木の家 No.75

ピアノとバーカウンターのある木の家

木の家 | 2014.11.25

東京都あきる野市。東京の西部に位置し、今も豊かな自然が残る地域。「圏央道が開通してからは、日帰りでサーフィンに行けるようになりました」と語るのはMさんご夫妻。

Mさんご夫妻が暮らす木の家は、駅から車で10分程、幹線道路に面した住宅地にあります。
幹線道路沿いを選んだのには理由があります。お酒を飲むのが好きというご夫妻、将来、自宅の一角を利用してバーをやりたいという夢があり、ある程度人目につく場所が良かったのだとか。

■建物概要
ご住所:東京都あきるの市
竣工年月:2013年11月
延床面積:99.37㎡(30.05坪)
■ご家族構成
ご夫婦

Mさんと無印良品の家との出会いは今から数年前、結婚することが決まり、新居を探していたころのこと。「インターネットでたまたま見つけてピンときました」という奥様は「さんざん、いろいろなタイプの家を見て、ちょっと疲れていたときに無印良品の家のシンプルなつくりを見てハッとしました。それまで持っていた”家”のイメージを覆されました。まるでショールームみたいというのが第一印象」と語ります。さっそく帰宅したご主人に「良いの見つけたんだけど」と伝えた奥様。ご主人の反応は?「正直、それほど良いのかどうかすぐには判断つかないですよね。それでも、妻を納得させるために一度モデルハウスを見に行こうと言いました。家づくりに関してはある程度、妻に任せようと決めていましたから(笑)」といいます。また「いろいろなモデルハウスを見る中で、建て売りでは自分たちのライフスタイルを実現することが難しいのかなと感じていた時期だったので、ちょうど良いタイミングだったのかもしれません」とも。

思い立ったらすぐ行動というお二人、数日後にはモデルハウス(八王子店)を訪れます。「まず、外観を見てちょっと不安になりました。思った以上にただの箱だったので、これ大丈夫かなと(笑)」という奥様、「でも中に入るとまったく別の空間。そのギャップに衝撃を受けました」と語ります。

「窓が大きくて気持ち良いけど、プライバシーは大丈夫かなとちょっと不安でした」と語るご主人に対し奥様は「私はむしろ、開放感があって素敵!と感じました。性格が正反対なんです、私たち(笑)」と。

その後、完成した物件なども見学したご夫妻。
「プランニング次第でいろいろなことができることがわかりました」というご主人、「実際に無印良品の家を建てた人の家を訪ねた『家に会いに。』という本も見ました。様々なタイプの家が載っていて参考になるけど、これは少し特殊な人が住む家なのかなという気もしました。でも妻は、それほど自由度が高いっていうことね、とそれもポジティブに捉えていました(笑)」(ご主人)。

こうして、住宅購入への気持ちが固まっていったご夫妻。

「建てることが決まったものの、貯金がぜんぜんありませんでした。でも、なんとか住宅ローンが利用できるとわかり、未来が開けた感じで気持ちが明るくなりました」(ご主人)。

しかし、Mさんご夫妻は家を建てるにあたって、当初予定していた土地を使うことができなくなり、一度は購入を諦めかけたこともあるのだとか。
「土地をゼロから見つけるのは大変だし、一旦お断りしようと思いモデルハウスに行きました。でも、そこで担当者から『土地ならすぐに見つかりますよ』と言われ、気軽な感じで土地探しをしてみることにしました。そうして出会ったのがこの場所でした」(ご夫妻)。

土地が決まると、あとはトントン拍子で進んでいったMさんの家づくり。

「家が出来上がっていく過程が楽しかったです。構造だけの状態がすごく美しくて、壁で隠してしまうのが残念なくらいでした(笑)」(奥様)。

M邸のプランは、1階にキッチン、リビングと奥様の仕事部屋。ピアノの調律がお仕事という奥様、仕事部屋をつくることは必須条件だったといます。

2階には寝室、水まわり、ダイニング、フリースペース、収納スペースがあります。

M邸の一番の特徴は、キッチンに設置されたバーカウンター。
「将来はここでお店をやりたいと思っています。だから1階は生活感を出さないように水まわりやダイニングは2階にしました」(ご主人)。

「私たちが実現したいことはすべてこの家に盛り込むことができました。当初の予定より建物が大きくなり、予算も膨らみました。働きがいがあります(笑)」

と、やはりポジティブな奥様。

1年ほど暮らしてみて住み心地はいかがでしょうか?

「冬は1階のエアコン1台で2階まで十分に暖まりました。窓が大きいので、家の中に日だまりができて気持ち良かったです」。
「2階の水まわりから洗濯物干し場への動線がとくに上手くいったなと思っています。家中の掃除が楽なのも良いですね」と奥様。

ご主人のお気に入りは、調光式のライト。「夜は少し照明を落とすと良い感じなんです。仕事から帰ると、まずカウンターに座ってお酒を飲みます。それからゆっくり食事をしたり、DVDを観たりして過ごします」(ご主人)。

「ピアノを弾きながらゴスペルを歌うのが最高に気持ち良いです」という奥様。

すぐにでもバーとして営業できそうな雰囲気。

「この家で暮らしはじめてから、外に飲みに行くことが少なくなりました。家にいるほうがいいですからね(笑)」と語るご夫妻。お二人にとってはもちろん、初めて訪れた私たちにとっても、リラックスできる素敵な空間でした。