家の外に玄関がある家

住まいのかたち | 2012.9.11

前回のコラム「小さな家・小さな水まわり」では、皆さんからたくさんのご意見をいただきました。
このご意見の中で、「この家の玄関はどこ?」「小さい」「基本がなっていない」とのご指摘をいただきました。そこで今回は、玄関について少し書いてみようと思います。
この家の玄関は、確かに玄関という、いわゆる靴を脱ぐ場所が定まっていません。そういう意味では特殊な家だったと思います。

玄関の扉はありますが、いわゆる玄関がまちがなく、リビングと玄関がひとつづきの床になっています。小さな家ですが、外部のテラスデッキを広くとって、外部と内部が一体につながるように考えてみました。玄関からだけではなく、リビングからも出入りできるようになっているのです。
小さな家をつくるとき、玄関を独立した空間にすると狭くなってしまうということ、もうひとつは、大きな庇(ひさし)をつけて、家の外と中を玄関で区切るのでなく、デッキテラス全体で仕切ってみようと考えたのです。玄関を閉じるのでなく、外に対して開いていくという考えです。

かつての家の縁側のように、リビングに面したデッキで外の人とちょっと話したり、お茶を飲んだりと、家の中を外にまで拡張してみました。季節のよいときには窓を開け放して風を感じ、外の音や光を肌で感じてみたいと考えました。
たまには食事も外でしたりと、家の外と内をもっと近い関係にしてみたのです。友人を呼んだりしてのパーティーもいいですね。

この小さな家は以前、くらしの良品研究所の「 外ぐらし小さく建てて大きく暮らす 」というコラムで、紹介したことがあります。家の外をリビングのように使うこと、「リビングエントランス」という考え方で、家の玄関を外に開いていったのです。
いかがでしょうか。皆さんのご意見をお寄せください。