アートをいれた団地リノベーション

団地再生物語 | 2019.8.27

今回は、団地の共用部にアートを入れることを考えてみたいと思います。
「1%フォー・アート」という取り組みがあります。「1%フォー・アート」とは、公共建築の建設費の1%をその建築物に関連・付随する芸術・アートのために支出しようという考えです。最初に法制化したのは1950年代のフランスで、60年代になると他のヨーロッパ諸国やアメリカでも採用されます。アメリカの場合、狭義の芸術・アートに限定せず、演劇、ダンスなどのパフォーマンスも対象となっています。近年はアジアにも広がり、韓国、台湾で法制化されました。(出典:日本交通文化協会

プロや、セミプロのアーティストが作成するアートがあることで、団地がよりよい風景になったり、暮らしに彩りが付け加わることが期待できます。
団地の場合、共用部にアートする余地がありそうです。例えば、団地の外壁部。一面窓のない外壁部分があり、手が入れられていない場合が多くあります。この部分をペイントして大きなアートにすることができそうです。
またその他にも、階段室や廊下、玄関ドアなど画一的になりがちな部分にペイントなどのアートを入れることで、団地の風景が楽しくなるかもしれません。
また、建物の外部に目を移してみると、遊歩道や公園などにアートを配置しても良さそうです。近くで見ることができたり、触ることができるアートとしてつくるということもありそうです。

ただ、アートであれば何でも良いということではなく、ディレクションをして団地ごとにテーマをきめて、アートの種類やコンセプトの調整をする必要があります。そうすることで、きちんとした空間をつくることができます。
アートを入れる団地をよく知ってもらうためにも、アーティストに団地に住んでもらうことも考えられます。アトリエとして、使われていない集会場などの共用部の一部を使用してもらい、作品の制作をしてもらうこともできそうです。そのアトリエを定期的に公開したり、そこでつくった作品のギャラリーも併設できれば、住民のコミュニティスペースとしても活用できるかもしれません。まだ駆け出しのアーティストであれば、ご自身の作品がたくさんの人の目に触れる機会を得て、評価をしてもらえる場となることが期待できます。

いかがでしょうか。アートを入れることで、新たな団地リノベーションとすることができ、団地が公共空間としてその地域に貢献できそうです。
ぜひ、みなさんのご意見をいただければと思います。