「畳の表替え」から考える暮らしの知恵

コラム | 2021.6.22

第十五回
「畳の表替え」から考える暮らしの知恵

みなさんご存知の通り、団地にはたくさんの和室があります。この和室だった部屋をフローリングの洋室にすることで、現代の暮らしに合うようにリノベーションすることは技術的には可能なことです。
しかし、これだけたくさんの和室があるということは、フローリングにリノベーションをする度にたくさんの畳を捨てるということにもなります。標準的な3DKの間取りの場合、6畳(6枚)の居間と4.5畳(5枚)の寝室が2部屋あり、合計で16枚の畳を捨てることになります。

本来なら使用できる畳を捨ててしまうのはもったいないですし、これからの季節、畳の上でゴロゴロできるのは畳の魅力です。これらの畳を、うまく利用することはできないものでしょうか。

そもそも畳の構造は、表面の「畳表(たたみおもて)」と芯材の「畳床(たたみとこ)」で出来ています。通常、和室をそのまま残す場合、状態がよい畳は、表面の汚れた「畳表」だけを交換すれば、芯材をそのまま利用しながら見た目をきれいにすることが可能です。これを「表替え(おもてがえ)」と呼びます。
この「表替え」を応用して、団地に住みながら暮らしを豊かにできる知恵を考えてみたいと思います。

<暮らしの知恵(1) 畳の仕組みを知ろう「畳の断面構造」>

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「表替え」では、畳の表面を替えるだけで、芯材は再利用できる。その際、裏面を天板に交換しておく

畳の「表替え」は、賃貸住宅において、住みながら行える工事の一つです。畳の断面構造を見るとイラストにあるように、いくつもの層になっていて、表面から

(1) 畳表
(2) インシュレンションボード
(3) ポリスチレンフォーム
(4) インシュレンションボード

となっています。この最後の(4)を合板にすることで、ひっくり返すと床座で過ごす天板にすることができそうです。

※使用する材料、仕様及び施工方法によっては、原状回復義務が発生します。

<暮らしの知恵(2) ちょっとした工夫「畳の裏表を変化させる」>

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裏面を天板に交換された畳は、ひっくり返すと天板に変化する

裏面を天板にした畳は、ひっくり返すと床座で過ごす天板となり、まるでオセロのようにランダムに好きな場所だけ天板にすることができます。

ゴロゴロしながら床に飲み物を入れたグラスや、お菓子を盛ったお皿を置いたりすることができるので、床座で過ごすのに重宝しそうです。

また全部をひっくり返すと、まるで洋室のフローリングのようにもなります。
和室にも洋室にもなるので、住む人の気分で住みながら和室と洋室を選ぶことができるようになりそうです。

※畳を裏返した際は、畳み表に湿気対策をし、カビないように注意しましょう

MUJI×URの共同開発パーツである「麻畳」も「表替え」をすることが可能です。現在のところ「麻畳」が汚れた場合、「麻畳」から「麻畳」に替えることしかできませんが、将来的には「い草畳」から「麻畳」に替えることができるようになるかもしれません。

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MUJI×URの共同開発パーツの「麻畳」も表面が汚れたら表替えが可能

いかがでしょうか? このようなちょっとした知恵で素敵な暮らしが実現する「団地から考える暮らしの知恵」を随時発信していきます。みなさんのご意見お待ちしております。