団地に自動運転バスを走らせる
団地再生物語 | 2020.2.11
数千戸が集まるような大規模な団地は、当然敷地の面積も広くなり、団地内を端から端まで移動するのに、徒歩で20分かかるような団地もあります。それくらい大きな団地になると、敷地内に商店街があったり、公園があることが多いですが、敷地の端の方に住んでいる人は、そこまで移動するのも大変に感じることがありそうです。
とくに、高齢者の方の毎日の買い物に大きな移動が伴うのであれば、外出しずらくなり、人とコミュニケーションをとる機会も減るかもしれません。
団地を活性化するには、この課題も考えていかなければなりません。
花見川団地(千葉県千葉市)では、ボランティアの方が高齢者の送迎をしています。専用の三輪車の前に人が座れるようにして、そこに人や荷物を載せられるようになっており、電話1本で買い物客を送迎してくれます。乗る人の利便性が高まるのはもちろんですが、運転する人とのコミュニケーションもおこります。そこで顔見知りになったり、情報交換をすることもあるでしょう。とても良い取り組みです。
このように移動手段を軸に、コミュニケーションの活性化を考えてみるのはどうでしょうか。
団地内のスーパーや商店街、集会所、管理事務所などをめぐる移動手段があったら便利そうです。例えば、自動運転バス。
2019年にフィンランドで自動運転バスの試験運転を開始した「GACHA」は、無印良品がデザインパートナーとして参加しています。運転手はおらず、ハンドルもありません。なかには10数人の人が座ることもでき、内部のデザインによっては図書館になったり、お店になる可能性があります。
2020年2月現在では、日本の公道は走れませんが、私道なら走れる可能性があります。このような自動運転バスが大規模団地のなかを走っていたらどうでしょうか。
団地であれば、私道だけでも走れる範囲が広くありそうです。スマートフォンを使って手軽に配車することができれば、高齢者だけでなく団地の端に住んでいる人が、団地の中心地まで来やすくなり、外出するのも億劫でなくなるかもしれません。また、バスのなかで出会いや賑わいがおきるかもしれません。あたらしいかたちで団地の活性化が考えられそうです。
もちろん、さまざまな懸念事項をクリアしていかなければなりませんが、自動運転バスはこれから高齢化社会になりドライバー不足も懸念される時代に、より手軽な移動手段として力を発揮しそうです。
すぐそこの未来に、団地にこのようなバスが走ったらどうでしょうか。
ぜひ、みなさんのご意見・ご感想をお聞かせください。お待ちしております。