木の家 No.116
初めて見たときに「いつか、この家に住むんだ!」と直感しました
木の家 | 2018.3.5
JR武蔵野線の三郷駅から車で約10分、閑静な住宅街の一角に「木の家」I邸はあります。
Iさんご一家は、ご夫妻と愛猫。奥様が生まれ育った埼玉県三郷市に約2年前に家を建てました。
「10年ほど前でしょうか。『無印良品の家』のホームページで『木の家』を見たときに『私はいつか、この家に住むんだ!』と直感しました。当時は関西に住んでいて、土地も持っていないし、パートナーもいなかったんです(笑)。でも、この家で生活するイメージがくっきりと浮かびました」。
「木の家」との運命的な出会いを振り返る奥様。その後、郷里に戻り、ご結婚。
そしてある日、ご主人に「一緒にこんな家に住みたい」と話しました。
「家内から話を聞くまでは、無印良品が家をつくっていることも知りませんでした」というご主人。
ところが奥様に連れられて、無印良品の家 松戸店へ行き、モデルハウスを見て興味を持つようになりました。
「吹き抜けがあるなど、開放的な雰囲気がいいな、と感じました。間取りを自分たちで考えられるところも良かったです。部屋をいくつもつくって家を細かく仕切るのではなく、ひろびろとした間取りの家にしたい。見ているだけで、そんなイメージが湧いてきました」。
さらに、SE構法の安全性を独自に調べたり、「初めての家づくり講座」に参加したりしながら、「木の家」に対する理解を深めていきました。
その過程で他のモデルハウスも見学しましたが、「シンプルにして、必要なものはちゃんとある。普段から愛用している『無印良品』の家なら間違いない」と、ご夫妻そろって、「木の家」に住むことを決めました。
I邸の間取りは1階にリビング、ダイニング、キッチン、水まわり。2階はご夫妻の寝室を中心に据えました。
「家族が増えたり、親と同居するようになったら、壁を追加して部屋を新たにつくればいいですから」とご主人がいうように、「いま、必要な部屋」だけを設けた間取りは、担当者たちと何度も打ち合わせを重ね、ご夫妻の理想に近づいていきました。
「実は、当初は予算重視の図面を描いてもらったのですが、やはり考えていたものとは違ってしまって。そこで自分たちの理想を重視する方向に切り替えて、つくり直してもらいました」。
そう語る奥様が、ひときわ気を配ったところが「動線」。
例えば家に帰ってきて、どこで上着を脱ぐのか、鍵はどこにしまうのか…。ご夫妻の毎日の「動き」を明らかにして、廊下の長さから、化粧品を置く棚の大きさまで、心地よく暮らせるディテールを追求しました。
「ふたりの動線がわかると、さまざまなものの配置が自然に決まっていきました」。そう声を揃えるご夫妻それぞれに、思い入れの深い部分もあります。
料理好きの奥様はキッチンまわり。ステンレスのシンプルなキッチンの後ろの棚には、整然と食器や調味料が揃えられています。
「見た目は綺麗に、それでいて使いやすくというバランスを考えました。食器はもとより、調味料や乾物の種類や数、使用頻度をもとに、棚を配置しました」。
お気に入りに囲まれたキッチンで料理を心ゆくまで楽しみたい。そんな思いで完成させた空間。仕事が忙しくて帰りが遅くなっても、「ここで料理をすることが、ストレス解消になります」。
ご主人は1階の床材。
「幼稚園のころから高校時代まで剣道に熱中していました。モデルハウスでこの床材に足を置いたら、道場の床の感触と似ていて、とてもしっくりときたんです。1階は一番長い時間を過ごす場所。『これしかない』と決めました」。
理想と思い入れを詰め込んだ家。その住みごごちにもご夫妻は納得しています。
「一番感じたのは、冬の家の暖かさですね。大きな窓から入ってくる日差しの効果もあって、晴れた日の休日はひときわぽかぽかしています」(ご主人)。
「夫婦で同じ職場に勤めているのですが、猫がいることもあって、エアコンを自動運転にしています。帰宅すると、ほんのりと家中が暖かいのにほっとさせられますね」(奥様)。
断熱効果もあり、24時間エアコンが稼働していても、以前住んでいた集合住宅と比較すると冬期の電気代はほぼ半額になったそうです。
ライフスタイルにも変化が生まれました。
「休日に家にいる時間が長くなりました。庭の手入れをするのが楽しくて。家の居心地をもっと良くしていきたい、と自然に思うようになりました」(ご主人)。
「以前は外出して、新しい刺激を取り入れることが楽しかったんですけど、いまは家での日常生活が趣味。ものを購入する際も『この家に必要かどうか』をより厳選するようになりました。自由に購入しているのは観葉植物だけですね(笑)」(奥様)。
そんなご夫妻の日々のリラックス方法は、映画や音楽の鑑賞。
音響システムにも気を配った、リビングのソファに座っての大切なひとときです。
「お酒を飲みながら、鑑賞していると、リラックスしすぎていつの間にか寝てしまう。だから最近、映画を最後まで見たことがないんです」そう笑うご主人が、さらに語ります。
「いままで、家内が『いい』といったもので『違う』と感じたものはひとつもありません。この家もそうです」。
時間をかけて見つけ出した「心地よさ」に寄り添ってくれる。それがIさんご夫妻にとっての「木の家」という存在のようです。