団地の押入れを活用したコンパクトライフ
団地再生物語 | 2018.8.14
今回は、押入れの使い方について考えてみたいと思います。
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトでは、団地の特長の一つである押入れについて、さまざまなご提案をしてきました。一般的な団地の押入れには、床の部分と中棚と天袋があります。内部を部屋と同じ仕上げにして、収納だけでなく、部屋の延長としても使えるようにしています。
広がる押入れの空間
中棚については、残している場合となくしている場合があります。残していれば、そこに引き出しを置いたり、ハンガーパイプを使って洋服をかけられるようにしたり、あるいは高さが合えば机に使っていただくこともできます。
中棚をなくせば、背の高い収納が置けますし、床にTVボードをおいたりして部屋の延長として使うことも可能です。
箱型に囲まれているので、ちょっとしたスタディコーナーとして使っても良さそうです。
押し入れを寝室として使う
以前のコラム「寝室で出来ることを見直す」では、寝室の機能を見直し、寝室をコンパクトにすることでLDKを広くして、暮らしの可能性を広げた提案をしました。
寝室の利用方法が寝るだけであれば、カプセルホテルのような空間があれば十分なのかもしれません。
また、コラム「団地でコンパクトキッチンのコンパクトライフ」では、コンパクトキッチンを使った提案をしてみました。
コンパクトで小さな暮らしを考えるなかで、押入れの有効活用のアイディアとして、押入れで寝られるようにできたらどうでしょうか。
下記のプランを見てください。広さは約32m²の1~2人暮らしのお部屋です。
リノベーション前の間取りでは、キッチン横にダイニングテーブルが置かれていて、バルコニー側が寝室になっています。玄関が小さく、寝室が広い印象があります。
リノベーション後の間取りでは、キッチンをバルコニー側に寄せて、畳の部分は洋家具も置けるよう麻畳に変更、リビングダイニングとして利用し、押入れ部分で寝るようになっています。押入れの代わりに玄関横にまとめて土間の収納スペースをとっています。玄関が広くなることで、アウトドア用品やベビーカーを置いたりすることもできそうです。
押入れは3段(床、中棚、天袋)になっているので、寝るのは一番下か、中棚の部分にマットレスを敷いて寝ることになりそうです。
寝るスペースはカプセルホテル並みの小さなスペースになりますが、その分、他の部分が広くなります。
いかがでしょうか。押入れの使い方を考えることで、限られた空間を有効に使うことができそうです。ぜひ、みなさんのご意見をいただければと思います。