木の家 No.45

内と外とのつながりを大切に考えました

木の家 | 2011.6.28

まるで木立の中にリビングルームがあるような開放感。
「もちろんそれを狙いました」(ご主人)。「どうしても外部と室内を一体にしたかった」(奥様)。
琵琶湖畔に完成したK邸は、周囲の豊かな自然を採り込むため、開口部の計画に工夫を凝らした「木の家」です。

■建物概要
ご住所:滋賀県彦根市
竣工年月:2010年12月
延床面積:84.46㎡(25.54坪)
■ご家族構成
ご夫婦+お子さま2人+猫4匹

「子供の頃は京都の市内で暮らしていました。当時はまだ自然は残っていたけれど、朝、表に出て朝顔が咲いているのを見て、そのまま空を見上げると頭上は電線だらけだった。電線嫌いなんですよ。それで家を建てるなら電線が目立たない山の中か湖畔がいいと思っていました」(ご主人)。
新築の計画はまず土地探しからスタートしたのですが、現在の土地はご夫婦で琵琶湖畔の土地を見て回っている最中、気になる物件を見つけ、その場で不動産業者へ携帯電話で連絡して即決したとか。理想や目的がハッキリしていると判断も早いのですね。

「『無印良品の家』のモデルハウスに行ったのはそのすぐ後かな。無印良品ファンの妻が『無印良品の家』はかわいい。中もきっとかわいいはずだ……って。ぼくはひやかし半分でしたけどね」。Kさんは家の外観の格好良さよりもインテリアや性能を重視するタイプ。「中に入ると豪華に見せるための装飾はないし、SE構法の構造もキレイだった。外張り断熱など性能面を重視している話を聞いてさらに納得。一生暮らす家だから見た目の格好良さだけでは踏み切れなかったと思います」。

設計で重視したのはもちろん、豊かな自然との関係をどう築くかでした。特に注意した個所は、二方向に大きな開口部がある階段まわり。自然に向かって視野を開く開放感と、階段を上り下りする間で変化する風景は、この家ならではの特長です。
「階段に座って読書を楽しんでいる時、とても充実感を感じます。テレビを観なくなりました」(奥様)。「前はテレビは点けっぱなしだったのにね。ぼくも会社から家に帰ると、何だかわくわくするんですよね。だから早く帰宅するようになった。以前は暮らしていた京風の町家は、風情はあるけど寒いんですよ。休みの日はほとんど外出していた。でも今はとても気持ちが良いので家にいることが多いです」(ご主人)。

では、新居で特にお気に入りの場所は?
「私はキッチンからの眺めですね。それと先ほども言いましたが階段での読書」(奥様)。一方、ご主人は「景色を見渡せるリビング。空もよく見える。夕暮れ時の真っ赤な空も良いし、夜の空がものすごくキレイなんですよ」。
「木の家」で暮らしてからKさんは、就寝時も寝室のカーテンは閉めないそうです。「目覚めや寝起きの気分がとても良い。夜もよく眠れるようになりました」。自然を積極的に採り込みながら暮らすライフスタイルが、Kさん家族に心地よい日々の生活のリズムをもたらしてくれたようです。

※掲載写真は取材時のものであり、現在はご採用いただけない仕様もございます