「持ち出せる畳」から考える暮らしの知恵
団地から考える暮らしの知恵100 | 2024.10.24
第四十七回
「持ち出せる畳」から考える暮らしの知恵
暑い夏もようやく過ぎて、日中も過ごしやすくなってきました。ピクニックなど日中屋外で過ごすには最適な季節です。そう、団地の豊かな敷地はまさにピクニックをするには最適で、丁寧に刈り取られた芝生の上で、レジャーシートを敷いて過ごす。まさに団地ライフを満喫できる暮らしです。
団地には和室があるお部屋も多いですが、畳は、直接座ったり寝そべったり、のんびり過ごすには快適ですよね。そんな畳が屋外でも使用できたら・・・そんな思いを実現するアイデアを考えてみました。
<暮らしの知恵(1) あったらいいな – 屋外に持ち出せる畳 ->
通常畳のサイズは、180cm×90cmほどあるので、持ち運ぶには大きいですが、その半分の半畳のサイズの90cm×90cmだと、一人でも持ち運ぶことも可能ですし、厚みも通常より薄くできれば軽くできそうです。
このような半畳サイズで薄い畳は、一般的にも販売されていますが、積極的に屋外でも使えるというものはなかなかありません。
普段は、自宅の和室の畳として、天気の良い日は屋外に出して、レジャーシートのように使える、そんな畳があったらどうでしょう。きっと和室が多くて敷地が豊かな団地ならではの団地ライフを楽しむことができるのではないでしょうか。
<暮らしの知恵(2) ちょっとした工夫 – 座れるリユース畳表のトートバッグ ->
和室の畳をそのまま持ち出せるアイデアも面白いですが、実際に90cm×90cmの畳を持ち歩くのは少し大変そうです。
そこで和室の畳をそのまま持ち出すのではなく、元々畳の表面材として使われている畳表(たたみおもて)を使用した「レジャーシートになるトートバッグ」としてみてはいかがでしょうか。初めから、トートバッグの形状をしたレジャーシートであれば肩にかけることもできるので、より楽に、またバッグとして必要なものを入れて移動することも可能です。
さらに、表替え※をして捨てるだけになっていた古い畳表を使用することで、サステナブルなアイデアになりそうです。団地で使われていた畳表を、古くなってただ捨てるのではなく、屋外で「レジャーシートになるトートバッグ」として、古い畳表をまた団地で利用する。そのような取り組みができるとより良い商品になりそうです。
そしてトートバッグの取手の部分を、畳の縁(ふち)を利用できたら、色んなバリエーションで個性豊かな「レジャーシートになるトートバッグ」にもなりそうですね。
また、団地まるごとリノベーションでは、団地の屋外空間を利用したイベントも行っており、芝生の上で畳表をレジャーシートとして貸し出しをして、実験的に使用した事例もあります。
いかがでしょうか? このようなちょっとした知恵で素敵な暮らしが実現する「団地から考える暮らしの知恵」を随時発信していきます。みなさんのご意見をお待ちしております。
また、MUJI×URでは、オリジナルの「共同開発パーツ」を展開しています。
団地の暮らしの考察から生まれた、団地の魅力を引きたてるオリジナルパーツ
MUJI×URでは、UR都市機構と無印良品が共同で開発したオリジナルパーツを「団地の魅力を引きたてる新しいアイテム」として、リノベーション住戸に使用しています。
団地の暮らしに欠かせない畳・ふすま・キッチンも現代の暮らしに合うようにデザインを見直し、また、地産地消やリユースといった開発の背景にあるストーリーを大切にしています。
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