木の家 No.95
無印良品の家は理想的なスペックでした
木の家 | 2016.10.11
広島県福山市、福山駅から車で30分程の、山や川に囲まれた長閑な住宅地に建つ木の家O邸。Oさんご夫妻は2人暮らし。ご主人は自宅から車で15分程かけて通勤。奥様も1年程前から、近くの会社で働きはじめたのだとか。職住接近の理想的な生活環境を手に入れたOさんの家づくりエピソードをうかがいました。
Oさんが無印良品の家を知ったのは、いまから10年程前のこと。ご主人がテレビのニュース番組で取り上げられているのを見たのがきっかけでした。
「学生のころからよく利用していた無印良品がいったいどんな家をつくったんだろうと興味を持ちました」と話すOさん。コンセプトが印象に残ったものの、そのころはまだ家を持つなんて先のことだと思い、とくに深く調べることはなかったそうです。
それから程なくして中国へと転勤になったOさん。約4 年の勤務を経て、?本に戻ることがきっかけとなり、住宅の購?を検討し始めました。
「それで思い出したのが、以前テレビで観たことのある無印良品の家。いずれは日本に戻って暮らす予定だったので、そのときに備えてインターネットで調べはじめました」(ご主人)。
調べていくうちに、ご主人はあることに気づいたそうです。「僕は会社で長年携わっている仕事の1つに、工場の建物の仕様を検討し提案をする仕事があるのですが、無印良品の家の標準仕様は工場を建てる際にクリアすべき項目が全部入っていました」というご主人。
「例えば強度を保つための分厚いベタ基礎や、外壁のメンテナンスが不要なガルバリウム鋼板。また、工場は大きな設備を自由に配置できるように、柱を少なくして広い空間をつくるのですが、無印良品の家は木造でありながらSE構法によってそれを可能にしていました。換気や採光のこともよく考えられていて、断熱性能も高い。そして、それらをローコストで実現している点がとても魅力的だと感じました」(ご主人)。
無印良品の家のウェブサイトを隅から隅まで見たというご主人は、実物を見たいという思いが募ります。
「日本に一時帰国するチャンスを狙って、実家のある愛媛県から比較的近いモデルハウス(岡山店)を訪れました。初めて見る木の家は想像していた以上に良かったですね。これしかないと確信しました」というご主人ですが、奥様は当初あまり乗り気ではなかったようです。
「私は家といえば西洋風の豪華な設えのイメージでしたから、無印良品の家はシンプルすぎて素っ気なく見えてしまいました」と奥様。
それでも、ご主人は奥様を説得し続けたといいます。「外観は冷たく見えるかもしれないけど、暮らすのは中だからと説得しました(笑)」(ご主人)。
「確かに室内は暖かみがあって好きだったので、半分妥協しつつも最後は納得しました(笑)」(奥様)。
それから数ヶ月後、日本への帰国が決まり、いよいよ家づくりがスタート。
「プランニングは、ある程度打ち合せをした上で、設計担当者にほぼお任せしました。プロに任せた方が良いものになるに違いないと考えたからです」というご主人。
「土地は建物の概要を決めてから探しはじめました。普通は順番が逆だそうですが、僕は自分が欲しい建物に合わせて土地を探す方が合理的だと思いました。偶然にも会社の先輩が所有している土地を入手することができ、スムーズに進めることができました」(ご主人)。
O邸のプランは、1階にリビング、ダイニング、和室。2階に寝室、フリースペース、水まわりがあります。玄関の広い土間スペースはご主人の希望で実現。
「園芸用具など、外に置いておきたくないけど室内に入れるのも嫌だというモノを収納するのに便利です。僕の実家は古い日本家屋で土間があったので、自然とそういうスペースに馴染んでいたのかもしれません」(ご主人)。
キッチンや広い洗面台は奥様の希望。「キッチンが広くて使いやすい。IHだと中華鍋が振れなくなると思ってはじめ抵抗がありましたが、いまはすっかり慣れました(笑)。水まわりを2階にしてもらったのは良かったです。洗濯して、バルコニーに干してクローゼットに収納するまでの動線が短くて、家事がとても楽になりました」(奥様)。
「とにかく住み心地の良い家ですね」と声をそろえるご夫妻。
「室内が明るいので、日中はほとんど照明なしで過ごせます。毎日、朝陽で目が覚めるようになったのは、この家に住みはじめてからの大きな変化です。自然のリズムと体が調和してるんだと思います」と話すご主人。
「掃除も整理整頓も楽ですね。そういう点でも暮らしやすいですね」と奥様も満足の様子でした。