ワークスペースについてのご相談です

リノベーションなんでも相談室 | 2021.4.13

みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問に、趣味=中古マンションの“こっしー”がお答えする「リノベーションなんでも相談室」のお時間です。

今回お答えするご質問は、こちら。
「住まいづくりを考えるなかで、ワークスペースの考え方について悩んでいます。在宅勤務が未来永劫続くとは限りませんし、みなさんどのような空間づくりをしているのでしょうか」。

住宅、リノベーション業界において、在宅勤務やワークスペースというのは最近のトレンドになっています。働き方が変わりつつあるこの時代ですから、暮らしと仕事のつながりについては気になるところですよね。今回は、ワークスペースのつくり方や注意点について解説してまいります。

23区では5割に迫る、テレワーク実施率

はじめに、テレワークがどのくらい普及しているのか、というところから見てみましょう。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、テレワーク環境の整備が半ば強制的に進んだということが内閣府の調査からわかります。内閣府が行った「第2回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によれば、緊急事態宣言下の2020年5月において、全国平均で27.7%、東京23区では48.4%の就業者がテレワークを実施したそうです(図1)。私たちが行った「これからの暮らし」についてのアンケート結果を見ても、63%が「これからもテレワークをしたい」と回答しており、頻度の差こそあれこれからもテレワーク化の流れは続いていきそうです。

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図1. テレワークの実施率(2020年12月, 内閣府)

ワークスペースの3つのつくり方

ワークスペースのつくり方は、「外につくる」「部屋をつくる」「余白をつくる」という3つに分類することができます。リノベーションと絡めながら、それぞれ簡単にご紹介いたします。

(1)外につくる
働く場所と住む場所をはっきりと分けるというスタイルです。たとえば、シェアオフィス・コワーキングスペースといった、会社でも家でもない、働く場所が注目を集めています。そのほかにも、マンションであれば共用ラウンジやスタディルームで仕事を行っている人もいるでしょうし、近くのカフェやファミリーレストランに出向く人もいるでしょう。ワークスペースを外につくることができれば、仕事には集中しやすいですよね。この発想であれば、コンパクトな住まいでも十分に快適に暮らせそうです。

(2)部屋をつくる
仕事のための部屋をつくる、という考え方もあるでしょう。家のなかではあるけれど、扉さえ閉めてしまえば、そこは仕事部屋。集中して仕事と向き合うことができそうです。とくに、家で仕事をする頻度が高い方、夜遅くまで家で仕事をするような方に向いているつくり方です。たとえば、図2は自宅で仕事を行う旦那様のためにつくった仕事部屋です。広いお部屋ではないですが、集中するためには十分といえそうです。部屋をつくると使い方が固定されてしまいがちですが、こちらのお宅では、将来的に仕事部屋を子供部屋としても明け渡せるような、柔軟な設計をしています。

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図2. 個室として設けたワークスペース

(3)余白をつくる
仕事部屋をつくるとなると、その分リビング・ダイニングなどを犠牲にする必要があります。100m²、200m²という広いお部屋であれば気にならないのでしょうが、首都圏のマンションの平均的な広さは新築・中古ともに約65m²。限られた空間の中で、どこにどれだけの広さを割り当てるのかを考えなければなりません。図3のお宅では、広々としたリビングの一画にワークデスクを配置することで、開放感と仕事場としての機能を両立させています。完全にオープンな環境だと集中できないという方は、ワークスペースを家具やカーテンで緩く仕切るという工夫もよいかもしれません。

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図3. リビングの一画に設けたワークスペース

図4も余白をつくった事例で、こちらは玄関からリビングへとつながるエントランスホールの一画にワークスペースを設けました。旦那様はこちらのワークスペース、奥様はダイニングでおふたりともテレワークをすることもあるようですが、「お互いが適度な距離感を持って仕事できるところがやりやすい」というご感想をいただきました。

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図4. エントランスホールの一画に設けたワークスペース

ワークスペースづくりの注意点

ワークスペースをつくる際には、配線をどう収める? ネットワーク環境はどうする? など細かなポイントもあるでしょうが、もう少し大きな視点で、ワークスペースをつくる際の注意点を考えてみます。こちらも3つのポイントにまとめますが、とにもかくにも考えるべきは「これから先のことはどうなるかわからない」ということです。

(1)ワークスペースのために広い家、は求めない
ピーク期と比べればテレワークの実施率は減りました。もしかしたら結局のところ、会社への通勤が当たり前になるのかもしれませんし、シェアオフィスが拡大し、通勤はしないものの家でも仕事はしないという未来になるかもしれません。住宅購入の限られた予算のなかで広さを優先するということは、立地を犠牲にすることに他なりません。立地、つまりは利便性や資産性を犠牲にしたにもかかわらず、ワークスペースはほとんど使われないという未来は、あまりにも悲し過ぎますね。

(2)ワークスペースのためにたくさんの個室、は求めない
仕事部屋をつくる場合でも、必要以上の個室を用意するのは得策ではありません。たとえば、ご夫婦と生まれたばかりの赤ちゃんという3人家族がいたとします。ご夫婦の寝室・こども部屋・ワークスペースが必要ということで3LDKの空間をつくると、当面はこども部屋がまるまる余ることになり、もったいないですね。前回のコラムの通り、10歳くらいまではひとり部屋を設けない家庭も多いですから、まずはこども部屋をワークスペースとして使い、こども部屋が必要になった際には、ワークスペースを移すという柔軟な対応ができるとよさそうです。

(3)ワークスペースのために、つくりすぎない
リノベーションを行う際にやりがちなのが、ワークスペースをつくり込み過ぎるということ。カウンターやパソコン・周辺機器・資料等をしまうための収納まで、細かく造作することもあると思います。収まりのよいワークスペースは素敵ですから、造作自体は否定しませんが、つくり込み過ぎには要注意です。たとえば、少し古いマンションになると必ず固定電話置き場がありますが、最近では固定電話を持たない方も多く、無駄なスペースと化しています。同じように、設計時点の想定と10年後・20年後の未来はイコールではないでしょうから、変化に耐えうる柔軟なスペースをつくってあげるとより安心といえるでしょう。

今回は、ワークスペースについて解説しました。いくつか私たちの施工事例もご紹介しましたが、共通していえるのは、いかようにも使える空間という点かもしれません。社会や暮らしの変化に対応できるような、自由度の高い空間をつくるというのはひとつの答えなのかもしれません。無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」では、ゼロからの自由な空間づくりを提供しております。ご興味を持たれた方は、リノベーション講座や相談会にお越しください。

\ 4月22日(木)19:00~ YouTube・Instagram LIVE開催します!/
みなさんからのご質問もお待ちしています。
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