マンションの買い替えについて教えてください

リノベーションなんでも相談室 | 2022.7.12

ご質問

家族が増え、5年前に購入したマンションが手狭になってきました。マンションを買い替えて、リノベーションもしたいと考えています。買い替えの進め方や注意点を教えてください

ライフスタイルやライフステージの変化に合わせて住み替えやすい、というのはマンションならではの魅力です。このところのマンション価格の高騰も手伝い、「高く売れるなら」と、買い替えを具体的に検討している方が増えているようにも思えます。

今回は、買い替えをともなうリノベーションのスケジュールや注意点について、自身も買い替え+リノベーション経験を持つ宅地建物取引士の“こっしー”が解説してまいります。

買い替え+リノベーションのスケジュール

買い替えの際には「現居の売却」と「新居の購入」が必要となりますから、どちらを先に進めるか、住宅ローンはどのように組むのか、など検討事項が山ほどあります。そこに「新居のリノベーション」も重なるとなれば、その大変さは想像に難くないと思います。図1には、買い替え+リノベーションの3つのパターンを載せておりますので、まずはそれぞれの特長について見ていきましょう。

図1. 買い替えの3パターン

(1)売却先行の場合
現居の売却を完了させたのちに、じっくりと新居を探せるのが、売却先行型です。売却による損益が確定した状態で新居の購入に進めるので、資金計画が立てやすくなります。また、現居の売却により住宅ローン借入が無くなりますから、新居の購入のための住宅ローンが組みやすくなります。一方、先に売却が完了してしまうので、現居の引き渡しから新居のリノベーション完成までの期間については、賃貸への仮住まいが必要になります。

(2)購入先行の場合
新居の購入とリノベーションを完了させたのちに、時間をかけて現居を売却できるのが、購入先行型です。この場合は仮住まいが不要となるので、引っ越しは現居から新居への1回のみで済みます。注意すべきは、新居の購入から現居の売却完了までは2つの住宅ローンを抱えることになる点です。売却が長引けば長引くほど、二重払いの期間が長くなり、家計を圧迫することになります。また、新居の購入時点では現居の売却金額が確定しない点、このような二重の住宅ローンを扱っていない金融機関もある点についても注意が必要です。

(3)同時並行の場合
現居の売却と新居の購入を同時並行で進める方法もあります。結果的に売却と購入のどちらが先になるかはケースバイケースですが、図2のモデルケースのようにうまくタイミングを合わせることができれば、引っ越しは1回で済みますし、二重払いの負担も軽減することができます。上手なスケジューリングのためには、現居の売却額の最低ライン、希望条件の新居が見つかる可能性などについて、初期段階できっちりと話を詰めることが大切です(図2-①)。また、現居の売買契約から引き渡しまでの期日を長く確保する必要がありますから(図2-②)、それも踏まえた売却戦略を立てるとよいでしょう。

図2. 同時並行のモデルケース

それぞれのタイプに向いている人

今回のご質問者は、手狭になったことが買い替えのきっかけということですが、買い替えの理由や懐事情は人それぞれです。買い替えの3パターンについて、それぞれどのような人が向いているのかについて考えてみましょう。

(1)売却先行が向いているケース
毎月の住宅ローンの支払いが苦しくなったことを理由に、より安いマンションへ買い替えたい場合は、売却先行がおすすめです。万が一住宅ローンの延滞をしてしまうと、信用情報にも傷がついてしまいますから、家計のやりくりで改善する見込みが無ければ、早めに売却してリセットするとよいでしょう。その上で、適切な支払額についてファイナンシャルプランナーさんとも相談しながら決めてみましょう。

また、現居の売却によって得た資金を新居の購入に充てる場合で、立地条件などによりすぐに売れるか不安がある場合も、売却先行が安心です。先に売却を完了させてしまえば、いつ売れるか・いくらで売れるかなどは考える必要もなくなります。

(2)購入先行が向いているケース
住宅ローンの残債が少ない(またはない)、十分な自己資金があるなど資金的な余裕がある場合と、現居の売却を急がなくてよいという時間的な余裕がある場合は、購入先行でよいでしょう。資金的・時間的余裕があるということが前提になりますが、現居の室内にものが多かったり、散らかっていたりする場合も、現居を空っぽにしてから売却活動ができる購入先行が向いているかもしれません。

売却の話を進めるまえに「これだ!」という新居候補の物件に出会うこともありますが、そのような出会いがあった場合も、無理のない計画なのであれば、購入先行で進めてもよいでしょう。中古マンションはすべて一点ものですから、よい出会いは大切にしましょう。

(3)同時並行が向いているケース
この場合でも住宅ローンの二重払いは発生してしまうので、資金的に余裕がない方にはおすすめできません。そのうえで、買い替えをなるべく短いスケジュールで完了させたい人、仮住まいや二重払いなどの余計な出費を減らしたいという人は、売却と購入を同時並行で進めるとよいでしょう。短い期間に決めなければいけないことは増えますので、プロジェクト管理が得意な方、意思決定が早い方などは、とくに向いているかもしれません。

その他の検討事項も考える

買い替えにおいては、税制についても考える必要があります。現在の制度では、マイホームの売却の際に発生した譲渡益については3,000万円の特別控除が受けられます。この特別控除は、住宅ローン控除との併用ができない制度ですので、譲渡所得の控除と住宅ローン控除のどちらを利用した方がお得かなども検討してみるとよいでしょう。ほかにも、所有している期間に応じて、売却時の譲渡税の税率が決まりますので、それらも考慮した資金シミュレーションを立ててみるとよいでしょう。

最後に、今回は手狭になったから住み替えを考えているということですが、もしかしたら買い替えではなく、現居のリノベーションで解決できるのではないか、ということもあわせて考えてみてもよいかもしれません。以前のコラム「家族3人、50m²台で暮らせるでしょうか?」において、空間をゼロからつくれるリノベーションであれば、コンパクトなお部屋でも十分に暮らせることを解説しました。ひょっとしたら、ご質問者のお宅でも、リノベーションによって課題を解決できるのかもしれません。

今回は、マンションの買い替えとそれに伴うリノベーションについて解説しました。資金的に無理がなければ、売却・購入を同時に進めていくことが最も合理的ですが、その場合は買い替えのスケジュールや売却戦略を綿密に不動産仲介の方と打合せしてみてください。無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」では、具体的な資金計画から物件探し、設計・施工までワンストップサービスを提供しています。ご興味を持たれた方は、リノベーションセミナーや相談会にお越しください。

持家のある方でリノベーションをお考えの方には、7月15日(金)より大相談会を開催します。

みなさんからのご質問もお待ちしています!/

リノベーションなんでも相談室

“こっしー”プロフィール

無印良品のリノベーションで働く、“こっしー”こと大越 翔は、自身の自宅も含めて100以上のリノベーションを担当。
宅地建物取引士やファイナンシャルプランナー、マンション管理士としての知見を生かしながら、さまざまな物件と向き合ってきました。
みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問にコラムを通じ、お答えします。

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