団地を住み替えていく
団地再生物語 | 2019.2.12
10年前のコラム「暮らしには知恵が必要」でご紹介しましたが、暮らし方には、生き方や家族の思いが反映される「ライフスタイル」と、年齢や家族の成長によって変化する「ライフステージ」、収納の効率化やリビングの飾り方などより良く暮らす知恵や技術による「ライフスキル」がありそうです。
その3つの組み合わせによって無限の暮らし方があり、それぞれに適した住まいがあるのかもしれません。
ライフスタイルの中にはさまざまなカテゴリーがありますが、住まいの広さの部分に絞って考えてみると、限られた面積をできる限り効率的に住もうと無駄をできる限り少なくして暮らすコンパクトライフ志向と、ゆったりした面積の住戸に住み、広々と暮らす志向があり、今回はこれについて考えてみます。
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトの新プラン、MUJI×UR Plan48「コンパクトな対面キッチンのある暮らし。」(37.82m²)や、MUJI×UR Plan46「押入ベッドと土間収納がある暮らし。」(36.69m²)では、40m²を切る住戸での暮らし方を提案しています。
いままでにはない面積の住戸での提案でしたが、キッチンを小さくしたり、収納に知恵を絞ったり、できるかぎり広く感じられる工夫を行いました。
それに対して、MUJI×UR Plan49「内と外をつなげるサンルーム。」(66.5m²)や、MUJI×UR Plan50「窓際に縁側がある暮らし。」(66.5m²)は、比較的ゆったりした面積になっています。
このMUJI×UR Plan50では、半透明ふすまを使って部屋の仕切り方をさまざまに変えることができます。ふすまを外したり、開けておくことで広々と使うこともできますし、ふすまを閉めることで、コンパクトな空間にしたり、寝室を寝る空間と書斎空間の2つの空間にわけることも可能です。空間にゆとりがあるとさまざまな使い方ができそうです。
ライフスタイル、ライフステージ、ライフスキルの変化によって住まいの選択肢が広がってきています。
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトでもさまざまな広さの住戸が増えてきましたので、1人暮らしのときは30m²台に住み、結婚して40m²台、子どもが生まれたら60m²台、子どもが独立したら40m²台にするなどのライフステージの変化によって、住み替えていくこともありそうです。
もちろん、そのときどきのライフスタイルやライフスキルで、違った暮らし方ができます。
団地に賃貸暮らしということには、借りて住むということの手軽さや、更新料がかからない気軽さがあります。
陽当たり風通しの良い団地の良さを享受することは変えずに、そのときどきによって団地の住戸を変えていくような考え方はいかがでしょうか。みなさんのご意見をお待ちしております。