リノベーションに適した新しいフローリングが登場
団地再生物語 | 2018.2.6
以前公開したコラム「床から考える団地リノベーション」では、床材によって空間の雰囲気が変わることをご紹介しました。
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトでは、今年度から新たな床材が2つ登場しましたのでご紹介します。
ラワン合板フローリング
一般的な住戸に使われるフローリングは、合板基材の表面に薄い木材(あるいはシートなど)を貼り付けています。
合板基材といってもしっかりとした木材でできていて、素材はラワンという木です。建築材料や家具などの材料として幅広く使用されています。木目はラフで色幅も大きい(レンガ色系、黄色系、白系など)ことから、一般的にはフローリングの表面には使われることは少ないようです。
今回登場したラワン合板フローリングは、この表面に貼る材料を省略した合板基材そのままの床材です。
材料の特性であるラフな木目をそのまま生かして、ある程度の色幅も天然素材の質感としてそのまま見せています。また大きさは、一般的なフローリングの大きさと同じ(幅約30cm × 奥行約180cm)にしていますが、フローリングにある目地を無くして大判サイズとしています。
ですので、色はレンガ色を中心としており木目もさまざまですが、「素」のままの天然素材を楽しむことができ、全体として落ち着いた雰囲気になりました。リノベーションならではのラフな空間にぴったりと合っています。また表面加工の工程を省いているので、一般的にはコストが高くなる大判サイズのフローリングでもコストを抑えることができました。
もちろんお手入れのしやすさも大切です。表面にはUV塗装を施して、しっかりとしたメンテナンス性能を確保しています。
ヒノキ合板フローリング
香り豊かで足ざわりが心地よい、ヒノキのフローリングをつくり方から見直しました。
ヒノキは、スギやマツなどとともに日本でよく見られる建築材料です。古来は社寺建築材としても利用され、伊勢神宮や東大寺などでも使われる高級な材料です。
今回登場したヒノキ合板フローリングは、表面をヒノキとし、合板基材を杉材とすることで、無垢材にみられる反りを少なくしました。また、素材を組み合わせることによりコストも抑えることができ、一般的に高価なヒノキを使いやすくしています。
大きさは、ラワン合板フローリングと同様(幅約30cm × 奥行約180cm)大判サイズとし、小割のフローリングにはない大柄な木目が、ラフなリノベーション空間とも相性が良くなりました。ヒノキ、杉共に国産材を使用し、一般のフローリングと同じようにUV塗装をしているため、メンテナンス性能を確保しています。また、色が明るいので、空間全体が明るくなります。
いかがでしょうか。一般的なフローリングをもう一度見直して、リノベーションに適するように考えてみました。
きれいな木目のフローリングが一般的ですが、ラフな質感でもリノベーションのラフな空間には適してそうです。また、大判にすることで質感を楽しむことができます。
フローリングが違うだけでも住まいは大きく変わり、暮らす楽しみが増えそうです。ぜひ、みなさんのご意見をいただければと思います。