木の家 No.88
ゆるやかにはじまった家づくり
木の家 | 2015.12.15
岡山県高梁市、岡山駅から車で走ること約1時間。さらに山道を上っていくと、見晴らしの良い山の中腹に見えてくる木の家S邸。「この家から見る眺めが最高なんです」と言って、ご夫妻はにこやかに迎えてくれました。Sさんご一家は、ご夫妻と現在10歳と7歳になる男の子の4人暮らし。ご主人のお仕事は家具などを製作する職業で、自らデザインすることも多いのだとか。「玄関の下駄箱は自分でつくりました。この家に合う家具をいろいろつくりたいと思って、構想を練っているところです」とご主人は楽しそうに語ります。
そんなSさんの家づくりは、特別なきっかけがあったわけではなく、緩やかにはじまったといいます。
「実家から少し山を上がったこの場所は、以前は畑として利用していました。眺めも良く家を建てるのに良さそうだなと思い、親から譲ってもらうことになったんです」(ご主人)。
住宅購入を考えはじめて、まず頭に浮かんだのが無印良品の家だったというSさんですが、その出会いは数年前に遡ります。
ご主人が、モデルハウス(岡山店)の近くで友人と食事をしていた際に偶然目にしたことがそのきっかけでした。
「外から眺めただけでしたが、カッコいい家だなと思いました。そのときは、まさか自分が将来建てるとは思いもしませんでしたが」というご主人。
「でも強く印象に残りました。家づくりを検討している友人に勧めたりしたのを覚えています」とも。
ご家族でモデルハウス(岡山店)を訪れたSさん。
そのときの印象を奥様はこう振り返ります。「おしゃれ!外からの見た目と、シンプルで開放感のある室内のギャップが良かったです。はじめて見たモデルハウスなのに、不思議とそこでの生活がイメージできました」(奥様)。
ご主人は「建具の収まりが面白いなと感心しました。間仕切りも自由自在にできそうだなと直感的にわかりました」といいます。また、「モデルハウスに値段が表示してあったのもわかりやすくて良かったです。住宅の見積ってけっこう面倒ですからね」とも。
もともと、家に対して強いこだわりは無かったというご主人は、こう言います。「街なかにある住宅とか、ハウスメーカーが建てる家にはあまり惹かれませんでした。無印良品の家は、いわゆる一般的な家とちょっと違うけど、全然違和感がなかったんですよね。スッキリしていて潔い。これで十分なんじゃないかなと思いました」(ご主人)。
ほとんど迷うこと無く購入を決めたSさんですが、ご両親に話すと心配されたといいます。
「母は『無印良品の家があるの?』と驚いていました。父に至っては無印良品を知りませんでしたから、そんな会社で大丈夫なのかと(笑)。図面を見せて説明したりして、最終的には納得してくれましたけど」(ご主人)
「プランニングに関しては、ほぼ設計担当にお任せでした。母からは、吹き抜けを無くせばもう一部屋つくれるんじゃないかと言われましたが、吹き抜けがこの家の良さですからね」と語るご主人。
奥様は「平面図を見ても正直ピンとこなかったです。でも、実際に出来上がっていくと、思っていた通りの大きさで、イメージしていた通りだったので安心しました」といいます。
「工事が始まると、子供たちは毎日のように現場を見に行っていて、職人さんたちともすっかり打ち解けていましたね」(ご主人)。
S邸の間取りは1階にリビング、ダイニング、キッチン、水まわり。洗面室から繋がる収納には衣類などを収納。2階は寝室とクローゼット、フリースペースは子供部屋として利用しています。
「室内のこのスコーンと抜けた感じが気持ち良いですね。家族の様子が一目でわかるのも良いですね」とご主人。
キッチンとスケルトン階段は必ず実現したかったという奥様、「キッチンがリビングの方を向いているので、家族の様子を見ながら料理ができるところも良いですね。作業スペースも広くて気に入っています」。また、「この家で暮らしはじめてから家族一緒にいる時間が増えて、会話も多くなったなと感じています」と微笑みます。
「家に遊びにくるママ友から評判も良いですよ。子供の友達も家の中や、裏山でのびのびと遊んでいます」という奥様に「そうそう子供たちは家中をミニカーのコースにして遊んだりして楽しそうですよ」と続けるご主人。
家の性能にも満足しているというSさん。
「オール電化にしていて、電気料金は冬の一番寒いときでも2万円くらい、夏はだいたい1万円程度です。だいぶ安くなったと思います」(奥様)。
「以前、電気の点検に来た方からも、暖かい家ですねと言われたことがあります(笑)。あと夏と冬の日差しの入り方が全然違うんです。家を建てる前に見せてもらった温熱シミュレーションは本当だったんだなと驚いています」(ご主人)。
「将来は畑で野菜を育てたりもしたいです」という奥様。
ご主人も「子供と一緒にできることもいろいろやりたいですね」とにこやかに語ってくれました。