住宅ローンは少ない方がよいのでしょうか?

コラム | 2020.8.11

みなさんの住宅購入・中古マンション・リノベーションのさまざまな疑問・質問に、趣味=中古マンションの“こっしー”がお答えする「リノベーションなんでも相談室」のお時間です。

今回お答えするご質問は、こちら。
「住宅ローンを組んで中古マンションを購入しようと考えています。借金をする怖さもあるのですが、住宅ローンの借入額はなるべく少ない方がよいのでしょうか?」

今回も住宅ローンについてのご質問ですね。以前のコラムでは「借りられるだけ借りていいのでしょうか?」というテーマを取り上げましたが、今回はその逆です。住宅ローンの借入は少なくするにこしたことはないのでしょうか、というご質問にお答えいたします。お金を借りるというのは怖いイメージもありますが、借金の中でもかなり特殊な存在である「住宅ローン」の考え方について、解説してまいります。

借入額をなるべく少なくする必要は、ありません

「借金」と聞くと、どちらかというとネガティブな印象を受ける方が多いかもしれません。ギャンブル漬けで、遊ぶ金を消費者金融から借りて、返済が滞り、取り立てられて……というシーンが思い浮かんだりもしますよね。あるいは、リボ払いのように、知らず知らずのうちに借金を抱えている人もいるでしょうし、むしろそちらの方が怖いなと感じます。

住宅ローンも、当然「借金」のひとつではありますが、非常に変わった存在です。お金を借りるとなれば、少ない額・短い期間というのが鉄則になりますが、住宅ローンには必ずしもその鉄則は当てはまらないのです。詳しくはこの後で解説しますが、「住宅ローンの借入額はなるべく少ない方がよいのでしょうか?」というご質問にお答えするとすれば、「なるべく少なくする必要は、ありません」ということになります。結論は以前のコラム同様で、自分にとって適切な資金計画を立て、適切な金額の住宅ローンを組むことが大切ですから、必要以上に予算を下げたり、借入額を減らしたりする方向に躍起になることはおすすめできません。

住宅ローンという、特殊な商品

住宅ローンのお話をする前に、お金を借りる、ということについて少し考えてみましょう。例えば、CMでもよく見かけるカードローンなどはイメージがしやすいでしょう。このような借入は、万が一返せなかったときのための担保を提供することなくお金を借りられる仕組みです。貸し手側からすれば、お金を回収できないリスクが高くなりますので、金利は高く、返済期間は短く設定されます。金利の高い借金については、なるべく少なく・なるべく短く借りて、利息負担を抑えるという考え方が的を射ているわけです。

住宅ローンとカードローンの比較

住宅ローン カードローン
金額 多い(1億円以内など) 少ない
金利 低い(変動0.5%前後) 高い
期間 長い(35年以内など) 短い
担保 有り(土地・建物) 無し

住宅ローンがほかの借金と大きく異なる点は「多額・低金利・長期間」で借りられるという点です。通常、見ず知らずの相手に多額・低金利・長期間でお金を貸すということは恐ろしくてできませんが、住宅ローンに限っては、このような借り手にとって有利な条件が設定されているのです。住宅ローンの場合は、お金を借りる際に土地や建物を担保として提供することになりますから、貸し手側のリスクが小さくなりますね。

ただし、担保があるというだけでは、ここまで金利は下がりません。例えば、投資用不動産を購入する場合には、担保を提供したとしても、住宅ローンほどの低金利にはなりません。住宅ローンは、自分が住む物件購入のための商品だからこそ、ここまでの好条件になるのです。歴史的に見ても、戦後の日本では持家の優遇、つまりは住宅購入を後押しするような政策がとられ続けているという背景があるのです。

また、ざっくりした説明になりますが、現在のような物価上昇を目指す局面では、金利を下げることにより世の中にお金を回す政策がとられます。住宅ローンの金利は、政策上の金利との連動性が強いため、この二十数年はベースとなる金利が低い水準で推移しています。それに加えて、金融機関間での競争が発生することで、0.5%を切るような住宅ローンも登場しているのです。

繰り返します、適正な資金計画が大切です

このように、住宅ローンは借り手にとって有利な条件でお金を借りることができる、特殊な存在です。うまく使うことで、暮らしの満足度を高めたり、資産を築いたりすることができるのです。借りるのが怖いと考えて、必要以上に住宅購入の予算を下げてしまうと、より便利な暮らしや、より価値の高い不動産を手に入れるという選択肢を失ってしまう可能性すらあります。例えば、二人以上世帯の貯蓄額の中央値は800万円前後ですが、この金額で資産価値の高い物件を手に入れるというのは、少なくとも都内では困難であるということは想像に難くないと思います。

繰り返しになりますが、住宅ローンを借りられるだけ借りましょう、予算を上げられるだけ上げましょうと推奨しているわけではありません。あくまで自分自身が望む生活水準や将来の展望を織り込んだ、高すぎず、低すぎない、適正な資金計画を立てましょうということを、みなさんにお伝えしたいと思います。

今回は、住宅ローンについて解説いたしました。当たり前に普及している住宅ローンですが、実はかなり特殊な存在であることがおわかりいただけたかなと思います。無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」では、資金計画からのご相談も承っております。自分にとって適正な予算はどれくらいか、住宅ローンはどのように組むべきかなどが気になる方は、リノベーション講座や相談会にお越しください。

みなさんからのご質問をお待ちしています!/

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