたので「次の買い手が見つけやすそう」な、市街地の中古物件を探していました。しかし、一戸建て、マンション、いろいろ見てまわったところ、Uさんが心から住みたいと思える物件は見つかりませんでした。
「思い切って新築の一戸建てで、家族全員が居心地の良い空間に住もうか」と、おふたりで相談していた際に「無印良品の家」がクローズアップされました。
「最初に、その存在を知ったのは夫でした。ホームページで調べてから、当時住んでいた家の近くにあった『無印良品の家 和歌山店』にひとりで行ってきて『開放感のある空間が、すごく良かった』と話してくれました。その口ぶりで相当気に入っていることがわかりました」。
そう振り返る奥様ですが、ご自身の「木の家」の第一印象は、決して良くはありませんでした。
「おしゃれだと思いましたが、外観が倉庫のように見えました。倉庫といえば『夏は暑くて、冬は寒い』というイメージがあります。その印象のとおり、住み心地も使い勝手も悪いんじゃないか、と感じたんです」。ところが、ご主人の熱意に押されるかたちで「しぶしぶ」和歌山店に見学に行くと、その印象が一変しました。
「訪れた日が、とても暑い日だったんです。だから『家の中は、冷房を目一杯効かせているんだろうな』と予想していました。ところが、一歩足を踏み入れてすぐに、とても心地いい、と感じました。無理やり『冷やした』感じがなくて、自然に涼しかったんです。使っているエアコンが家全体で1台だけ、と聞いて驚きました。さらに、エアコンなどの機器になるべく頼らずに快適な環境をつくり出す家づくりの説明を受けて、無印良品の家がきちんと考えられてつくられていると納得しました。その場では『⾼いデザイン性に⽬がいきがちだけど、そのデザインは科学的根拠に基づいた機能的なデザインなんだ!』ということも、しつこいくらいにスタッフではなく、なぜか主⼈から説明を受けました」。
その後、初めての家づくり講座に参加したり、照明の雰囲気を確かめるために、暗くなってからモデルハウスを見学したりして、ご夫妻で、さらなる理解と、実際に住むイメージを高めた上で「木の家」に住むことを決めました。
「中古物件を見ていたころ、いくつかの住宅会社の家を見て『⼀般的な3LDKの間取りは、壁で仕切っている場所が多く空間にゆとりがない。圧迫感を感じるものばかり』と感じていました。居心地がいい上に、間取りも自分たちの住みやすいように決められる『木の家』は、私たちのような騒がしい家族にちょうど良かったんです。だから、他の住宅会社を調べる必要を感じませんでした。
建築関係の仕事をしている、私の妹に設計図を見せたら『構造的にも、いいんじゃないかな』と言われたことも、後押しになりました」。
やがて、ご主人のご実家の土地に建てることも決まり、家づくりも本格的に始まりました。
間取りは基本的に奥様が、ご主人の要望を聞きつつ決めていったそうです。
「夫は『吹き抜けを生かして、広々とした雰囲気を出したい』、『帰宅して、ソファに座るまでの流れを心地よくしたい』と言っていました。その要望を踏まえつつ、家族が生活しやすい空間になることを考えました。子供たちがいるので、吹き抜けや階段部分の安全性は細かく確認しましたし、対面式のキッチンも壁のないタイプにして、開放感を出しました。また、玄関からあがって、上着を脱ぎ、手を洗ってリビングのソファに座るという一連の動作をストレスなく行えるようにしつつ、すっきりとした間取りになるよう、部屋の配置や動線を意識しました」。
担当者からのアドバイスも参考にしました。
「当初は仏間を作る予定でしたが『使わない部屋を持つよりも、発想を転換させて、使う部屋に設置したらいかがでしょう』という提案を聞いて、リビングに仏壇を置きました。部屋の雰囲気にもよく調和していると思います」。
検討を重ねて完成した、開放感のある「木の家」。
入居して、半年が過ぎましたが「全部、気にいっています」と、奥様は笑顔で語ります。
「大勢の来客があってもいいように」と玄関を広くしたこともあり、友人や親族が集まることも多いのですが、評判も上々とのこと。
「とくに、小さいお子さんのいる親御さんたちは『壁や仕切りが少ないから、家のどこにいても子供の声や気配がわかりやすくて、安心して過ごせる』と言ってくれます。私自身もそう感じますね」。
ご主人も「太陽の光が入ってくるので、寝起きが良くなった」など、新たな住まいの居心地に満足しているそう。
意外な変化を見せたのは、3人のお子さまたちでした。「『公園に行きたい』と言ってくる回数が減って、家の中で遊ぶ時間が増えました。日差しがたっぷり入るし、思い切り走りまわれるからでしょうね」。そんな「お母さん」の声に反応するように、お子さまたちが奥様のそばに駆け寄ってきました。「家族の居心地のよさ」をキーワードにつくり上げられたU邸は、明るい声が絶えない暖かな空気に包まれています。