もしものときに、自宅で避難生活を送る「在宅避難」を選択できる家

住まいのかたち | 2022.8.30

9月1日は「防災の日」。みなさんは「在宅避難」という言葉をご存じでしょうか。地震などの災害が発生したとき、自宅に倒壊などの危険性がない場合に、 自宅で避難生活を送る方法です。
大きな災害があった際は近くの避難所へ集まることが一般的でしたが、コロナ渦のいま、大勢の人が避難所へ集中することを防ぐため、自宅に留まる「在宅避難」を官公庁や一部の自治体でも推進しています。
プライバシーや快適性の観点からも、普段の生活と変わらず自宅で家族だけで避難したいという方が増え、いま注目されている考え方です。

「在宅避難の必要性を感じる」人は約65%の一方で、「自宅で安全・安心に過ごす自信がある」人は約30%にとどまり、十分に対策が出来ている方は決して多くはないようです。
その前提に立って、地震への備えを、住まいづくりの段階から考えておく必要があります。
(株式会社エヌ・シー・エヌが実施している、“耐震・地震に関する全国意識調査”より)

今回は、もしものときに、自宅で避難生活を送る「在宅避難」を選択できる家について、
「事前防災」「事後防災」という2つの切り口から考えたいと思います。

耐震・地震に関する意識調査 2020 株式会社エヌ・シー・エヌ調べ

「在宅避難」のために必要な「事前防災」:住宅の耐震性

「事前防災」とは、地震などの災害が起きても被害を最小限にするよう対策することです。
耐震性が高い家づくり、自治体が公開しているハザードマップを確認し、リスクの少ない土地を選ぶなど、住まいを決める段階で考えないといけない要素が多いです。
みなさんは、お住まいの戸建やマンションなどの耐震性についてどれくらいご存じでしょうか。一例として「建築確認日」を基準に耐震性を確認してみてはいかがでしょうか。

日本では、建物を建てる際の基準が「建築基準法」で定められています。
この建築基準法は巨大地震の発生などによって見直されてきました。1981年5月31日までは「旧耐震基準」であり、震度5程度の中規模な地震があっても、建物が倒壊しないような強さが求められていましたが、震度6~7の大規模地震での規定は存在しておらず、耐震補強を実施していない建物は倒壊の危険性が高いとされています。

その後新たに耐震基準が見直され、震度5強程度の地震に対しては軽微な損傷で済むこと、震度6強から7に匹敵する大地震が起きた場合でも倒壊しないこと、つまり大地震の際にも人命が守られるような強さが求められましたが、2000年5月31日までに建築確認済住宅は現在の基準を一部満たしていない要素があるといわれています。2000年6月から現在までに建築確認が行われた住宅は現行の基準であり、おおむね安心といわれています。

これらはあくまで建築確認日に基いた基準であるため、これを機に自分が住んでいる建物がどういった構造か確認してみてはいかがでしょうか。

無印良品の家では、強度実験で品質が保証された集成材で骨太の柱梁を構築し、長寿命で耐久性の高い金物で接合するSE構法を採用し、地震に対する強さ、構造の頑丈さを、一棟ごとに構造計算で証明しています。

詳しい内容は、こちらのコラム「地震に強い家づくり、無印良品の家がこだわる『構造計算』って何?」をご覧ください。

「在宅避難」のために必要な「事後防災」:備蓄品や避難動線の確保

事後防災とは、地震などの災害が発生しても困らないように対策することです。まずは自宅で過ごせるだけの水や食料品といった保存食、日用品などの避難グッズを揃えることが挙げられます。防災のために特別なものを用意するのではなく、できるだけ、普段の生活の中で利用されている食料品や日用品を備えることが推奨されています。
一般的に、飲料水、非常食だと3日分、大規模災害発生時には1週間分の備蓄が望ましいとされています。

このようにどんな保存食を備えておこうかを考え、実践されている方は多くいらっしゃると思いますが、いざ置く場所を考えると避難動線に適さなかったり、取り出しやすい場所がなかったりすることはないでしょうか。空いている収納や納戸にとりあえず保存しておく、だけでなく、災害が起こった際に、自宅のどこに避難するのか、その場所から備蓄品は取り出しやすいのか、も考えておかないといけません。

無印良品の家は耐震性が高いので、どこに保存食や非常用備品を備蓄しておいても問題ありません。さらに、間取りや収納など空間の使い方を変化させることができるので、非常時やその後しばらくの過ごし方を想定した収納場所を自由に選択できます。

在宅避難を選択できる家にするために:くらしの備え

また、無印良品では、生活用品を通して災害時の知識や技を発信しています。知識もモノも食料品の買いおきが常にある、日頃から携帯電話の予備電源を持ち歩く、信頼できる情報もとを知っておくなど、小さな積み重ねで一人一人の備える力を高めていくために取り組んでいるものです。

今回の自宅のことだけでなく、避難の際に情報源をどこから入手するのか、大切な人の電話番号など、改めて「知って備える」ということや、食料品や日用品だけでなく、道具や衛生用品などの「必要なものを備える」こと、備えに必要なアイテムのご紹介など備えに対するさまざまな情報を発信しています。

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※写真の一部商品は、旧商品のため現在販売していないものもございます。また、一部は他社の商品となります

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具体的に避難のために知って備えておくこと、備えに必要なもの、もしもに備えるためのチェックリストなどを発信してますので、ぜひ行動のきっかけにしていただければと思います。チェックリストはコチラ