家族のコミュニケーションを大切にした団地リノベーション
団地再生物語 | 2017.12.12
2012年に大阪でスタートしたMUJI×UR団地リノベーションプロジェクトは6年目を迎え、今年は首都圏 2団地、中部1団地、西日本5団地、九州1団地、計9団地の新しい団地が登場し、13種類の新プランが発表されました。合計で全国41団地・45プランの展開となり、2018年1月から入居の申込受付が開始されます(一部団地を除く)。
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトは、団地の良さを見直し、優れた部分を上手に生かしながら、そこに無印良品が積み重ねてきた知恵や工夫をそっと掛け合わせて、これまでにない賃貸住宅をつくる活動です。賃貸に愛着を持って長く丁寧に住みつないでいくことが、これからの日本の暮らしのスタンダードになってほしいと考えています。
大切にした部分は変わりません。「壊しすぎず、つくりすぎない」。陽当り・風通しといった団地本来の良さを残しながら、本当に必要なものだけを加えていく。そして、賃貸住宅であっても、住む人が自分の暮らしに合わせて間取りを自由に編集できるような住まいを提案していきます。
今年の新しいリノベーションの取り組みをご紹介したいと思います。今年度は、今までのMUJI×URプランでは少なかった70m²を超えるファミリータイプが登場しました。家族のコミュニケーションを大切にした間取りというだけでなく、今までの暮らし方に「彩り」を加えることができるような仕掛けも考えています。
以前のコラム「アートのある暮らし」でご提案した暮らしが、多摩ニュータウンベルコリーヌ南大沢(東京都八王子市)の新プラン、MUJI×UR Plan40、Plan41で実現しました。
MUJI×UR Plan40 ギャラリーとアトリエのある暮らし。
もとの間取りは3LDK、78m²のファミリータイプで、玄関からは左右に分かれる動線となり廊下が長く、スペースをとっているのが課題でした。今回は長い廊下を生かしたアートウォール(ギャラリースペース)を設け、住まいの中心にアートを楽しめるようにしました。キッチンも対面式とし、料理をしながらでもアートを感じることができそうです。
大きな寝室は半透明ふすまで2つに分けることができ、アトリエや書斎のように使えるようにしています。玄関からLDKに入りますので、家族が顔を合わせてコミュニケーションがとりやすい動線となっています。
LDKは隣にある和室とつなげて大きな空間となりました。陽当たりのとくに良い一部をインナーバルコニーとして使っても良さそうです。また、床材は今年度登場したヒノキ合板フローリングを採用。明るい色とラフな木目が特長で、明るい空間に適しています。
MUJI×UR Plan41 廊下の壁をギャラリーに。
もとの間取りは3LDK、74m²のファミリータイプで、玄関から廊下が左右に続いています。MUJI×UR Plan40と同様にアートウォールを設けています。キッチンが孤立しないように、キッチンと廊下を隔てていた壁を撤去してつなげました。
また、ダイニングとの間にあるふすまをあけておくことで、部屋全体がつながる間取になっています。ふすまは半透明なので、キッチンまで光が通ります。床材は新登場のラワン合板フローリングを採用しました。赤茶の濃色が空間を引き締めます。
家族のコミュニケーションを大切にした間取り、いかがでしたでしょうか。
廊下を見直すことで、無駄な空間が少なくなりました。限られた空間を有効に生かし、アートがあることで暮らしに彩りが加わり、住まう家族でさまざまなコーディネートが考えられそうです。
今回ご紹介したリノベーション住戸は、多摩ニュータウンベルコリーヌ南大沢(東京都八王子市)にて、2018年3月3日(土)・4日(日)モデルルーム公開、入居募集の予定です。入居の応募詳細情報は2018年1月上旬に発表予定です。無印良品の家ホームページや無印良品の家Facebookでもご案内しますので、ご期待ください。