木の家 No.118
リタイヤ後を見据えたご夫婦の「木の家」
木の家 | 2018.4.3
岡山県岡山市南区にある閑静な住宅街。その一角にある「木の家」は、50代のWさんご夫妻が「定年後に住もう」と、約1年半前に建てた家です。
Wさんご夫妻は、普段は大阪府のマンションに住んでいます。高校生のお子さまが海外に留学しており、現在はふたり暮らし。お仕事の休みを合わせ、月に1〜2回のペースで「木の家」に滞在しています。
おふたりとも、生まれは岡山市。家のある地域もお互い「土地勘」のある場所です。
「それぞれの定年退職も近づいて来たので、いずれは岡山に戻ろうと話していました。もちろん、大阪にも愛着はあります。もう30年近く暮らして、友だちもできましたし。でも、やっぱり岡山が私たちの故郷だという感覚が強いんです」とご主人が語るように、思い入れの深い地に建てた「木の家」。
その存在を最初に意識したのは、ご主人でした。
「東京に遊びに行った際に立ち寄った無印良品 有楽町に、『木の家』のモデルハウスがあったんです 。まだ家を建てる予定もありませんでしたが、おしゃれだし、室内の空間がとても広く感じて『いい家だなあ』と思ったんです」。
その好印象は、ご夫妻で「いずれは岡山に」と話し合い、「思い切って、マンションか一戸建てを購入しよう」となった際に、再びクローズアップされることになりました。
ご主人の「木の家」への鮮烈な印象から、一戸建てに関しては他の選択肢は考えられず、計画当初から「無印良品の家で」と、決めたそうです。
「決める前に、無印良品の家 グランフロント大阪 家センターで、1/2サイズのモデルハウスを見たりしていました。嫁さんもじっくりと見てくれていたので、『一度実物を見ようか』と、無印良品の家 岡山店 に行きました」(ご主人)。
「実は、東京で見たとき、私はまったく印象に残らなかったんです(笑)。でも、実際に住むことを想定して見てみると、柱がしっかりしていて信頼感がある。『いいな』と感じました」(奥様)。
他の住宅会社のモデルハウスの見学はしなかったものの、マンション選びは、並行して進めていました。購入を検討した物件もあったそうですが、最終的に、ご夫妻は「木の家」を選びました。
「『無印良品の家』のホームページで、基本構造や性能を調べたりもしたのですが、最終的には人でした。担当の方の接し方が、私たちにとって、とてもよかったんです」と振り返る奥様。
そのコメントをサポートするかのように、ご主人が続けます。「何かをせかされたりすることがなかったので、自分たちが『いま、これが必要だ』と、納得するまで考えて、購入することができたんです。大事な住まいを選ぶとき、『いま買うとお得です』みたいな売り文句にあおられるように決めて、もし後悔するようなことがあったら、つらいですし、すすめた人のせいにしてしまうかもしれません。そんな思いをするくらいだったら、自分たちの五感を大事にして決めた方が『ずっとええやろ』と考えました」。
力強い言葉に、奥様も、「そこで意見が食い違うことはありませんでした」とうなずきます。
完成した家には、ご夫妻の思いが、随所に詰まっています。
ご主人がひときわ気をくばったのは「間取り」です。「部屋をいくつもつくらないようにしたかったんです。昔、子どもが生まれたころに住んでいたマンションは4LDKでしたが、結局使う部屋は限られ、使わない部屋がいくつかできてしまいました。だったら、広い空間でのびのびと暮らしたい。そう考えて、いま住んでいるマンションはもともと部屋数が多かったのをリフォームして、1LDKにしました。その経験を生かして、さらに心地よい間取りにしようと考えました」。
奥様は「動線」に気をくばりました。
「大阪の住まいは、リフォームしたものの、マンションだけに、配管や換気扇の位置など、動かせないものや制約がありました。だからこの家は、私たちが本当に心地よく過ごせるように考えて、いろいろなものの配置を決めていきました」長年の経験から生み出された、ご自身たちの「心地よさ」。それを追求した結果、吹き抜けのある、空間を広々と使った間取りになりました。
完成して1年半。週末を中心に大阪から通う中で、ご夫妻は「木の家」の良さを感じています。
「初めて来たとき、寒い日の夜だったんですが、家の中がほんのり暖かかったんです。昼間の太陽の熱が、断熱効果で残るからこその暖かさを実感しました。南向きの庭に面した窓も開放的で、すごく気にいっています」(奥様)。
「とくに寒い時期は、家に入ると、ほわっと暖かくて、別世界に来たような気分になります。こればかりは、実際に住んでみないとわからないことでしたね」(ご主人) 。
「ぬくもり」を感じさせる我が家。そこにご夫妻は、少しずつ荷物を運んできています。乗り物の模型や、数々のワインボトル…。ご主人の趣味や、奥様の好みのアイテムが、家のいたるところにさりげなく置かれます。
「ここに来るのが、どんどん楽しみになってきています」と話すご主人に、奥様が「いつも『もっといたいね』と、言いながら大阪に戻るんですよ」と続けると、おふたりで微笑み合いました。
リタイア後を見据えた、ご夫妻の「新生活」は始まったばかり。今後ますます豊かなものとなっていきそうです。