木の家 No.17
コナラの木がシンボルツリー。パリの蚤の市で購入したポスターをディスプレイ
木の家 | 2008.10.7
M様邸の玄関を入ると、20世紀の名作家具や照明器具でまとめられた明るいリビングルームが広がります。壁にはパリの蚤の市で購入したポスターをディスプレイ。「今まで集めてきた家具やポスターをやっと活かせる空間ができて満足です。家具の配置もしやすかった」と言うご主人。眼鏡に適わないモノは置かず、室内の調度品や小物すべてにMさん夫婦の思いが込められている、住み手のこだわりが感じられる「木の家」です。
「以前、テーブルをオーダーした時、どうしても自分の思い通りにならない不満が残ったことがありました。私の希望がどれくらい伝わっているか分からない。同じように住宅設計を建築家に依頼しても不満が残るのではないかと思っていました。そんな時に無印良品の家のモデルハウスを見て、ここなら間違いがないかなと。無印良品は製品のデザインや考え方に信頼感もありましたし、最高級の家はできないかも知れないけれど、私たちが満足のいく住まいはできると思いました」とご主人。家づくりでは間取りや仕様の確認だけでなく、細かいパーツの一つまでチェックするのは大変。「メーカーの住宅はドアノブやレバーの質感が心配。でも無印良品の家はそうした部分の品質やデザインが納得できるものでした」。
子どもが喜ぶような面白い家を造りたいと考えていたMさん夫婦は、住宅に高級感は求めていなかったと言います。「だから総合展示場のモデルハウスを見ても不満の言葉しか出なかったですね」と奥さまは当時を振り返ります。
「実は、私は『窓の家』が良いと思っていました。開口部が大きなことに抵抗があったので。でも実際に暮らしてみると、ブラインドを閉めると気にならないし、幹線道路が近いのに音も気になりません。両親が外観を見て驚いていた様子でしたが、中に入って木の質感にほっとしたと言っていました」
外観のシルバーと、インテリアの木のギャップも面白いと奥さまは感じたそうです。
「主人の頭の中には理想の空間があり、標準仕様で納得しない部分も多かったので、もっぱら予算チェックが私の役目でしたね」と笑う奥さま。新居が完成する前は、すぐ近くの集合住宅で暮らしていたので、現場にもよく足を運んだそうです。「建設途中の構造や配管までキレイだった。見えないところまで丁寧に造っているのだと思いました」とご主人。8月末に引っ越しを終え、9月にはシンプルにまとまったオープンスタイルの外構工事も無事完了。芝がきれいに張られた庭には、建物の高さを優に越えるコナラの木がシンボルツリーとして植えられています。
「実際に住みはじめてから、主人が夜、突然いなくなることがあるんですよ」と奥さま。
「窓から光が漏れる夜の佇まいもキレイですから、遠くからこの家を眺めているんですよ」とご主人。木の家が見せる様々な表情を楽しんでいるそうです。
「私は無印良品の家は進化の途中だと思っています。ディテールのデザインやオプションの選択肢など、無印良品ができることはまだあるはずですから」。と今後への期待のお言葉もいただきました。